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光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

風間サチコ 2017年以降の四つの展覧会を回顧 #2 「ディスリンピア2680」(原爆の図丸木美術館)

2019年09月19日 | アート 現代美術

風間サチコさんのシリーズ2回目は、風間サチコ展「ディスリンピア2680」です。

展覧会のチラシです。

 

2018年4月28日(土)展覧会オープンの日、オープニングトークに間に合うよう、東松山市の”原爆の図丸木美術館”に行ってきました。

会場に入ると、正面にディスリンピア2680》が(下の写真) 縦2.4m,横6.4mの作品から、圧倒的なオーラ! 

なお、作品の石柱部分などに、ブルーの色ムラが見えますが、デジタルカメラ撮影時に稀に現れる光の干渉によるものです。 

 


トーク開始直前、椅子に座ったお二人。(右が風間サチコさん、左が丸木美術館学芸員の岡村幸宜さん)

実は、ディスリンピア2680》は、トーク開始30分前に展示が完成(午前9時のオープンには間に合わなかった)

風間サチコさんは、前日は美術館で徹夜の制作をされたとのこと。(涙ぐましい奮闘が彼女のブログ、窓外の黒化粧に載っています)

写真では穏やかな表情をされていて、疲れは窺えないのですが、達成感でハイ状態だったようです。

 

 


途中、作品解説をする風間サチコさん。 ところで、彼女のファッションでパンツの白黒デザイン・・・自作かな?と一瞬思いましたが違うでしょうね。 

作品解説は、風間サチコさんのブログ”窓外の黒化粧”(解説コーナ(1)解説コーナ(2)解説コーナ(3)を是非ご覧ください。

<作品の概要>

「ディスリンピック2680」は優生思想によって統制されたとある国のとある都市=ディスリンピアにて、近未来2680年(西暦2020年)に開催予定の

国際体育大会である。今作ではその民族の祭典ディスリンピックの開幕式典の様子が描かれている。・・・・解説からの抜粋

 


私は、当日聴いた解説を帰宅後、プリントアウトした写真にメモしました。 ブログ記事化するにあたり、デジタルペンで再作成したのが↓です。


 


左下は人間大砲、優秀な遺伝子を持つ精子を発射したところ。 国家秩序と栄光を象徴する太陽(=卵子)に向かって一直線。

その太陽って、殻を割って落ちた卵の黄身・・・こういうパロディが面白い。




内容に気を取られますが、テクニックも見てみましょう。 人間大砲の部分をアップしました。 

砲身に細かい掠り傷が施され、金属の質感や、明暗の差をうまく作っています。 私も今回、記事を作るときに気が付きました。

風間さんは、木版作家ですが、版は1回しか刷らないそうです。 うーん、確かに、こんなに微細なディテールを刷るのは大変でしょうから、分かります。




右側は、優生思想でダメな人間たちの処理場で、ギリシャ悲劇の子殺しを題材にしたものなど、悲惨なテーマの

図ですが、風間サチコさんの絵には、おぞましさが感じられないのが、不思議な美点だと思います。

(この丸木美術館では、風間サチコ展のあと、原爆の図などを見たのですが、むごさを感じました。)


石柱上部の葉模様レリーフの中に顔が描かれていて、風間サチコさんは、プーチン大統領の顔といわれたのですが、拡大してみても、よく分かりませんでした。




他の作品

ロサンゼルスオリンピックの馬術競技の金メダリストで、のちに硫黄島で戦死した西竹一(男爵であり、バロン西ともいわれる)と

近代オリンピックの象徴ともいえる近代5種競技のイメージを合体した《決闘!硫黄島(近代5種麿参上)》

硫黄島では、戦車連隊長だった西中佐、風間サチコは、愛馬ウラヌス号を機械化し、戦車部隊のマークだった丸に縦矢をつけて表現している。




会場には、下絵も展示されていました。








見終わって、美術館の外観を撮ってみました。

原爆の図丸木美術館は、画家の丸木位里・丸木俊夫妻が、共同制作《原爆の図》を、誰でもいつでも

ここにさえ来れば見ることができるようにという思いを込めて建てた美術館です。

そういえば、8月に東京国立近代美術館の小企画展

「解放され行く人間性 女性アーティストによる作品を中心に」

観てきましたが、テーマ作品が、奥様の丸木俊の作品でした。

 



