2018年5月9日(水)、欧米各紙はアルゼンチンが300億ドル(3.3兆円:1ドル=110円)のクレジット・ライン(融資枠)を求めてIMFと話し合いをおこなっていると報じた。
現在、アルゼンチンのインフレ率は25%を超え、通貨ペソの下落が進んでいる。これを食い止めるため、アルゼンチン中銀はさきごろ8日間で12.75%の利上げをおこなうとともに、50億ドル(5500億円)のドル売り介入をおこなった。
しかし、ペソの下落は止まっていない。
これ以上の利上げは景気への悪影響が大きく、ドル売り介入についてもウォール・ストリート・ジャーナルはこのペースで介入が続けば2か月でアルゼンチンの外貨準備は底をつくとしている。
こうしたなか、アルゼンチンはIMFと300億ドル(3.3兆円)の融資枠をもとめて話し合いに入ったと報じられている(3.3兆円という数字はフィナンシャル・タイムズから)。
アルゼンチンは2001年に政府の対外債務がデフォルト(債務不履行)におちいり、2003年にIMFから融資をうけている(この条件としてアルゼンチンはIMFから政府予算をGDP比で3%の黒字にすることをもとめられた)。
WSJによれば、アルゼンチンの対外債務は、2015年に1789億ドル(20兆円)だったものが2018年には2529億ドル(28兆円)にまで増加している。これはGDPの39%に相当し、多くはドル建て債務となっている。今回の融資枠の設定は、2001年のような事態を再び起こさないためー投資家を安心させるためーの措置ではないかと思われる。市場の反応を見守りたい。
参考
アルゼンチン、政策金利を40%に引き上げ(2018/5/5)
新興国通貨が下落(2018/5/1)