BBC US sending 5,200 troops to border with Mexico 29 Oct 2018
米国は5200名の兵をメキシコとの国境に送る。作戦名は「Operation Faithful Patriot 」。アリゾナ、カリフォルニア、テキサスで展開。
既に2100名が4月来、展開している。
「The figure of 5,200 military personnel is higher than the 800 troops it was initially predicted would be sent.」
これも含めて、あえて選挙前にできるだけ大問題としたい意向がある―というのもそのとおりではあろう。だが、実際にnational threatである可能性も大いにある―この点、野党的勢力が「~の可能性がある」で延々与党を攻撃する論理を思い起こす点があろう。「先覚者」を気取る権利は野党側だけのものではないということ、改めて自覚すべきだろう。
「Mr Trump tweeted on Monday: "Many Gang Members and some very bad people are mixed into the Caravan heading to our Southern Border.
"Please go back, you will not be admitted into the United States unless you go through the legal process.」
まあ、「正規の方法で入って来いや」くらいは当然、トランプだっていうわけだ、「(むっちゃほそいけど)」という内心があると疑ってもいいが。
「There is a legal obligation under international law to hear asylum claims from migrants who have arrived in the US if they say they fear violence in their home countries.」
でまあ、シリア難民問題であからさまに大問題になったのは、”最初の到達地”とはどこか、と言う問題だ。希望する最初の到達地に到達するために延々数カ国を、下手すると歩いて移動するため、道路にされた国ではまあ…援助の食料等々は消費するし、『あ、お前らの国には住みたくないからwww』と日々その難民の姿で煽られることになるし、後片付けだけでも大変だし…という。
「Economic migrants are those seeking a better quality of life - and even if they are fleeing devastating poverty, they are not considered refugees and do not have the same protections.」
でまあ、極端な貧困にある場合、政治的抑圧と区別がつかない(※生存のための資源まで削られたということで)し、とにかく緊急避難が認められるべきところ、「…いやだってさあ、最近の難民?って、真剣に食うに困っているってほどでも、ないじゃん?」という先進国の市民の(まあ、これはこれで傲慢な)感想がじみーに一般市民レベルで行き渡りつつあるようで。
難民を保護したくないかも、という非人道的な意味合いをこそっと口にする人もリアルに観察できてしまう昨今なのだ。
…私には、なんとも、思想を変えるための言葉はなかなか出せそうもない。
はっきりと「韓国なんか敵になっちゃえばいいのに」という反韓国的立場を公言するひとには、「何をいっているんだ、福岡の飲み屋街を潰して要塞線に変えろというのか、あそこを38度線にしろなんて、北九州地方の同胞に肉の壁になれというのはひどいじゃないか」と猛然と反論できる。『お前が嫌いな韓国人が、お前の安全のためにも壁になってくれているんだ。距離と時間になってくれる彼らに感謝すべきだ』という理屈は嫌韓主義者にも分りやすい。
ところが、「(ちょっとの)難民を受け入れることは人道的に正しい」の()を口にすることを避けたい恥を知る人に、「大量の難民を受け入れると我々の社会保障のための資源が失われるかも」という本音を言いたくないという恥を知る人に、かさにかかって「じゃあ100万人ほど受け入れてもらおうか」とは、私にはちょっと言えない。
…シリア難民を数十人くらい、大学にいれて訓練するなんてのはすっごいいいアイディアなのだ、この点の妥協案としては、実は。
BBC Japan 中米の「移民キャラバン」 数千人が米国目指し川のように北上中 26 Oct 2018
BBC Migrant caravan in pictures: A river of people moving north 24 Oct 2018
「Most of them are from Honduras and some had tied Honduran flags to their backpacks as they got ready to cross into Mexico.」
いやまあ、そこは米国国旗でしょう…移民するんだから。
さて
「One of the migrants held up a sign reading: "Emigrating is not a crime, let's be free without borders".」
そこでトランプも、せやから正規の手法で入って来いや、というのだろう。
