またまた、国立博物館です。 3月14日に行ったとき、約500枚ほど写真を撮っていて、順次、ご紹介しているのですが、なかなか尽きません。 逆に言うと、それほど見るべきものが多かったといえます。
今回は浮世絵です。
まず歌麿の世界へ。
女性の躾のための親への教訓絵。 10枚の揃い物になっていて、他には”正直者”や”ぐうたら兵衛”などがある。
それにしても歌麿にしては、筆の握りかたが不自然な絵です。
見たときは、ドキッとしたのですが、白粉を塗っていない部分は変色したのでしょうか。
《白粉を塗る美人》 喜多川歌麿
歌麿にも劣らない、艶やかな絵です。
国立博物館本館での撮影が、背景に煩わされていないのが、
一度訪れた経験から不思議ですし、よく500枚もの撮影が許されるものだと感心します。
歌麿の浮世絵を興味深く拝見しました。「教訓親の目鑑」は連作で
錦絵には詳しい説明が書かれているそうですね。当時の若い女性の姿を皮肉った
心理描写の連作みたいですね。「本性者」は性善説による立派で真面目な人間を意味し
この絵はその裏ではやり過ぎの女性をたしなめているようですよ。
他に「正直者」や「理口者」などの絵もあるようです。
因みにネットで調べても直接「本性者」に触れた項目を探すのはほぼムリです。
参考にあるサイトの次の文章を載せておきます。
喜多川歌麿「教訓親の目鑑」
心理描写の一連作で、封建家族主義の町人社会にあっては、家長の親が最高権力者であり、その目鑑に叶わなければ若い女の生きる道はありませんでした。ゆえに理口者は、本性者に見せかけ、かげでは寝て本を読んでいたのです。
「ばくれん」は、ギヤマンで酒を飲み美食をするあばずれ女、そのほか、女のよっぱらいとか、ぐうたら兵衛、といった親にはとうてい気に入られそうもない女の諸相、埒外の美が画かれています。
私も、記事をアップした後に、親の目鑑を調べて連作の内容が分かりましたが、本性者の意味
がもうひとつ分かりませんでした。 松ぼっくりさんの解説で、すっきりしました。 それにしても、理口者(利口でない?)や正直者など
は現代でもよく使う言葉ですが、本性者は廃れてしまったのですね。
博物館の作品の撮影ですが、半分は作品の解説
プレートの撮影で、この日は表慶館の撮影と本館の両方を撮っていますので、本館だけだと、
100枚ほどの作品撮影でした。
昨日はアルコールが入り、バタンキューでした。 コメントの返事が遅れてすみませんでした。