ソマリランドに上陸したONLF勢力は壊滅間近か

　エチオピア東部にてすでに123名が殺害され，残余90名ほどは包囲下にあるとのこと：

BBC　Ethiopia 'kills 123' ONLF rebels and surrounds 90 more　15 September 2010 Last updated at 15:29 GMT

　エチオピアのソマリ州president,Abdi Mohamoud Omarが語る。包囲下の90名についても，降伏しない限り更なる対応がとられるであろうとも。

　土曜，紅海沿岸のZeiraに上陸した200名ほどのONLF兵（推定）。現在，エチオピア・ソマリ州のMaar Maar山地でエチオピア軍に捕捉されてしまったそうで…さらにはHassan Bossasoの名前で知られるsenior ONLF commanderが捕虜となったとのこと。

　BBCの報道が真実なら，この果敢な上陸・突破作戦を行った一団の命運は定まってしまったようです。

関連：「ソマリランドにオガデン解放戦線戦闘員が上陸か」2010-09-14
関連：「オガデン解放戦線（？）戦闘員はエチオピアに侵入？」2010-09-15

　しかし仕事，速いですねエチオピア軍。1週間でこの行動を押えこんだわけですねー…。

　ともあれ。現在，エチオピアはオガデン解放戦線の相当部分と停戦を進めているそうです：

関連：「オガデン解放戦線，エチオピアと停戦合意」2010-08-13

　…この場末blogにしてコメントが付くほどのおおごとです。
　さておき，こうして武装闘争としてのオガデン解放戦線は停止状態にあるのが実際のところのようで，今回の新規戦力の上陸は，武闘派の起死回生の一撃になるはずのものだったんでしょう（この件に関する和平派によるエチオピア側への情報リークがあったかと疑っておくのは，むしろ各方面への礼儀のような気がしますが）。

　…あと，『なんでソマリランド経由なのか？』というのも，疑問点として挙げてもいいよね。いくらなんでも，港としてエチオピアと極めて密接な関係を持つソマリランドを経由地に選ぶのってどうよ，と。

　本来なら…おとなしくJubba地方を使えばいいじゃない？　空路でもいいし，海路キスマユ経由でもよかったでしょう。いや勿論いまはそこはアルシャバブ支配下で，彼らはONLFをエチオピアの走狗扱いしてるから不可能なんですがそこ使うの。

　………いやさあ。イスラミスト運動の当事者たちに理論的（苦笑）純粋さってのがあるのは，なるほど疑い得ないこととは，そうは見えますが。部分的には多少清濁をあわせ呑む度量が必要とされるんではないか。つうかこの場合，エチオピアと戦う気満々のONLF兵を温かく迎えオガデン地方にお弁当付けて送り出してあげるくらいの政治力・交渉能力・情報力があってもいいんじゃないか，Jubbaのアルシャバブには。

　200人のゲリラといったら，そりゃあ大した働きをするはずですよ，もし無事に作戦地域に行きつけたら！　どれほどエチオピア軍を苦しめたことか！