艦船に補給すると飛行機が飛ぶ？

　Nagoya English Forumさん，2007年10月20日のテーマ は「インド洋上でのMSDFによる給油の是非」（以下青字は引用）だそうです。

「インド洋に派兵されている海上自衛隊部隊が米艦船などの支援のために給油活動を行」っているが，これは「実際には米軍のイラク国内での活動や、ひいてはソマリアの空爆に転用されているという疑惑さえ浮上しています」。この件について考えましょうというんですが，ソマリア空爆に転用，というくだりに関しては，どうやったら可能なんだと思うわけです。

　海上自衛隊提供燃料の空爆転用疑惑は，そもそも無理だと思うのですよ。大体が，艦船用燃料と航空機用燃料って同じなのかな？　以前も書いたのですが（『赤旗』紙「ソマリア攻撃加担か　テロ特措法 給油の米艦隊出動」を巡って）「自衛隊がインド洋で米艦に補給」→「ジブチから攻撃機が飛来，爆撃」→「自衛隊の補給がソマリア攻撃に転用！」。どう関係付けることができましょう？

　一応，ソマリア沖は米空母来臨の栄光に輝いたそうですが（とりあえず日本語版Wikipediaのソマリア内戦　米軍介入），問題の空爆を行ったのはジブチから飛来したAC-130（日本語Wikipedia）でして，これは空母での運用はしないもの，じゃないでしょか（参考：C-130，日本語Wikipedia）。だからソマリア沖で空母に着艦したんだ，と強弁するのはかなりの無理があります。

　つまり，自衛隊の給油活動がアメリカのソマリア空爆に転用，と疑うのは無理。ソマリア攻撃に転用，とするならまだ可能。

　自衛艦の補給を受けたかもしれない米艦がソマリア領域にミサイル攻撃した，艦砲射撃したという事件のほうが，日本政府を攻撃するには直接的なはずです。例えば上掲拙稿にミサイルの件の記事へ行き着くリンクはありますので，当該BBCの記事をご参照のこと。

　インド洋での自衛隊の米艦に対する給油活動が，ジブチから出撃した米攻撃機のソマリア空爆を援助した疑惑ってのは，どうも赤旗の例の記事が根源なんじゃないかと思う今日この頃。誤解を招くような変な書き方してるんですよね，あれ…。
　Nagoya English Forumさんは赤旗記事に影響されたのでしょうか。

　一応トラックバックして，情報を提供しようと思うのです。ですがまた，言及されるのは不本意です，などといわれやしないかと戦々恐々。
　…いえ，あったんですよ，そういうこと。別件ですが，某共産市議さんは当方からのトラックバックを却下されましたし，そちら系統の方とはどうも，私は合わないものかと思う今日この頃です。