東京国立近代美術館の公式サイトから引用。

丸木俊(赤松俊子)《解放され行く人間性》 1947年 

迫力ありますね。



美術館のすぐ横を、都幾川が流れています。 落ち着く風景です。




その横には、かってアトリエなどに利用していた流流庵

ここから歩いて帰途に就きましたが、最寄りの東武東上線「つきのわ駅」まで、2.5キロ。

少し交通不便な場所ですが、景色がいいところでもありました。

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風間サチコ 2017年以降の四つの展覧会を回顧 #1 横浜トリエンナーレ2017から「僕らは鼻歌で待機する」

2019年08月14日 | アート 現代美術

現代美術アーティスト・風間サチコさんは、私の贔屓筋の作家の一人です。

撮り溜めていた、2017年以降の展覧会(いずれも会期は終了)から、シリーズで作品を紹介します。

その前に当ブログでの紹介歴を

風間サチコ展 「没落THIRD FIRE] 2012/12/23 

18th DOMANI・明日展を観て        2016/02/15 

風間サチコ 「悪い予感のかけららもないさ」展&「たゆまぬぼくら」公開制作 2016/11/22


今回、シリーズで紹介するのは次の4展です。

★2017年夏、横浜トリエンナーレにおける風間サチココーナ(横浜美術館)

 「僕らは鼻歌で待機する」

★2018年初夏の風間サチコ展 (原爆の図丸木美術館)

 「ディスリンピア2680」 ※アーティストトーク含む

★2019年3/28,29 無人島プロダクション『移殖』展から 

 「不死山トビ子(復活)」

★2019年6、7月 『東京計画2019 vol.2』(ギャラリーαM ) 

 「風間サチコ(バベル)展」 ※アーティストトーク含む


それでは、2年前の横浜トリエンナーレ2017から

行ったのは、8月16日(水) 雨でした。

写真は、横浜美術館の正面で、中国の作家、アイ・ウェイウェイの作品「安全な通行」一部(救命ボートや救命胴衣が取り付けられています)



風間サチコさんの作品は、横浜美術館の大きなコーナが割り当てられており、ビッグネームになってきたのが感じられました。

展示コーナの中央に、《黒い花電車-僕の代》という立体作品が置かれ、周りに版画等の作品を配置されていました。

 

 

 

  

 右壁に展示されているのが、今回のメインである《第一次幻惑大戦(グレートダズルウォー)》 

 

 

 

 

非常出口のサイン灯のところが入口で、学校をモチーフとした作品が取り囲んでいました。 

 

 

 



展示コーナのタイトルは《僕らは鼻歌で待機する》 ・・・うーん どういう意味なんだろう?


 

 

学校モノの作品には、鬱積した不満と、破壊のエネルギーが充満している。 これは、後で出てくる、風間サチコの小中学校時代の来し方と関係していると思います。

 

 

 

 以前の展覧会でも見ましたが、迫力があって好きな作品の一つです。

 

 

 

 

中央にある立体作品《黒い花電車-僕の代》


風間サチコさんのブログ「窓外の黒化粧」には、作品解説が一部、載っています。
とても分かりやすいので、引用させていただきます。

【よく聞かれる質問のコーナー】

Q:黒い花電車の台車の彫刻は自作ですか?
A :いいえ違います。ヤフオクで入手した欄間(廃材)を利用してます。お値段は長い欄間は一組 ¥1000で、短い方は一組10円です。

そうなんです。 風間サチコさんは、高級・高価なものは、排して、極力、庶民的で、安いモノを好むようです。

そうしたことが、作品にも垣間見え、 社会の底辺の目線で、権力や商業主義を揶揄して、鋭い表現となっているのですが

一方で、軽いパロディやユーモアも宿していて、鋭さと緩さがうまく同居しています。 


 

 

 

 

人間富嶽》 府中市美術館での「たゆまぬ僕ら」公開制作時で見て以来です。

 風間サチコさんのブログ「窓外の黒化粧」からの引用です。

【よく聞かれる質問のコーナー】

Q:屏風は銀箔が貼ってあるのですか?
A:いいえ違います。アルミホイルです。8m巻き一本90円のやつです。

 


 この展示でのメインで新作の《第一次幻惑大戦      

 風間サチコさんのブログ「窓外の黒化粧」からの引用です。

第一次幻惑大戦:梗概(1)

新作「第一次幻惑大戦(グレートダズルウォー)」の細部を解説する前に、この作品の概要を説明いたしましょう。
構図をまとめるのに恐ろしく苦しみ、結果ゴチャゴチャになった絵の向かって左側には、光と炎を操る近代的な合理
世界が、右側には氷と闇が支配する意味不明の非合理世界が配置され、双方が対立し衝突する様を描いています。
(大航海時代の英雄はカンテラを片手に、未開の闇を切り拓き野蛮を成敗する。何事も(未知の将来も)明るみに晒
さずには置けない近現代の闇恐怖症も然り!)

