旅のあいまに伺うのは、
上野広小路そばの歓楽街、
仲町通りを歩くと左側に「池之端 蓮玉庵」があります。
そこから100m先にもう一件の老舗蕎麦屋「池之端 藪蕎麦(2016年閉店)」に向かいます。
歩いていると、ここには、老舗の画材店がふたつあります。
仲町通りにある「喜屋」さん、厳選された画材が整然と並んでいます。
自家製天然岩絵具を数千色以上揃え、筆や絵画用紙を種類豊富に取り扱っています。
もう一件は「心正堂本舗」、1867年(慶応3年)創業。
日本画、水墨画、書道の材料を専門に取り扱っています。
色とりどりの岩絵具の瓶が壁 一面に並んでいます。
湯島に向かって歩いていると、静かに佇む「池之端 藪蕎麦」が見えてきました。
《藪の由来》
藪は幕末のころ、本郷根津の団子坂にあったそうな。
「つたや」が元祖と伝えられ、竹薮の茂った広い庭があったことから、
「藪」と言う愛称になったんだと。
「藪蕎麦」という名称は、お客様につけていただいた屋号だったと。
その暖簾が明治13年、
神田連雀町にある曾祖父七兵衛の「かんだやぶそば」に預けられ、
更に大正2年、浅草並木町の「並木藪蕎麦」に分けられたのち、
昭和29年、父鶴雄の手によって上野池之端に店を構え「池の端藪蕎麦」になったとさ。
午後1時半に入ったので、お客さんも少なめです。
蕎麦前を取りたいところですが、今日はざるそば一枚で我慢します。
ざるの裏に盛られた、ほのかに緑色の蕎麦が届きます。
「挽きぐるみ」でしょうか、甘皮を付けたまま石臼で挽いたそばみたいです。
つなぎは、水だけの十割です。 つゆは、辛口で私の好きな江戸前の味になっています。
《蕎麦食うんちく》
私の蕎麦の食べ方は、出てきた蕎麦は、乾く前に早めに食べることにしています。
まずは、何もつけずに蕎麦を噛みます。
その後、3~4本くらいつまみ、汁に少しつけて一気にすすりこみます。
蕎麦の香りが口の中に広がり、追っかけるように汁に絡まった蕎麦が喉を通り、
蕎麦と汁が混然一体となります。
合間に、さらした葱をつまみ、汁につけ口直し。
間違っても葱や山葵を汁中に入れてはいけません。
心思いのある蕎麦屋さんは、中心から食べていくと、ちようど取りやすい量になっています。
蕎麦が長ければ、ざるの上で箸でさばいて短くまとめてたぐるか、
猪口の端で人差し指を使って切るのもひとつです。
それと蕎麦は音を出して食べないといけません。
「ズズーッ」と、粋にそばをすすりこむ音を店内に響かせて。
■営業時間 午前11時30分~午後2時 午後4時30分~午後8時
■定休日 水曜日 ※日曜祝日営業
蕎麦つきあい ありがとうございました。 --
DATE: 11/26/2014