空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

何かもう色々とダメだ

2011-02-20 22:23:20 | Weblog
 ちょっとその,常以上に日程がアレな具合でもう色々とダメだ。
 しかしダメの先達はさらに上を行くのであって:

47ニュース 鳩山氏「真理に導く手段の意」 方便発言で 2011/02/20 16:28 【共同通信】

 20日,北海道伊達市内で行われた後援会会合で鳩山前首相は「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外移設断念の理由に米海兵隊の抑止力を挙げたのは「方便だった」と発言したことについて「方便とは真理に導くための手段のことだ。真理とは、すなわち(名護市)辺野古への移設で、そこに導くための手段として『抑止力』と言った」と釈明した」とのこと。

 …そりゃあ仏教用語ならその意味だろうよ。用法としては(つまり,先日の「方便」発言の際の発語の意図としては)ちがう気もするが。

 くるくる発言が変わる人だということを無視すれば,しかしこれは重大な発話であって,つまり鳩山前首相としては,米軍基地の辺野古移設は必然である,それ以外に選択肢は存在しない,と判断したのだということになる。

 …私なら,「ベター」と表現したいところだがなあ。落とし所,という程度の意味合いで…。
 さて抑止力概念については恐るべき発言があったようで:

「普天間の海兵隊ヘリ部隊の役割は決して敵を襲うものでなく、(当初は)それを抑止力と言い切るのは無理があると思った。しかし地上部隊とヘリ部隊は密接で離せないとの米側の理屈、さらに空軍、海軍、海兵隊パッケージ全体が抑止力だとの言われ方をすると、なるほどと(考えた)」

 だそうで。
 ということは,「敵を襲う」存在こそが抑止力(と呼ばれるにふさわしい)との観念があった模様。
 ―言ってみれば,我らが自衛隊は決して敵を襲わない存在である(あくまで自衛であるから)。従って(初期の)鳩山ドクトリンにおいては,自衛隊は抑止力たりえない。なぜなら敵を襲わないからだ―という無茶が成り立ち得る。

 …いや勿論,堂々と「襲います」と言い切る軍隊も,今どきないわけであるが。

 軍事的な突っ込みは山とあるかと思われる。政治的にも人を死なすほど突っ込みがあるかと思う。ところで私がこの鳩山発言で最大の問題であると思うのは,「そこにいることpresence」の重要性を認識していない点だ。

 つまり,日本防衛のために,在日米軍に直接的な戦闘能力がどれほど必要かと言われれば,私ならこう答えるだろう:「あんまりいらない。」。いや彼らはそこにいるだけで仕事をしているんだ。喩え沖縄の基地にロジ担当しかいなくても,沖縄に某国が攻撃を仕掛ければ―『それはウチにも喧嘩売ってるって理解していいんですよね?』とメリケンさんは超「自衛」的行動をとる十分な理由を持つことになる。

 そこにいることpresenceによって発生する様々な力presence。鳩山前首相はその価値をあまり理解していない。 だ か ら 彼は,自分の発言の力に気付けない。たぶん,ある程度は菅政権打倒のための言論をしているという自覚はあるんだろうけど,自らが首相を務めたことがあるということの価値に必ずしも自覚的ではない。

 一個人としての発言なら問題じゃない発言も,前首相の発言となれば様々問題を起こし得るわけなのですけどね(泣)

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1 コメント

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Unknown (teiresias)
2011-02-22 20:19:23
ちょっと一息。次々降ってくる仕事が(ry

>572 :名無し三等兵:2011/02/22(火) 19:31:07.70 ID:???
>ここはもう神浦さんの誤神託をいただくしかない。
(ttp://toki.2ch.net/test/read.cgi/army/1296692108)

…『なるほど』と思ってしまった。しかし見に行くのはコワい。
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