なお、報道の仕方もあるんだろうが、不承不承ながら”トランプの言い分にも若干見るべき点が”とか言い出す人も観測。
報道されて認知されて―ということで、類例を参照しつつ考えたりする:
同僚がふと、トランプがとんでもないということは大前提だけど、とトランプ政権の対「キャラバン」対応は理解すべき点があると吐露した。
上のコメントと合わせて言えば、トランプが支持される理由と彼が嫌われる理由がすぐに了解される。
我々、特に”ものを知っている連中”は、世界のアレコレを知った上で見捨てている。人道的にどうこうとえらそうなことをいいつつ、しばしば世界のあれこれの悲劇を見なかったことにして見過ごして、それで自分は美味しくご飯をたべている。
トランプは違う。ぶっちゃけていえばカネ目の問題だろ?との旨、言い放ち、俺たち、いまアメリカ人であるアメリカ仲間が豊かに食えるようになるためにはこうしなきゃいけないんだ、わかる?と話しかける。下劣といえばそのとおり。しかし現に、我々の生活の基盤は相当部分それに負っている。
トランプの論理はこういう:「おい、お前ら知識人。御託ならべて道徳訓話やってるだけか? まあしょうがねえ、お前らが道徳訓話するヒマの間に、救われるべき弱小なるものとやらはつぶれていくんだが、ま、オレはオレのやり方で弱小なるものどもを救っていくよ。ま、お前らには残念かもしらんけど、オレがオレの視点から仕事させてもらうけどな」。
「まあ、リソースは有限だし、だれかを見捨てないとダメなことは多々あるわけだ。なので順番つけるぞ。オレが、オレの視点によって、だが。つまり難民とかは、おおくは見捨てることになるかな。あん? 難民を見捨てるな? おいおい、ご上等なことを言うじゃないか。お前らいままで、『せかいじゅうのかわいそうなひとたち』を放置したまま見捨てたまま、その自覚も言及もなしにいいメシ、食ってたじゃんか? オレはそれに自覚的で、きちんと言明してもいるんだが、どうだろう、オレは非道徳的かもしれんが、少なくとも不誠実ではないつもりだ」
いやまあ、「マジクソ野郎」とは思ったりするわけなんだが、それはわりと、こっちが痛いところ突かれた恥と怒りに由来したりするので。
そんなわけで、外道ではあっても(ある種の意味で)誠実なかぎり、彼への支持は一定程度は維持される。
バカなことを、と言いたいなら、ヤクザ映画やアウトロー映画が一定程度以上のウケをとることを参照すればいい。「仁義に厚い」ヤクザの、それなりに仁義に従うがゆえに自らを破滅させざるを得ないような姿は、人のこころをうちつづける。
そんなところが、もし解らないというなら、まあそこが「あたまでっかちのおぼっちゃんおじょーちゃん」扱いされる理由だろうよ、と思うのだが。
つーか私はこんな具合に、”ふつーの”日本人があまり見ない領域のあれこれをちょろっと知ってはいるので、「うん、まあ、その…」という具合には思う。が、”ふつーの”日本人は、南米のあれこれを知らずにアメリカ大統領選挙を見て、政治的に正しいクリントンが負けて政治的に正しくないトランプが勝利したことにはっちゃけちゃったらしく…この数年、私は排撃されたりしたのだ。いや老害に、だが。
するうち問題は悪化してきて、ついに日本語報道がでてきて、普通の日本人があれこれの問題を目にするようになってしまった。
危機である。
外国で既に行われてしまっている「逆流」が、下手に日本にも流入すると、穏健に育てていけばよかったはずの諸種の自由主義の流れが迷走し、停滞し、場合によっては途絶させられかねない。だから私は恐れるのだが。
…男女同権の話は、まあそれなりに根付くに至ったと判断できるが。
問題はねえ、LGBTの話なんだ…色々のパターンだとか、わりと身近にいるだとか、そういう知識がだんだん広報されつつある状態であって、たったいま逆流現象が起こると、まっさきに槍玉にあげられる恐れがだな…。
ところで数日前には、米国はキャラバンに対して800名を展開するおつもりだった:
BBC US to 'deploy 800 troops to border' ahead of caravan 25 Oct 2018
しかも連邦の現役兵を、と。するうち一桁、数字があがってしまった、というわけ。
前任者たちもトランプ氏も州兵を展開していたのは同様。だから「軍を動かす」こと自体は別に問題ではないわけなのだが。
米国は5200名の兵をメキシコとの国境に送る。作戦名は「Operation Faithful Patriot 」。アリゾナ、カリフォルニア、テキサスで展開。
既に2100名が4月来、展開している。
「The figure of 5,200 military personnel is higher than the 800 troops it was initially predicted would be sent.」
これも含めて、あえて選挙前にできるだけ大問題としたい意向がある―というのもそのとおりではあろう。だが、実際にnational threatである可能性も大いにある―この点、野党的勢力が「~の可能性がある」で延々与党を攻撃する論理を思い起こす点があろう。「先覚者」を気取る権利は野党側だけのものではないということ、改めて自覚すべきだろう。
「Mr Trump tweeted on Monday: "Many Gang Members and some very bad people are mixed into the Caravan heading to our Southern Border.
