空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

逆説的に言葉の力を信じざるを得ない

2013-01-23 22:51:24 | Weblog
中国新聞 島根県、82集落が無住化に 2013/1/15

島根県で戦後、人が住まなくなった「無住化集落」が少なくとも82集落に上ることが、島根大の作野広和准教授(人文地理学)の調査で分かった。うち7割の57集落は、過疎が行き着く先の「自然消滅」。作野准教授は中国山地の過疎の引き金として、高度経済成長と1963(昭和38)年の「38豪雪」を挙げている

日経 放射線と発がん、日本が知るべき国連の結論 2013年1月13日 Forbes.com

昨年12月、極めて重要な報告書が粛々と発表された。そこに結論として書かれているのは、原子力科学の専門家が長年にわたり主張してきたことだ。――つまり、約0.1シーベルト(Sv)または10 rem以下の放射線の被曝(ひばく)は大した問題ではない

 むしろ『あぶないんじゃないかあぶないんじゃないか』と心配する方がアレだというのと,『国内産はあぶないかもだって福島産を食わされるかも!』と外国産を食べると寧ろそっちのほーが放射線量高いとか,そーゆーことを示唆する,あまり面白みのない,妥当な内容の報告書が出たという。


財経新聞 歯科助手、社会人を主な対象に夜間部を新設 ~ 2013年4月入学から ~ 2013-01-15 10:30:00 発表:なにわ歯科衛生専門学校

 成人に対する再教育コースの需要を自覚してみる。


BLOGOS アルジェリア人質事件 僕は「Aさん」では死にたくない 木村正人 2013年01月23日 01:41

みんなで泣き叫んだり、怒ったり、笑ったりする記憶を共有する社会は「匿名」の中からは生まれてこない。語り、言葉を紡いで、つないでいくという作業から社会に連帯感が生まれてくると信じている

 引用した文章の後半はまあ悪いとまではいかないが,前半がだいなし。

 何故にあのような事件が起こってしまったのか背景までじっくり周知せしめ,誠実な議論を通じて対策にできれば一定の合意が形成されればという意味で後半を取れればまあよいかなーと思うのだが,

 …その合意,「連帯感」の内容がばっちり情緒的なそれに限定されちゃうあたりで,前半の文章のしくじり具合がすごい。

 下劣な物言いで纏めれば,『お前の死を利用してお涙ちょうだい物語を仕立てよう! であるから実名で報道させろ』とゆー文章になりそーな感。

 この場合,彼または彼女が具体的に誰であったかは,実は問題ではなかったりする。実在の人物である必要はなく,実在性を感じられる何ものかで十分間に合う。だから上の言葉は『さあ,お前の物語を消費しよう』と,ある人格のある物語を読み捨て小説の如くに扱おうとの宣言になりかねない。

 情緒的なお涙頂戴物語で済ますのではなく,「事件の背景を徹底的に調べて」,その上で「何か問題がなかったか」と問題点を潰すための手段としてではなく,かけがえのない一個人としてまず理解することが必要だろう。

 ―そういうことを言いたくなるのは,「問題」点として指摘してあるのが「今回の事件では、アルジェリアで操業していたプラント建設大手、日揮のリスク評価が正しかったのか、アルジェリアとの経済協力を強化してきた日本政府が十分な情報を得ていたのか、という問題が残る」とあり,そうした問題を取り上げ,「社会を突き動かし、事故対策が進むこと」に彼の意識が持ってかれてるから,かな。

 彼らの生と死は,社会を突き動かし,事故対策を進めるための道具ではないのだ。筆者自身が自分をそのための道具とみなすのは,まあ個人の自由だ。だがそれを他者に要求するのも,他者がそれを(必ず)望むはずだと確信するのも,前提するのも―自由主義的ではないように思う。



 今回,ひとが怒っているのは,まず『約束守れ!』だろう。なんでも某A新聞だかが,『やあ,お名前は出しませんから』と取材したにも関わらず記事に出しちゃったとかで―『ひととのやくそくはまもりましょうね』とゆー幼稚園時代以来の道徳規則に反するってあたりで,すっげ皮膚感覚的に激怒しているものだろう。

 先の道徳規則には,裏をかえせば,「ひとでなければやくそくまもらなくていいよ」という抜け道を見つけ出すことができる。しかし,相手が「ひと」でなければ約束も(恐らく)成り立たないだろう。そこで約束破りは相手を「ひと」扱いしていないということになると思われ―

 ―そうして「大新聞は我々一般人をひと扱いしてくれないんだ」というように「みんなで泣き叫んだり、怒ったり」して「社会に連帯感が生まれて」しまったわけかと思われ,逆説的に言葉の力を信じざるを得ないはめに陥っていますが,なんかやらかしちまった大新聞の方々はいかがお考えであろうかと思う今日この頃。

なんかそこそこ社会が動いたっぽいですね。書いた人の意図とは別の方向に。

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