今まで生きてきた価値観を180度ひっくり返されるような、そんな素晴らしい映画でした。
上映中、何度も何度も、涙がボタボタと流れ落ちました。
子供は一人もいなかったそのシアターで、沢山の大人たちが泣いていました。
本当に素晴らしい映画なので、ぜひ沢山の人に観て欲しいです!!!
医大生コータ。
志望校にも合格したし、満ち足りた生活を送っているはずなのに、何かが足りない。
そんなある日、
「あなたの150万円の寄付で、カンボジアに屋根のある小学校が建ちます」
というパンフレットを目にします。
その日から、平凡だったはずのコータの人生が大きく変わりだす・・・。
実話ベースに作られた映画だけに、全てがリアルで、
まるで自分が主人公のコータと一緒に世界を見ているような気がしました。
単なる綺麗ごとでは済まされないボランティアの難しい問題に、
イヤという程、直面するコータ。
「ボランティアなんて、結局、自己満足じゃないのか」
「世界には他にも苦しんでいる人がいるのに、何故そもそもカンボジアなのか」
「ボランティアは偽善じゃないのか」
そんな問題に何度もぶち当たり、涙を流し、おのれの器の小ささを痛感させられます。
実際にカンボジア現地へ飛んだ彼らが目にしたものは、
HIVの蔓延、ポルポト政権による虐殺の爪あと、いまだに地雷源に住み続ける人々でした。
でも、そこで出会った人々は本当に純粋で、
コータ達のほんのささやかな優しさに対して
「生きる希望をありがとう」
と屈託のない、輝く笑顔で返してくれる・・・。
よく「ボランティアは偽善か」という議論がなされることがありますが、
偽善かどうかという事より、そもそも、
「自分がもし、たった一人でも誰かを笑顔にすることができたら、
その喜びは、自分一人だけの為の幸せよりはるかに大きいものだ」
という事に尽きるのではないかと思います。
例え世界を変えることはできなかったとしても。
この映画では、マザーテレサの
「わたしたちのすることは
大海のたった一滴の水に
すぎないかもしれません。
でも
その一滴の水があつまって
大海となるのです」
という有名な言葉が引用されています。
震災後も、自然の猛威の破壊力、あまりに多くの苦しみを目の当たりにして、
自分ひとりに一体何ができるのだろう、と悩んだ時もありました。
でも、この映画でコータが実感したように、私達は一人じゃない。
たった一人ではできないことも、
仲間がいれば、できることもある。
何度もくじけそうになり、諦めそうになった。
それでも歩き続け、
そしてかけがえのない大切な物を手に入れた主人公に、とても共感します
この地球で、今この自分という存在で生きていることは
本当に素晴らしい経験だ、と
生きる勇気を沢山いただける映画でした