空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

トヨタ車大人気! 大口輸入と目的外使用と国家権力による没収と

2008-04-26 00:17:59 | ソマリア関連
 ちょっと古いニュースですけど,今後の動きに注意が必要なの思い出したのでメモメモ。

1.ソマリア,モガディシュで前首相Gedi氏私宅にあった武装車両10台がソマリア暫定政府の名の下,エチオピア軍に没収される。トヨタのtruckに対空機関銃を取り付けたもの。この時期にGedi氏の武装を取り上げる理由は不明ながら,政府防衛省筋は私有兵器の没収方針を定めていたという話:

Garowe Online Somalia: Ethiopian soldiers confiscate ex-Prime Minister’s weapons Apr 18, 2008

 Gedi氏はナイロビにあって,暫定政府内の野党勢力―暫定大統領Yusuf氏に反対する―を率いている。

2.プントランド,ボサソに40台ものutility trucksが輸入される。これは大統領Muse氏の一族,Liban Muse Bogor氏の私邸に運び込まれる。この人物はカナダ国籍で,プントランドの石油開発権を得た会社の役員でもある―なんて解りやすい権力の私物化
 通例,こうした車両は武装を追加し,この地域で一般的な「テクニカル」(現地語形では「テクニコ」というらしいけど)に改造され,戦車代わりに用いられます。死ぬほど打たれ弱いことは疑いありませんが,機動力で勝負,でしょうか。

 勿論,プントランドの戦力,治安維持力回復のために用いられるであろう,という推測もありますが(対ソマリランド戦で投降そのほかで失った数も割りとある),石油開発企業の資金提供で,今後の石油開発における現地抵抗排除のために用いられるのでは?と推測する向きもあり。

Garowe Online Somalia: Suspicion as 40 sport utility trucks unload at Puntland port Apr 14, 2008

 石油開発事業は非常にデリケートな問題で,外国企業の護衛のため,エチオピア軍が進駐してくるかも?いやもう展開してるよ?という錯綜した情報も飛んでます。勿論,プントランド政府は否認しますが。

 プントランドの,独自開発路線はモガディシュ政権との軋轢を引き起こしてもいまして―何が起こってもおかしくはない,とさえいえます。

 あまり無茶はしないでしょうけど,ソマリア統一を支持する支族にとって見れば,プントランドの独自石油開発路線は国家分裂行動に見えるかもしれませんし,アル・シャバブ(的)組織が蠢く可能性だってあります。今のところ,彼らのプントランド地域での活動は不活発ですけどね。

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