先日来、花のモノクロ写真も面白いなって、時々トライしている。
きっかけは、このサボテンの花。

サボテンの花は普通とは違って無機質のガラスやセラミックでできた造り物のような感じがする。そこで、その無機質で半透明の感じをアピールしたいと思った。もともと白色だから、モノクロにしてみた。そしてちょっと輪郭を押さえたのが、この写真。
周辺の邪魔な緑色がなくなり、イメージ通りの質感。花の中からうすぼんやりと光が出て、周りを照らしている。

続いて、このミントの花。サボテンの花の例から、白の花は適性があるように思った。この花の場合、花の所々に茶色の部分がみられること。それがモノクロにすると、背景に溶け込むのではないかと思った。

やってみると狙い通り。そして花の蕊のとんがった感じが強調されていて面白い。
また周辺を暗くしたが、カラーの場合よりもいろんな要素がない分、イメージに一直線の調整ができると思った。

そして、赤いハナカンザシもトライしてみた。

花びらの外側が赤で中心部が白なのだが、モノクロにすると中心部の白が強烈に光を放つ。むしろこうすることで、内なる生のエネルギーを直視しているようである。そして左側の花にくっついているアリも、モノクロのほうが生き生きとしている。

最後に少雨後のカンナ。汗をかいているようと思って、撮影した。

これは、これまでと違い花が黒くなる。でも水滴をくっきり写すのはむしろモノクロのほうが良い。

花と背景が色違いのハーフトーンの場合は確かに難しい。でもライティングやフィルターを使えば、それなりのモノクロ写真を撮ることができそうである。自分のイメージに直進するという意味では、自由度がありすぎるカラー写真よりもメリットがあると思う。