どうして私が、このような滑稽な戦争を空想しているのか?それは小中学校時代に遡り(少々面倒くさい)説明をすると
、小三で発病した喘息をきっかけに登校拒否半分で学校に行かず、自宅にこもって過ごす毎日だったので、さすがに辛く
子供の浅知恵で自分を正当化し「普通の勉強なんて意味がない」と早まった結論を出してしまった。(この大変な誤謬に
気付いた頃はすでに手遅れ!)中1あたりでビアトリクス.ポター(ピーターラビットの作者)の孤独な少女時代に憧れて
ちょっとしたお嬢様気分(現実は安サラリーマン家庭)になり、さらに中2頃から大人の本を読み始めると、思い込みは
深刻化し「ボードレールのような高等遊民になる」という絶望的な夢を抱くまでに…。お布団の中で「悪の華」を読むのが
デカダンスの一日。オカルティズムへの興味もあいまって現実社会への否定は加速し、学校に通う健康な生徒たちは平民で
、病弱な自分は貴族という、一切の負けを認めない自己肯定にたどり着き、通信簿オール1の没落貴族が誕生した。

ネットスラングの「中2病」の意味を知ったとき「な〜るほど!あの時のアレか!」と膝を打ったが、よくよく考えると
今現在も罹患中である。(つづく)

IMG_6740

この怖い絵は中学時代のお気に入りの一枚。
ハリー・クラークによるE.A.ポオの短編小説「メエルシュトレエムに呑まれて」の挿絵
(幻惑大戦の右下にある渦潮の原点)

幻惑大戦(登場人物)

「近代的な諸徳その他の南風のもとに生きるより、むしろ氷の上に生きるにしかず!」
このニーチェの吐いたありがた〜い暴言をスローガンに掲げて20余年、もちろん今も実践中でーす!
ヨコトリ展示中の新作「第一次幻惑大戦」の画面向かって右側は、この冷たく排他的な「氷上」の世界を
設定して描いてます。今日はその登場人物(物品)をご紹介しましょう。

IMG_6685
妖術使い児雷也と大ガマは、さっぽろ雪祭りの雪像(陸自第11旅団制作)という設定。

幻の大渦潮に乗って攻めてくる四角い物体は流氷で、これは網走流氷祭りのイメージ(圭子の網走番外地は心の歌)。
ファミコン、テレビ、ゲームウォッチ上で待機する忍者軍団も見える。

こう取り上げてみたものの、北海道は未踏の地だし、ファミコンもサーフィンもしないのが現実…

IMG_6282
ファンタスティックな絵葉書ケースに魅せられて…。この素晴らしい雪像の数々は、北の護り陸自第11師団(現旅団)
隊員が制作しているという。さっぽろ雪祭りこそ恒久平和の象徴だ!

IMG_6684
ガマの口から吐き出される冷気「怠けガス」には、たちまちサボりたくなる効果がある。

知っても得しない秘密

会期残りわずかとなった横浜トリエンナーレの評判はというと…厳しいご意見が怖いので自分では調べませんが
聞くところによると私のコーナーはヨーロッパの人に大好評らしいです。漫画みたいな木版画で日本っぽい。
というのが凡その理由のようですが、じつは新作「第一次幻惑大戦」画中には有名欧州画家の影響が(参考にしたから)
所々にあり、明確には判らなくとも何となく親近感を持たれたのでは?というのが私の推測です。
そして日本人からは藤子不二雄Aや、どおくまんの作風を想起させる等の感想が聞かれます。おお超えられぬ双璧の名よ!
畏れ多いけれど嬉しい。

IMG_7258
このようなシャシャシャとした線は、もっとも私淑するドイツ表現主義の画家キルヒナーからの影響です。

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ビル型砲台は、ドイツロマン主義の画家フリードリヒのかっこいい名画「氷海」からの引用。

IMG_7255
下から光線が当たってる感じは、ウイリアム.ブレイクの絵を参考にしてみたヨ。


(ガロ系だったら鈴木翁二が好きかな?)

