身体から出る音

06月16日

 鼾はいびきと読み,寝ているときは口からでる雑音である。起きているときは鼻から出る雑音でもある。たいていの人には聞こえない音であるが,側にマイクがあると十分聞こえてくる。

 身体から出る音でも意識的に出す音は声と言われるが,意志に関係なく出るときは音というようだ。大抵は不本意にも出てしまうものだから,ことは簡単では無い。その後どう処理するか,すべての人が経験済みである。これをおおっぴらに扱うのは落語の世界で,”テンシキ”は有名な話である。

 ここでたちが悪いのは音を出しながら,本人は自覚が無いことだ。たとえば,講演している人の”あいうえお”である。言葉の引継ぎに”えー” とか”おー”とか,冬のソナタではないけれどもはじめから終わりまで発信されてくる。その音だけカットできるイヤホーンでもつけないと聞いていられないほどうっとおしい。言葉が出てこないときは”黙る”ことだ。1秒でも2秒でも待つから,文が製造されてからしゃべって欲しい。一般に男性に多いようだ。特に教職に関係する人がマイクの前や教室では厳禁である。

 寝ているそばで雑音を聞くことは耐えられない。本人が寝ているから仕方が無いが,夜でも昼でも,起きているプロのアナウンサーの鼻から出てくる音はごめん蒙りたい。息継ぎのときは,マイクロフォンから離れて一息入れて再び話し始めて欲しいものだ。また,テレビで授業をされる先生の”あいうえお”はいけない。専門の研究以前にすべき基礎研究の分野である。
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