てんちゃんのビックリ箱

~ 想いを沈め、それを掘り起こし、それを磨き、あらためて気づき驚く ブログってビックリ箱です ~ 

美術クラス修了展の作品

2024-03-16 23:11:17 | 日記
 
 3月末で、私が参加していた絵画と陶芸のクラスは終了する。そのためそれぞれのクラスで修了展が開催された。
 ここでは、絵画のクラスで私が出した絵画2点を紹介する。

1.北の海の思い出
 これは、バルト海クルーズで見かけた女性を中心として、その海の周辺で出かけた3つの都市、コペンハーゲン、ストックホルム、ヘルシンキでの思い出を重ねた絵画である。



 
 中心の彼女は話してみると高校生だったが、優雅で金髪碧眼の生粋の北欧人らしさがあって、ドキッとした。是非北欧の長い夕焼けの中の彼女を描いてみたいと思っていた。
 周りの3都市の位置は地図の通りに、左下をコペンハーゲン、左上をストックホルム、右をヘルシンキとした。そして描くテーマを下記のように2件ずつ選んだ。
 ・コペンハーゲン:人魚姫と風車
 ・ストックホルム:ドロットニングホルム宮殿と国王行幸の馬車
 ・ヘルシンキ:大聖堂とシベリウス
 最初にヘルシンキを決めた。2つのテーマともヘルシンキを代表するもの。特にシベリウスは、フィンランドの基盤。そして大聖堂は港を睥睨する。そこで大聖堂の階段を五線譜として、彼の作曲した「家路」の始まりを書き込んだ。その楽譜の先でシベリウスは、夕焼けを噴き出している。

 

<大聖堂>               <シベリウス公園のデスマスク>


 続いてストックホルム。海に面して建っているドロットニングホルム宮殿はこの街に行った時の一番の驚き。そして街歩きで偶然国王の行幸に遭遇し、その馬車を選んだ。この行幸を先導するのはトヨタのランクル、そして大勢の人々が道路に集まってきたが、特に若い人の熱狂に興味を持った。
 

<ドロットニングホルム宮殿>               <国王行幸の馬車>


 苦しんだのはコペンハーゲン。宮殿、アンデルセン、チボリ公園など考えたが、この街に到着時に最も興味を持った風車を選んだ。飛行機から見下ろした海の中にずらりと並んでいた。そしてホテルまた出張先の近くでも廻っていた。もう一つの人魚姫は、遊覧船ツアーで見た人魚姫の印象が強く、それを選んだ。後側からの線描をしたがやはり前からほうが分かりやすいので、外形そのままに表の姿を描きこんだ。
 

<着陸時に見た風車群>          <背中から見た人魚姫> 

 最初は全体を夕景として、水平線を曲げてそれに沿って3都市を描こうとしたが配置が難しい。そこでストックホルムの馬車を思い切って月の中に入れた。そうするとそこは夜になる。夕景の女性を守るべく、ヘルシンキ側をお昼として、女性の所で夕方から夜へと変化させるようにした。
 またおまけとして乗ったクルーズ船の形を見せようと、その正面と側面がわかる図を書き込んだ。
 こうして、この絵をもとに思い出話をいくらでも話すことができるようにした。

 この絵については2人のプロの画家から評価を得た。そして絵の仲間の評価
① プロ1人目の評価(中部画壇ではなかなかのポジション。画をやりながら農業もやっている人)
「保育園の頃の子供の様に、描きたいことをぎっしりと画面に詰め込んでいる、描きたくでてたまらない気持ちが良く表れている。それが出ている絵は強い。」
② プロ2人目の評価(日本画で切手の原画を書いたり、大寺院の襖絵も描いている大御所)
「意図を説明してもらわないとわからない絵では不十分。絵の中の4つのテーマはそれぞれ独立にいいテーマだから、1テーマずつちゃんと別々に描いたほうがいい。ただし、力作であることは確か。」
⓷ 絵の仲間
 いつも国際性を感じる。時間履歴を描いているのが面白い。いつもながらペコちゃん可愛い。