左の屋上建屋でマンガを読んでサボってる男子学生は私自身の姿。現実逃避を得意とする私に絶望は無い!

 

 

 

さて、展示コーナ以外にも、風間サチコさんの面白い”企て”がありました。 

それは1階ロビーと2階展示室を結ぶ階段の踊り場に設けられた、《ぼんやり階級ハンコ》コーナです。




 

 

風間サチコさんのブログ「窓外の黒化粧」からの引用です。

大人気!「ぼんやり階級ハンココーナー」
IMG_6785
(意味を理解せぬまま)いたいけな児童が楽しげに押しているスタンプは厨二/情弱/ぼっち/社畜…無邪気に
押されたそれら蔑称を高所より傍観してる私にも(ちょっとだけ)良心の呵責はある。

私が写真を撮った時も、前にいた親子(母・娘:小学生くらい)が、スタンプを押しながら、”リア充”って何?と娘さんが

母親に尋ねたが、母親も分からないらしく、適当に誤魔化していた。 ・・・実は私も知らなくて、今、調べると

”「リアル(現実世界)が充実している」の略。 掲示板などでは活発に活動しているが、現実の世界では引きこもりがちだったり
ニート生活を送っていたり、満たされない生活を送っている本人が自嘲の意味を込めて用いる場合や、インターネットに詳しくない
人を揶揄する意味などを込めて込めて、様々なニュアンスを込めて用いられる。(IT用語辞典バイナリから引用)”

へー、そうだったのかと、納得。

ところで、私は何のスタンプを押したのだっけ?・・と思い出そうとして・・・確か、展示パンフ
に押しているはずだが

今、それを探して、見るのが怖い。

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トム・サックス ティーセレモニー展を見て #3 シアターの映像

2019年06月14日 | アート 現代美術

 トム・サックスのティーセレモニーの映像です。

《Tea Ceremony》2017 上映時間13分41秒  

なお、スクリーンのバック《Movie Dome》2019と、椅子《NASA Folding Chairs》2012も作品です。

 

 

 

 

 

ティーガーデンに入るトム。  場所はニューヨークのイサム・ノグチ美術館(2016年にティーセレモニー展を実施した美術館)

 

 

 Daisu(台子)が飾られています。 もっぱら、掃除やメンテナンスのための道具類。

 

 

 塵取りを腰に下げ、掃き掃除。 背景のイサム・ノグチの作品と思われる彫刻が、シブい!

 

 

 

 

 

 雪隠に行きます。 ん?お腹の掃除か。 靴から下駄に変わっています。

 

 

 いえいえ、ちゃんと拭き掃除です。

 

 

彫刻に拝礼するトム。  ここら辺は、茶道を知らないので分からないのですが、日本の茶道でもやるのかな?

 

 

 蹲に水を張る

 


盆栽の松(に見立てたもの)に向かうトム。

 

 

 

綿棒を原型として鋳造した、ブロンズの松葉。 手入れをしているところか。

 

 

 茶室の清掃。

 

 

 水屋で、お菓子や飲み物など、各種道具を専用のトレ―に載せて、コンパクトに収納。

 

 

 露地の池の鯉

 

 

 生簀から魚を取り出す網を、パシャッと池に投げ入れたところ。エッ?

 

 

 

 エーッ!!  もてなし用に鯉を刺身に! (赤身の魚なので鮭か?)

 

 

 炉の炭を作るため、木を切るトム。 兜が凄いと思った。 でも、兜の黒いメッシュの顔面マスクは、切り屑をの直撃を防ぐのに有用!

 

 

 切った木片と、炭にする焼成用ドラム缶。

 

 

 本物の松の枝を切り取り。

 

 

  

 茶室の花入れに、その松葉を入れる。

 

 

 

 

 

 腰掛けで、露地用サンダルに履き替え。

 

 

 大きなキセルで、刻み煙草を吸う客。

 

 

 蹲で手を清める。

 

 

 茶室に入ります。

 

 

 

 

 

 

 リッツクラッカーにピーナッツバターを塗ったお菓子。  

 

 

 

 

 

お酒。 猪口は、よく見ると木製だ。

 

 

 

 

 

ヨーダの頭をポンと開けて、キャンデーを。 

 

 

 出ました。電動茶筅。 竹の穂の部分は動かず、中央に撹拌用ヘッドがついています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 よく、混ざったのか? 茶席に出たことがないので、よくわからない!

