光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

平明・静謐・孤高 長谷川りん二郎展 2

2010年05月30日 | アート 西洋画

長谷川りん二郎の作品で印象に残ったものを紹介します。 
1970年代の静物がとりわけ良かった。

瓶や陶器に映る窓、テーブルの光の反射、それらをとおして個々のもつ質感が眼に浸み込んでくる。
《静物》 1970年



《乾魚》 1972年



単なる紙袋ですが、それぞれが詩的なハーモニーを奏でている。
《紙袋》 1970年



 モノトーン的な雰囲気に食べ物が不思議なマッチング。
《静物》  1979年頃



 林檎の紅い色をみると、色にこだわっているのがよくわかります。
《林檎》 1983年



洋画ではあるのですが、日本画的な静謐感を感じます。
《月桂樹の葉》 1983年



制作日記にも、土の色が最高に美しいと述べていたりん二郎。 晩年に制作した《柚子の木》の土の色がそうだと思うのですが、画集の《柚子の木》の色は残念ながら会場で見たイメージに合っていない。  で、イメージに近い絵を画集で捜すと、
下の《晩秋風景》になりました。  制作年代は1935年でりん二郎31歳。  晩年の土の色と同じ色で、すごく温かみのある土の色です。 もっとも、りん二郎は4月末から5月にかけての太陽の光を一杯に吸った土の色が最高といっているので、晩秋の土では少し違うのかも知れませんが。
《晩秋風景》 1935年



 最後に、彼の写生風景を。 よく写生に行った武蔵野や久我山近辺であろうか。

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5 コメント

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Unknown (和美)
2010-08-21 04:05:53
素晴らしいです。特に乾魚が好きです。ブログ友達の掲示板に長谷川りん二郎の名前が出ていたので、検索してこちらを発見しました。
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和美さんへ (te-reo)
2010-08-22 04:54:30
和美さん今晩は。
魚の質感が凄くて、乾魚は私も実物を食い入るように見た記憶があります。
コメント有難うございました。
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和美さんへ 追伸 (te-reo)
2010-08-22 21:26:33
今日22日、NHKの日曜美術館でりん二郎展を放送していました。 「乾魚」も女性詩人の方がとりわけ気に入られて、独自にりん二郎の画集を作ったと語られていました。 TVでもりん二郎の絵の凄さは伝わってきましたね。
普段、あまりTVを見ないのですが、たまたま、TVをつけたらりん二郎の絵が出てきて、ビックリでした。
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Unknown (和美)
2010-08-30 01:32:29
わたしはアメリカに住んでいるので観れないのですが、絵の好きなブログ友達の方々の書き込みには日曜美術館の話が時々出ます。タイミングよく観れて良かったですね。
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和美さんへ (te-reo)
2010-09-01 00:45:47
アメリカ在住とは知らず、失礼しました。
偶然のTVでしたが、持っているりん二郎の画集よりもリアルな色彩で堪能。 ラッキーでした。 
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