大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

UAW(全米自動車労組)、VWチャタヌーガ工場で組合承認選挙を実施へ

2019年04月12日 | 日記

 自由に労働組合を結成し企業に労使交渉を要求できる日本と異なり、アメリカとカナダでは選挙で労働者の過半数の支持を受けた場合のみ、企業に労働組合と労使交渉する義務が発生する仕組みになっている。

 ところでUAW(全米自動車労組)は2019年4月9日(火)、VWチャタヌーガ工場(テネシー州)で全労働者を対象にこの組合承認選挙をおこなうことをNLRB(全国労働関係委員会)に申し立てた。

 現在、アメリカでは海外自動車メーカーのたくさんの工場が操業しているが、UAWはことごとくその組織化に失敗してきた(米自動車メーカーと合弁で設立された工場を除く)。

 VWチャタヌーガ工場もその例外ではなく、2014年2月には組合承認選挙がおこなわれたものの712対626の差でUAWが否認されている。

 例外は、VWチャタヌーガ工場の熟練工

 2015年12月にチャタヌーガ工場で熟練工だけを対象とした組合承認選挙がおこなわれ108対44でUAWが承認された。

 しかしVWは以来、熟練工だけを対象とした労働組合と交渉することを拒否している。

 今回、UAWがチャタヌーガ工場の全労働者の組織化に成功し、安定した労使関係を構築できるか注目される。

 地元紙によれば、(VWからの異議申し立てがなければ)2019年4月29日、30日の二日間、組合承認選挙がおこなわれる予定。  

 

VWチャタヌーガ工場の組合承認選挙でUAWが手痛い敗北(2014/2/26)

VWの組合承認選挙にかんして、UAWが異議申し立てを撤回(2014/4/22)

UAW、VWチャタヌーガ工場で専門工の組合承認選挙に勝利(2015/12/5)



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