 

 

 終わって、お客が帰っていきます。

 

 

 

 

 

  

 すり上げ戸を開け

 

 

 今日の茶会の記帳をする。

 

 

 今回のティーセレモニーの実演に来ているジョニー・フォグ氏の名前も見える。

 14分近い映像を、40カットの写真で紹介しました。

見終った私の印象は、イサム・ノグチ美術館の庭などとマッチして、綺麗だったということと

トムスタイルの茶会ですが、妙に日本的な風情を感じ、全く違和感がなかったことです。

※以下は、6月19日に追加した記事です。

 本展については、トムのインタビューなどの言葉が、理解を深めるのに役立ちましたので、以下に、抜粋して引用させていただきます。

 

美術手帳(Web)NEWS / REPORT - 2019.4.20から抜粋

◆「茶道は茶碗ひとつとっても、あくなき探究心が求められます。しかしその本質は質素。そういったところに魅力を感じるのです。
  そして、資源が限られた日本で培われてきた自然や材料に対する眼差しは、21世紀の宇宙開拓時代に必須の人間活動のひとつです」。

◆「『文化の盗用』という言葉があります。私は日本人ではありませんが、全身全霊をかけてこういう仕事をやっている。私の仕事が
 意図
するものは、何かを拡張させようとすることなのです」。

トム曰く、ニューヨークでは茶道を嗜むことが高学歴の白人中年男性にとって、エリート意識をくすぐるステイタスになっているそうだ。
 千利休が秀吉の虚栄心を酔わせたように、わざと質素に振る舞うスタイルがクールだとか表層的に解釈され、利休が理想とした「侘び寂び」
 や「禅」からかけ離れてしまったことが茶道の弱みだ、と彼は語る。茶道のコアな価値観である純粋性、調和、静謐、敬意といったものは、
 人間がすでに知っている自由な概念であって、それを解き放つことに本来の茶道の精神がある、と主張する。

 本展ではイサム・ノグチの「古い伝統の真の発展を目指す」という姿勢にインスパイアされ、もてなしやリスペクトの意味を再定義しよう
 と試みる。富裕層が支えてきた茶道の伝統を自己流で発展させ、誰もが楽しめるようにするため「やりたい放題やってやった」(トム)。
 そこには「茶道の強みとは、その価値観とダイナミズムや柔軟性が、世界をより良くすること」と信じる独自の考察がある。


◆つまり、茶道では価値観を共有することによってホストとゲストの役割を置換えることができる。地球上ではこれまでゲストだった人類が、
 人新世(新たな地質年代)に突入した現在、環境に影響を与えるホストになり替わった。茶道の精神である敬意や調和にセンシティブである
 ことは、良いゲスト・良いホストになることに繋がる、と彼は考えている。

 

 VOGUE JAPAN Lifestyle / Culture  MAY 10, 2019 から抜粋 執筆は住吉智恵さん

◆オープニングレセプションでは、トム自身が主人を務め、武者小路千家15代家元後嗣の千宗屋氏らを迎えたお点前が行われた。
 主菓子「真夜中の太陽」はオレオ、茶筅はカプチーノメーカーみたいなモーター付き、茶の缶を開ければドリフのコント風に抹茶の煙が立ち
 茶碗はビヨンセと名付けられている。


◆トム・サックスならではのブリコラージュ(寄せ集め)とアプロプリエーション(借用)の手法で構成された作品群は、まさに利休の理想とした
 「見立て」(レディメイド)によって表現された、規律と自由を味わう茶道の世界だ。筋金入りの「コントロール・フリーク」(管理の鬼)である
 トムが、常日頃からスタジオ・クルーたちに徹底させてきた「10か条(Ten bullets)」の掟に従い、完璧に仕上げられた造形の妙と痛快なおとぼけ
 に満ちていた。
 
◆ 「僕がコントロール・フリークだなんて、まだまだ日本人のレベルには程遠いよ。僕にとってハンドメイドの制作行程を全てオープンにする透明性が
 とても重要で、手作業の痕跡をあえて残している。例えばiPhoneはすごい歴史的発明だけど、そこには人類の創造物であるという証がない。
 アーティストが大企業やスーパーブランドに太刀打ちできるとすれば、それは唯一、手工芸というブランディングなんだ」(トム)