2.恋の行方
 去年の夏、友人たちが10人ほど集まった食事会で、「我々が共感できる抽象画を書いてほしい。」という注文がなされた。いろいろ考えて、皆が共通にわかるアイコンを使って、それぞれが経験していることを表現したらいいのではという方針を立てた。ぱっと相合傘のイメージが浮かび、それで恋模様を描こうと思った。(なお相合傘のアイコンは日本のみ)
 いろいろな描き方を模索し、最終的に収まったのが画仙紙を利用すること、墨で絵手紙の要領で相合傘を描くことだった。その方針を決めてからも、どんなサイズで描くのか、色付けをするのか、なにかおまけを付けるのか等を試行錯誤した。

 その結果の完成品が、下記の図である。



 相合傘の傘の中に、パステルで軽く色を塗った。また相合傘の外側に、上へ向けて風船、下へ向けて錘を描き、前者は恋への応援、後者は障害を意味することとした。よって表題は「恋の行方ー外力の影響」である。
 傘の開き具合によって、想い方の強弱、中の色の広がりで気持ちの持ち方など勝手に位置付けて描いている。
 真ん中は私達の状況で、いろいろ障害もあったけれど応援団も多く、なんとか幸せに飛んでいることを意味している。
 一方の気持ちが十分でなくても、何らかの応援で成立している恋もあるし、抵抗勢力が多すぎてうまくいかないこともある。また3角関係で火花をあげているものもある。

 この絵に対する評価は以下の通り
① 食事会のメンバー
 相合傘と言ったら、風船や錘の意味も彼らで声を出し合って、あっさりと皆それなりに分かった感じだった。デザイナーをやっている人が面白いから貸してくれと言って事務所や家に飾ったらしい。そしてグラフィックでコントラストを変えたのを作って紹介してくれた。
② プロの評価(我々を指導したお嬢さん)
 あっさりと「いいんじゃない。」といって、私としては気に入らなかったもう一枚の絵と一緒に、ひとつのパネルに入れたら、なお面白いと指摘。



<お嬢さん先生提案の絵>
右下の絵は、恋の動きを描こうとしたもの。水彩絵の具の滲みが面白くないので、私としては却下。



⓷ 1の②番目の人
 やはり同様に「説明が必要な絵はダメ。ブラックでも絵を見れば描きたいものは分かる。」 またなにか拘りを感じさせるものがほしい。
④ 展示会で是非買いたいと言ってきた人
 この絵を見たら楽しくなって元気になる。

3.おわりに
 1の②、2の③の意見を行った人は本当の大家で、日本画で皆に納得される良い絵のことばかり考えている方で、私達への指導にも、その方の基準でいい絵になるように指導してくださる。私の絵の評価など怖れ多いのだが、1の絵で「力作ですね。」と言って下さったことが嬉しい。
 私自身は絵に関して、一般の人にわかって頂こうという絵というよりも、それなりに親しい人に対して絵を見せて、それを種に楽しく話題を拡げていくことぐらいを目的としてきた。多分そのレベルの目的は、この2枚の絵は達成できているのだと思う。
 今後も絵画を書いて行くにあたって、どういったことを目的にしていくか大家の意見も含めて検討中である。


4.おまけ
 いつものごとく、絵と人形の組み合わせで表現。加えて5行詩。

<スェーデンよ>



スェーデンよ
バルトの平和
守り抜け
いつでもトロールが
応援するから


 スェーデン王家はかつてバルト海の盟主でした。ウクライナがあんなことになって、バルト海も波高しです。




<恋の行方>



時の川
いろんな恋が
流れゆく
興味持つのは
悟りなき為



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1 コメント

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絵画 (takan32)
2024-03-18 20:06:54
てんちゃんへ、私のブログにいいね!をありがとうございます。
1枚目の絵画はちょっとジャガール風になっていますね。(^ ^)
傘のマークはシェルブールの雨傘を思い出しました。あと、アーノルド パーマーのマークです。
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