自由に労働組合を結成し企業に労使交渉を要求できる日本と異なり、アメリカとカナダでは選挙で労働者の過半数の支持を受けた場合のみ、企業に労働組合と労使交渉する義務が発生する仕組みになっている。
ところでUAW(全米自動車労組)は2019年4月9日(火)、VWチャタヌーガ工場(テネシー州)で全労働者を対象にこの組合承認選挙をおこなうことをNLRB(全国労働関係委員会)に申し立てた。
現在、アメリカでは海外自動車メーカーのたくさんの工場が操業しているが、UAWはことごとくその組織化に失敗してきた(米自動車メーカーと合弁で設立された工場を除く)。
VWチャタヌーガ工場もその例外ではなく、2014年2月には組合承認選挙がおこなわれたものの712対626の差でUAWが否認されている。
例外は、VWチャタヌーガ工場の熟練工。
2015年12月にチャタヌーガ工場で熟練工だけを対象とした組合承認選挙がおこなわれ108対44でUAWが承認された。
しかしVWは以来、熟練工だけを対象とした労働組合と交渉することを拒否している。
今回、UAWがチャタヌーガ工場の全労働者の組織化に成功し、安定した労使関係を構築できるか注目される。
地元紙によれば、(VWからの異議申し立てがなければ)2019年4月29日、30日の二日間、組合承認選挙がおこなわれる予定。