◆作品のあちこちに残された、ひと目でトムのものだとわかる几帳面でフラットな手書きの文字も、彼の作品世界を新たなブランドにした、愛すべき
 アイコン的要素だ。1990年代から「ブランディングの時代」を鮮やかに転覆させ、物質的価値のイノベーションを実現してきたトム・サックスの探求の
 成果に、胸のすく思いの展覧会である。
 
 
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トム・サックス ティーセレモニー展を見て #2 実演

2019年06月11日 | アート 現代美術

 トム・サックス ティーセレモニーの実演を中心に紹介します。

まず、茶室のある露地全体のイメージを。 

 OUTER GARDEN(外露地)の門です。作品表記は《Torii(Middle Gate)》

 《Torii(Middle Gate)》、2015 Con Ed社仕様柵、スチール製波板、エポキシ樹脂、スチール製金物

 

 

 中央部に池、左の半楕円形のボックスは雪隠です。 奥の門の向こう側が”INNER GARDEN”(内露地)になります。 

 池 《Pond Berm》2016 合板、ラテックス塗装、スチール製金物、鯉

 

 

 

 

 池には鯉が十数匹、泳いでいました.

壁面のディスプレイには、トムにとっての象徴的でスタンダードな素材であるシンダーブロック(穴の開いた軽量コンクリートブロック)を

合板で模した作品が映し出されていました。(茶室の床の間に飾られているシンダーブロックのカメラ映像です)

その右横には《Sawhaus》、これは炉中の炭を作るために木材をカットする「木挽き台」。

 

 

 《Sawhaus》  別室のシアターでビデオを見ると、トム・サックスは、兜をかぶって木を切っていました。

 

 

 

 

 石灯籠もあります。 オイルランプが組み込まれているので、点灯できます。

 《Ishidoro》2015 合板、ファイバーグラス、陶製タイル、エポキシ樹脂、オイルランプ、ミクストメディア

 

 雪隠なんですが、最初はなんだろう?と思いました。

 

 

 

 

飛行機のトイレが原型ですね。 

 《LAV 3》2014  Con Ed社仕様柵、合板、ポリスチレン断熱材、インシノレット社製トイレ、ミクストメディア

 

 

 中門です。
手前のブロンズ像は《The Kiss》2019 確かに抱き合っているポーズで、まさにキス。
門の右横の壁には留め石も置かれています。

 《Chumon(Middle Gate)》2014 Con Ed社仕様柵、合板、ラテックス塗装、ドラム缶、箒の柄

 

 

 ”INNER GARDEN”(内露地)です。

石灯籠と蹲(つくばい)。 石灯籠の支柱はポリバケツ、蹲には、プッシュ式消毒液が置かれている

 

 《Ishidoro》2013 ミクストメディア   《Tsukubai》2014 Con Ed社仕様柵、合板、ラテックス塗装、エポキシ樹脂、ミクストメディア

 

 

 

手前は、松の盆栽《Bonsai》。 ダンボール筒や綿棒、タンポンなどで松の枝葉を作られている。

奥に工事現場の立ち入り禁止柵やトタン屋根、ポリスチレン断熱材などで作った茶室《Tea House》。右は五重の塔《Stupa》ブロンズ。  

 

 

 茶室のなかです。

左端にPanasonicの電気ポット《kama》2015、
スポーツ競技用ショットクロックは、点茶前の30秒の瞑想などをカウント
床の間にはモハメッド・アリとその格言を描いたトム直筆の掛軸と、シンダーブロックの作品(カメラで外のディスプレイに映しだされている)



 

カタカナで書かれたモハメド・アリの格言の訳は「自信があるのなら、大口をたたいたことにはならない」
(カタカナのユーキャンのーは縦書きだと|ですが、一生懸命、カタカナを書いた作者の御愛嬌)
アリの肖像画、賛?(格言)を含めて、面白い掛軸です。

       

 


茶室にくっついた水屋では、外人の方が、何やら仕込み中。

この方が、今日の亭主で、トム・サックスに茶道を指導したジョニー・フォグ氏のようです。

 

 

 

 リッツクラッカーにピーナッツバターを塗っている。 茶席のお菓子の準備だ。

狭い部屋に、いろんな道具、材料が整然と収納されている!

