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菊池の記

天外魔境ファン・菊池が言いたいこと言います。

山海経その8・九尾狐

2005年02月17日 | 天外魔境
今回の画像は「九尾狐」です。
小説版ZIRIAでは玉藻の前、ゲーム版ZIRIAではタマモ姫、のちにキュウビ
として登場した九尾の狐の元ネタです。

まあ天外が参考にしてるのは、この九尾の狐をもとに後に作られた
玉藻物語の方だと思いますが。

説明がめんどいので、以下に菊池が学校のレポートで
「絵本玉藻譚」(えほんたまもものがたり:江戸時代の絵入り読み本)を取り上げた時に書いた
粗筋をコピペします。

「玉藻譚」は中華・天竺・本朝の三国を舞台にした物語である。
「絵本玉藻譚」は全五巻で一・二巻が中華、三巻が天竺、四・五巻が本朝(日本)という構成になっている。
以下、粗筋を述べる。中華編では金毛九尾の妖狐が妲己という美女に身を変え中国古代王朝・殷の紂王を
堕落させる。妲己にたぶらかされた紂王は悪逆・放蕩の限りを尽くし遂に殷は滅んでしまう。
天竺編では古代インド・南天竺、天羅国に渡った九尾の狐が斑足王の妃、華陽夫人となって同じく
斑足王をたぶらかし、遂に天羅国も滅んでしまう。
本朝編においては九尾の狐は玉藻前に変じ同じく鳥羽院に取り入って堕落させるが、
陰陽師安倍泰成の法力によって正体が露見し東国の那須野が原へと逃げ去り、
今度は那須野が原において数々の悪事を働く。下野の国那須郡の領主・那須八郎宗重は、
朝廷に対してこのことを訴え、泰成から妖狐が恐れる神鏡を借り受ける。神鏡の威光に恐れをなしてか、
妖狐の悪事は間もなく収まる。しかし、その十数年後、妖狐が再び悪事を働き領民を苦しめるので、
朝廷は安倍泰成、安房の国の三浦介義義明、上総の国の上総介広常を那須野が原へ遣わして
退治するように命じた。妖狐は、泰成の祈祷と三浦介・上総介によって退治されたが、
妖狐の屍は石に変じ辺りに呪いを振りまき続け「殺生石」と呼ばれ恐れられた。
二百数十年後、朝廷から遣わされた会津の示現寺の玄翁和尚殺生石が大かなづちで叩くと
ようやく殺生石は砕け散り、ようやく妖狐の霊は成仏した。
(蛇足であるが岩石を砕くのに用いられるかなづちを「玄翁(げんのう)」と呼ぶのは
 この話が元であるらしい。)

長文失礼致しました。読んでくれた人ありがとうです。
まあ要するに中国インド日本と美しい姫に化けて王をたぶらかし
悪逆非道の限りを尽くし遂に国を滅ぼす、という悪事を
繰り返していた九尾の狐が、ついに日本で滅ぼされる。
死体は石に変じ、周囲に災いを振りまきつづけるが
ついに大かなづちで壊され成仏する、とこういうことですね。

小説版ZIRIAを読んだ事ある人、ゲーム版ZIRIAをやった事ある人は
ピンと来た部分も多かったのではないでしょうか。
ゲーム版のタマモ姫も「1000人の王の首をはねた」って言ってますしね。

菊池はこの「殺生石」の実物を那須に見に行った事があります。
柵の向こうの岩場の中に「史跡・殺生石」などと書いてあって、
そばにでかい岩がありました。
柵の中に入らないでください、みたいな注意書きがあって
いまも微量ながら有毒ガスが出ているようでした。
確かに周囲はなんだか硫黄くさいし。
体に悪そうだしなんか不気味なのでそそくさと帰ってきましたよ。

写真も撮ったのですが前の携帯に入ってるので
ここに貼る事は出来ないのですよ。残念。

「山海経」の記述。
獣がいる。その状(すがた)は狐の如くで九つの尾、その声は嬰児のよう、
よく人を食う。(これを)食ったものは邪気におそわれぬ。
(第一 南山経 一の巻)

参考「中国古典文学大系 第8巻 抱朴子 列仙伝・神仙伝 山海経/平凡社」

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