空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

WFP担当者解放:ソマリア

2007-10-24 01:26:52 | ソマリア関連
 政府軍に拘束されていたWFPソマリア現地責任者イドリース・オスマン氏は解放される:

BBC news, Africa Somalia government frees UN man 23 October 2007

 金曜に暫定首相ゲディ氏は,オスマン氏の拘束の理由を繰り返し尋ねられながら,回答を与えませんでした。拘束の理由は結局明らかにされないでしょう。

 とりあえず,BBCの担当者のコメントがありますが,つまり食糧援助事業も権力と無縁ではないのですな。
 誰が食糧分配の権限を実質的に握っているか? WFP現地事務所に,誰が圧力をかけられるか? 一方でWFPにしても,現実に食糧供給の能力を持っているという点で政府に対して一定程度の存在感を確保できもする―わけでしょうね。
 …ソマリアに踏みとどまっているWFPでさえ,自己の要員に危険が迫れば援助を停止する。オスマン氏拘束をうけて,WFPは食糧分配を停止しました。その一方,6万名ほどの人々が緊急の援助を待っているのです(Garowe Online SOMALIA: Urgent assistance plea for 10,000 displaced Mogadishu families 23 Oct 23, 2007)。
 …まぁ,モガディシュ市中のモスクでの分配停止(75000人対象)とは別の話といえばまったくその通りではありましょうけど。まあまあ。ジレンマですわね。自分たちが生き残らねば次の活動は出来ないし。とはいえ配布しうる食糧を保持していながら,目の前で飢餓に陥り行く民衆―その緊急事態に基本的に責任がない―を放置せざるを得ないってのは。

 BBCが追記するには,ラス・アノド情勢も宜しくない模様。2万名ほど避難民が出ている様子です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 核誤搭載B-52の件で大佐3名中... | トップ | イドリース・オスマン »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ソマリア関連」カテゴリの最新記事