大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

連邦地裁、ホワイトカラー・エグゼンプションの収入要件引き上げを差し止め

2016年11月25日 | 日記

 2016年11月22日(火)、テキサス連邦地裁は、12月1日から予定されていたホワイトカラー・エグゼンプションの収入要件引き上げを差し止める決定を下した。

 2016年5月17日(火)、米政府は、週40時間を超える労働について割増賃金の支払が不要となるホワイトカラーエグゼンプションの収入要件を引き上げると発表。2016年12月1日から、収入要件は現在の年2万3,660ドル(260万円:1ドル=110円で計算)から4万7,476ドル(520万円)に引き上げられる予定になっていた。また以降は、3年ごとに見直しがおこなわれることになっていた。

 しかし今回、テキサス連邦地裁は、収入要件の大幅な引き上げは行政に許される裁量の範囲を超えている可能性が高いとして、判決がでるまでその執行を差し止める決定を下した

 トランプ次期大統領は、オバマ政権が発令した大統領令や行政決定をすべて見直すとしているが、それ以前に判決で米政府の決定が無効とされる可能性が高くなった。

 なおホワイトカラーエグゼンプションの適用に際しては、収入以外にもさまざまな要件が存在している。