魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

◆◆【我「老子」の私見を綴る】◆◆天道第七十七

2012-07-01 22:02:48 | 学問

天道第七十七

天之道其猶張弓乎。髙者抑之、下者擧之。有餘者損之、不足者補之。天之道損有餘而補不足。人之道則不然、損不足以奉有餘。孰能有餘以奉天下。唯有道者。是以聖人、爲而不恃、功成而不處、其不欲見賢。

天の道はそれなお弓を張るがごときか。高きものはこれを抑え、下きものはこれを挙ぐ。余りあるものはこれを損し、足らざるものはこれを補う。天の道は余りあるを損して足らざるを補う。人の道はすなわち然らず、足らざるを損してもって余りあるに奉ず。たれかよく余りあるをもって天下に奉ぜん。ただ有道の者のみ。ここをもって聖人は、なして恃まず、功成りて処らず、それ賢を見すことを欲せず。

自然の法則(大道に遵う当然の理)は、弓の位置が高ければちょっと下に下げ(高い者が抑える)、弓の位置が低ければちょっと上へ上げる(低い者を挙げる)。この様に多過ぎて余分なものを用いて不足するものを補うのが自然の法則に適うことなのだ。人間社会の現実は、このようにはなってない。不足している者達から奪って有り余る者達に捧げてしまっているのだ。如何なる人なら世の中に余りあるものを平等に分け与えることが出来ようか?其れを行い得るのは「道」を極めた人のみである。それ故に、為政者は功を上げても其れに拘らず、民衆に功名を誇ることなく、天下を均しく治めなければならないのだ。


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