 

 

 

 

 

 

 

 

さー、ティーセレモニーの実演が始まりました。 お客は、抽選で選ばれた女性3名です。

本展では茶室の構造が会場に落とし込まれており、「CORRIDOR」は茶道で言うところの「腰掛(こしかけ)」(休息所)。 露地で履くサンダ

ルの説明をする 亭主ジョニー・フォグ氏。 流暢とまではいきませんが、日本語で会話していました。

 

 

 

 サンダルはナイキの特注品(トムとナイキの社長は友達のようだ) 

 

 


携帯電話や時計、宝石は、保管庫に一時預かり。 

 

 

 

 会場内で着る上着が配られます。 なお、実演の様子はインスタグラムで生中継されていました。(中央のスマホを持った係員の方)




腰掛けに座ったお客に、ミネラルウォーターが。  火鉢と網もあるので、火が使えれば餅など焼くのかな?

 

 

 

 イサムノグチの彫刻を模した碑《Narrow Gate》のところで、その意義を説明する亭主・ジョニー・フォグ氏

 

 

 外露地の待合で、手製のキセルを使った喫煙を説明する亭主。(実際には喫煙しません)

 

 

 

別室シアターで喫煙の場面がありましたが、石川五右衛門を彷彿とさせる豪快なものでした。
私は茶の湯は知らないのですが、現代の茶道では、こんなもてなしはないのでしょうね。

 

 

 

 シンダーブロックの画像ディスプレーの説明。

 

 

 

 《Daisu》を説明する亭主。 掃除や修繕道具の物置台(茶道でいう台子(だいす)と違うものかも)

 

 

 

 

 内露地に入ります。

 

 

 

 

 蹲で手を清める。(プッシュ式消毒液は使いませんでした)

 

 

 

 松の盆栽の説明。

 

 

 

 茶室に入ります。

 

 

 

 

 瞑想、埃取り(亭主がコロコロで、客の服の埃を取る)、お菓子(真っ赤な太陽と呼ぶリッツクラッカーのピーナッツバター塗り、黒い太陽と呼ぶオレオなど)、お酒が出された後

緑の煙(抹茶缶の蓋をサッと開けて)



茶碗や茶筅が出てきました。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電動茶筅がユニーク 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飲み終えると、遊びが始まりました。

 

 

 

 お客が木箱の石庭で、熊手を使って砂紋をつくりますが、そこに石に見立てた木片を、亭主が投げ込むので、砂紋を引き直すという遊び。

 

 

 

 次は、釘や鋲などの素材を使って、紙に自由に曼陀羅をつくる遊び。

 

 

 

 最後に、感想を書き

 

 

 終了です。  終了後、1時間ほどしてミュージアムショップに寄った時、参加した三名のうちの一人がいらしたので

参加の感想を聞くと、抽選であたって、茶の湯を楽しめ、ラッキーだったと喜んでいました。 茶道の経験を聞くと全く

ないとのこと。 見ているだけの私も楽しめましたから、本当に楽しい茶会だったと思います。

亭主のジョニー・フォグ氏も、暖かくユーモアがある感じでした。

昔、利休が、楽茶碗を、古田織部が破れ袋の水指を使ったとき、お客は最初は驚き、次にくすっと笑って、和やかな茶会になったと

勝手に思うのですが、今日のティーセレモニーがまさにそうでした。

思えば、楽茶碗も破れ袋も、当時のパリッパリッの現代美術作品といえるのではないでしょうか。

トム・サックスは、今、それをやったのです。  ブリコラージュという手法を用いて。

 

 

 

 「CORRIDOR」(腰掛、休息所)には、面白い掛軸がかかっていましたので紹介。


地球に帰還する絵かな

 《Comin’ Home》2019  キャンバス、ジェッソ、ナイロンウェビング、パラコード、陶器、重り、箒の柄

              

 

  

 《Sarek Scroll(I Have Always Been and Always Shall Be Your Friend)》2016
軍用テント、カプトン(耐熱フィルム)、タイペック(不織布)、麻、水彩、アクリル絵具、インク、荷造りテープ
ビリヤードのキュー

 

 

 

 《McDonald's》2019  エアバッグの生地、ケブラー(樹脂)、ジェッソとアクリル絵具を塗ったキャンバス
             ナイロンウェビング、パラコード、セラミック、ブラインド杖  

 

 

 赤い毛布は、デルタ航空の客室ブランケット(デルタのロゴ入り)

 《Tres Generaciones》2019  梱包用フェルト、麻、デルタ航空の客室ブランケット、キャンバス、ジェッソ
                ナイロンウェビング、パラコード、陶器、
重り、箒の柄

 

 

 会場入口の写真

 

6月2日(日)に訪れたとき、シアタ-での「ティーセレミニィ」の映像を見逃したので、6月8日(土)に再訪し、トム・サックスの

映像によるティーセレモニーを見ました。 展示作品を見ただけでは分からなかった点も解消できましたので、次回はその映像を紹介

します。

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トム・サックス ティーセレモニー展を見て #1 茶道具作品

2019年06月06日 | アート 現代美術

なんと、面白い展覧会! 