"Please go back, you will not be admitted into the United States unless you go through the legal process.」
まあ、「正規の方法で入って来いや」くらいは当然、トランプだっていうわけだ、「(むっちゃほそいけど)」という内心があると疑ってもいいが。
「There is a legal obligation under international law to hear asylum claims from migrants who have arrived in the US if they say they fear violence in their home countries.」
でまあ、シリア難民問題であからさまに大問題になったのは、”最初の到達地”とはどこか、と言う問題だ。希望する最初の到達地に到達するために延々数カ国を、下手すると歩いて移動するため、道路にされた国ではまあ…援助の食料等々は消費するし、『あ、お前らの国には住みたくないからwww』と日々その難民の姿で煽られることになるし、後片付けだけでも大変だし…という。
「Economic migrants are those seeking a better quality of life - and even if they are fleeing devastating poverty, they are not considered refugees and do not have the same protections.」
でまあ、極端な貧困にある場合、政治的抑圧と区別がつかない(※生存のための資源まで削られたということで)し、とにかく緊急避難が認められるべきところ、「…いやだってさあ、最近の難民?って、真剣に食うに困っているってほどでも、ないじゃん?」という先進国の市民の(まあ、これはこれで傲慢な)感想がじみーに一般市民レベルで行き渡りつつあるようで。
難民を保護したくないかも、という非人道的な意味合いをこそっと口にする人もリアルに観察できてしまう昨今なのだ。
…私には、なんとも、思想を変えるための言葉はなかなか出せそうもない。
はっきりと「韓国なんか敵になっちゃえばいいのに」という反韓国的立場を公言するひとには、「何をいっているんだ、福岡の飲み屋街を潰して要塞線に変えろというのか、あそこを38度線にしろなんて、北九州地方の同胞に肉の壁になれというのはひどいじゃないか」と猛然と反論できる。『お前が嫌いな韓国人が、お前の安全のためにも壁になってくれているんだ。距離と時間になってくれる彼らに感謝すべきだ』という理屈は嫌韓主義者にも分りやすい。
ところが、「(ちょっとの)難民を受け入れることは人道的に正しい」の()を口にすることを避けたい恥を知る人に、「大量の難民を受け入れると我々の社会保障のための資源が失われるかも」という本音を言いたくないという恥を知る人に、かさにかかって「じゃあ100万人ほど受け入れてもらおうか」とは、私にはちょっと言えない。
…シリア難民を数十人くらい、大学にいれて訓練するなんてのはすっごいいいアイディアなのだ、この点の妥協案としては、実は。
BBC Japan 中米の「移民キャラバン」 数千人が米国目指し川のように北上中 26 Oct 2018
BBC Migrant caravan in pictures: A river of people moving north 24 Oct 2018
「Most of them are from Honduras and some had tied Honduran flags to their backpacks as they got ready to cross into Mexico.」
いやまあ、そこは米国国旗でしょう…移民するんだから。
さて
「One of the migrants held up a sign reading: "Emigrating is not a crime, let's be free without borders".」
そこでトランプも、せやから正規の手法で入って来いや、というのだろう。
なお、報道の仕方もあるんだろうが、不承不承ながら”トランプの言い分にも若干見るべき点が”とか言い出す人も観測。
報道されて認知されて―ということで、類例を参照しつつ考えたりする:
1994年のルワンダ大虐殺について「記者が現地におらず報道も無かった」というのは、違うように思う。たとえば、このBBCのまとめを見ると、当時、記者は首都キガリから報じている。民間人らしい多数の死者が出ていることも、映像で伝えられている。https://t.co/U8RRVUxWhx
— 和田浩明/Hiroaki Wada (@spearsden) 2018年10月28日
