空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

暴力はんたい

2007-05-20 12:16:16 | Weblog
 昨晩とあるサイト(週刊オブイェクト 【辺野古】反戦平和運動で殺人未遂を行ってよいのか?)の紹介で目にした記事ですが,読売新聞(九州発)「シュワブ沿岸部の普天間移設調査、首相は海自支援の正当性強調」の末尾に:

「この日午後、海中で作業をしていたダイバーがタンクの空気を吸うため口にくわえたレギュレーターを反対派と見られるダイバーから外されたことが分かり、第11管区海上保安本部(那覇)が捜査している。」

 なる一文が。数件類似記事を見ましたが,この件に関する報道は他に見ませんでした。ソース一本では弱いかも,ですが(注1)…本当なら,殺人未遂になりませんか。

 まず。偶然の接触の結果と言うなら,速やかに関係者は名乗り出るべきだ。
 故意にやったというなら,それは犯罪です。なるほど軍事基地を設置するなど,平和と非暴力の理想から遠く離れた許すべからざる行為ではありましょうが,悪と戦うのに悪の手法をとってどうするのかと。座り込みそのほか,全く人目を引きませんし英雄的とも見えませんしあまりに無力すぎと思えましょうが,そんな平和的手段があるじゃありませんか。
 とりあえず「ガンジー」と100万回唱えてから鏡をみてもらいたい。

 さて冒頭引用の頁のコメント欄から手繰って沖縄タイムス「反対派、必死の抵抗/辺野古調査」(2007年5月18日(金)夕刊7面)を読んでみたりしました。
 必死と言うのは普通,自分の命を危険にさらすことを言うのであって,他人の命を危険にさらさせてというのはだいぶ違う(これはレギュレータの件の人への個人攻撃)。
 ちょっと「鑑真」と100万回唱えてから鏡を。

 しかも調査のダイバーさんは,民間人である可能性が(非常に)高いですよ(注2)。いえ,軍国主義者の手先かもしれませんが,「それなら攻撃OK」というのはタリバン流の戦闘規則ですよ…。

 念の為意見を言っておけば,現状自衛隊はシビリアンコントロールに完全に服していると思います(違うご意見:西日本新聞,「普天間移設調査 「なぜ自衛隊動かす」 反対派反発 識者「法的根拠ない」」2007/05/19付に引用の方)。疑いようもなく文民の命令に従ってますから。自衛隊がどれほどシビリアンコントロールに忠実かというのは,阪神大震災の際に悲劇的に示されたじゃないですか。

 …さ,本業に戻ろう,毒も吐き出したし…と思ったら,ものすごい発言を発見。情報流通促進計画なるblogの記事これはクーデターではないのか!~普天間基地移設への掃海母艦投入問題のコメント欄をご参照:

「私は故意犯ですし、故意犯であることは読んでいる方の多くが理解しています。私がこのエントリーで使った「クーデター」、「シビリアンコントロール」が政府の行為を批判する修辞であることははっきりしていますし(以下略)」

 と,blog主本人の物らしい発言があります。
 ここまではっきり言ってもらえたほうがわかりやすい。
 言葉の正確な理解は問題ではない人(々)が存在するのだ。主義,主張が優先され,言葉の定義や行動は主義主張に応じて弾力的に運用されるような人(々)が。しかも,故意に意識的にそうした行動をとる人(々)が。ってそれはデマゴーグとかいいませんかね。

 よし,数日間の悩みのひとつが晴れた。私は私の仕事をしよう。

以下追記:
注1:他の報道によっても確認できる,例えば沖縄タイムス 辺野古海域調査/サンゴ着床具 大半設置 5月20日より「十八日終了後、作業に当たった潜水士が「反対派のダイバーから、水中でレギュレーターを外された」とトラブルを訴えた(以下略)」。
注2:作業をする人は民間人。バックアップに官の人が潜る,という状況の模様。被害を受けたのは業者さんの様子:沖縄タイムス海自の支援継続へ/辺野古海域調査 5月19日朝刊。…ソフトターゲット狙いはお勧めしませんよ? やりやすくて(目先の)費用対効果も良いでしょうけど,卑劣です。徐々に信頼を失う道だと思うんですけどね。
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