これはその通りで、ルワンダ虐殺の報道は日本ですらありましたよ。ニューズウィークに毎号内戦の状況が出ていて、高校の図書館で毎週食い入るように見ていた記憶があります。たしか当時の中日新聞の日曜版でも特集が組まれていたはず。地方紙でやるくらいなので、それなりに報道されていたと思いますが
— opqr (@opqr5) 2018年10月28日
だから、ルワンダ内戦の報道は全世界でなされている。そのうえで、「日本人も含めた全世界の人々がこれを見捨てた」ということだけは忘れない方がいいです。『怖いね、といいながらディナーを続けた』んですよ、我々全員。それの正否はともかく、報道はなかったなんていって事実を改変するのだけは違う
— opqr (@opqr5) 2018年10月28日
同僚がふと、トランプがとんでもないということは大前提だけど、とトランプ政権の対「キャラバン」対応は理解すべき点があると吐露した。
上のコメントと合わせて言えば、トランプが支持される理由と彼が嫌われる理由がすぐに了解される。
我々、特に”ものを知っている連中”は、世界のアレコレを知った上で見捨てている。人道的にどうこうとえらそうなことをいいつつ、しばしば世界のあれこれの悲劇を見なかったことにして見過ごして、それで自分は美味しくご飯をたべている。
トランプは違う。ぶっちゃけていえばカネ目の問題だろ?との旨、言い放ち、俺たち、いまアメリカ人であるアメリカ仲間が豊かに食えるようになるためにはこうしなきゃいけないんだ、わかる?と話しかける。下劣といえばそのとおり。しかし現に、我々の生活の基盤は相当部分それに負っている。
トランプの論理はこういう:「おい、お前ら知識人。御託ならべて道徳訓話やってるだけか? まあしょうがねえ、お前らが道徳訓話するヒマの間に、救われるべき弱小なるものとやらはつぶれていくんだが、ま、オレはオレのやり方で弱小なるものどもを救っていくよ。ま、お前らには残念かもしらんけど、オレがオレの視点から仕事させてもらうけどな」。
「まあ、リソースは有限だし、だれかを見捨てないとダメなことは多々あるわけだ。なので順番つけるぞ。オレが、オレの視点によって、だが。つまり難民とかは、おおくは見捨てることになるかな。あん? 難民を見捨てるな? おいおい、ご上等なことを言うじゃないか。お前らいままで、『せかいじゅうのかわいそうなひとたち』を放置したまま見捨てたまま、その自覚も言及もなしにいいメシ、食ってたじゃんか? オレはそれに自覚的で、きちんと言明してもいるんだが、どうだろう、オレは非道徳的かもしれんが、少なくとも不誠実ではないつもりだ」
いやまあ、「マジクソ野郎」とは思ったりするわけなんだが、それはわりと、こっちが痛いところ突かれた恥と怒りに由来したりするので。
そんなわけで、外道ではあっても(ある種の意味で)誠実なかぎり、彼への支持は一定程度は維持される。
バカなことを、と言いたいなら、ヤクザ映画やアウトロー映画が一定程度以上のウケをとることを参照すればいい。「仁義に厚い」ヤクザの、それなりに仁義に従うがゆえに自らを破滅させざるを得ないような姿は、人のこころをうちつづける。
そんなところが、もし解らないというなら、まあそこが「あたまでっかちのおぼっちゃんおじょーちゃん」扱いされる理由だろうよ、と思うのだが。
つーか私はこんな具合に、”ふつーの”日本人があまり見ない領域のあれこれをちょろっと知ってはいるので、「うん、まあ、その…」という具合には思う。が、”ふつーの”日本人は、南米のあれこれを知らずにアメリカ大統領選挙を見て、政治的に正しいクリントンが負けて政治的に正しくないトランプが勝利したことにはっちゃけちゃったらしく…この数年、私は排撃されたりしたのだ。いや老害に、だが。
するうち問題は悪化してきて、ついに日本語報道がでてきて、普通の日本人があれこれの問題を目にするようになってしまった。
危機である。
外国で既に行われてしまっている「逆流」が、下手に日本にも流入すると、穏健に育てていけばよかったはずの諸種の自由主義の流れが迷走し、停滞し、場合によっては途絶させられかねない。だから私は恐れるのだが。
…男女同権の話は、まあそれなりに根付くに至ったと判断できるが。
問題はねえ、LGBTの話なんだ…色々のパターンだとか、わりと身近にいるだとか、そういう知識がだんだん広報されつつある状態であって、たったいま逆流現象が起こると、まっさきに槍玉にあげられる恐れがだな…。
ところで数日前には、米国はキャラバンに対して800名を展開するおつもりだった:
BBC US to 'deploy 800 troops to border' ahead of caravan 25 Oct 2018
しかも連邦の現役兵を、と。するうち一桁、数字があがってしまった、というわけ。
前任者たちもトランプ氏も州兵を展開していたのは同様。だから「軍を動かす」こと自体は別に問題ではないわけなのだが。
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