現代美術家(建築家)トム・サックスの「茶の湯」を表現した道具等の一切が作品。

訪れた日(6月2日)のイベントとしてトム・サックスに茶の湯を指導したジョニー・フォグ氏が

会場で選ばれた(抽選)3人の客と、実際のティーセレモニーを行ったのが、凄く良かった。!

 (関係ない話ですが、トム・サックスって、映画スターみたいな名前でカッコイイ)

このフライヤーをご覧ください。

kabuto》と題された作品です。 みれば、兜と分かりますよね。でも、その素材は

ヘルメット、スチレンボード、パラコード、ファイバーグラス、エポキシ樹脂、ミクストメディア

ヘッドホンやハタキも・・・・これから紹介する茶道具類も、すべてこんな感じで手作りされています。



では、早速、会場へ

一瞬、石碑? 実は、段ボールを接着剤でくっつけて制作したもので、イサム・ノグチの彫刻を再現したもの。(実物の展示は難しかったようだ)

トム・サックスは、イサム・ノグチが残した『古い伝統の真の発展』という言葉に、とても共感していて、このティーセレモニー展での、重要な

コンセプトになっている。

 《Narrow Gate》2018    段ボール、エポキシ樹脂


裏側から(6月8日撮影で、6月14日に追加しました)

 

この《Narrow Gate》の奥の左側が、「HISTORICAL TEA ROOM」で、トムのこれまでの作品(一部)が展示されている。

また、右側のトタン板の門は、「OUTER GARDEN」の入口で、「外露地」の入口にあたるもの。
 

では「HISTORICAL TEA ROOM」に入りましょう。

ロブスター!・・・茶の湯との関係は不明ですが、明治工芸の自在置物風なものまで作るんだ。 

奥には、茶釜などが収まった水屋が見えます。




掛軸も。  結構、さまになってます。  (この写真は6月8日撮影で、6月9日に追加したもの)

 

掛軸のキャプション《Untitled》2019 梱包用ブランケット、ベルベット、キャンバス、ベスト、ナイロンウェビング、パラコード、セラミックス、重り、箒の柄


      
太刀とスピーカ(太刀台?)
スピーカの銘板には「セアラー」と書かれていますが、意味は分かりませんでした。
太刀(外見だけだと思います)の柄の先端のペンダントは、なんと”キティちゃん”です。 


Sarah》2014 ミクストメディア
                                       

 



フライヤでも紹介した兜

《kabuto》2015



この写真は6月8日撮影で、6月9日に追加したもの。



Shoburo》 茶道をやっている方は、初風炉で分かるようですね。

私は、宇宙探査機”隼”を思い浮かべました。

一通り、茶の湯の道具が揃っています。

右下のPEZと記されたものは、チェリーキャンデ―で、お菓子です。  あれ、ヨーダがいる!(私はスターウォーズは観ていないのですが)  

Shoburo》2012  Con Ed社仕様柵、厚紙、エポキシ樹脂


水屋  笑顔の茶釜がかわいい。

《Mizuya Back Up Unit》2014 合板、ラテックス塗装、スチール製金物、ミクストメディア


水屋の各パート(一部)をご覧ください。

ヨーダ棒とPEZキャンデー  ティーパーティ実演の際には、このヨーダ棒を使って客にキャンデーを渡しているようでした。




茶入れと書かれています。 前後に見える装置が?ですが、ライトか乾燥のための送風機か?



水屋の側面。  ローラーボードに書かれている文字は、トム・サックスの自筆だと思います。



NASAのロゴ入り茶碗。  手ひねりで作っているようです。 でも、金継ぎは、塗っただけに見えますが。(割れてはなかった?)
この写真は6月8日撮影で、6月9日に追加したもの)

《Alabaster Cream》2018 陶製タイル、磁器、白釉、NASAの赤色を象嵌した白化粧土、金彩、金継ぎ



さて、NASAとか、宇宙探査機のような”初風炉”だとか、宇宙に関係したアイコンが出てきますが、その理由はこうです。

【カーサブルータスのWebサイトから引用】

”2012年『スペース・プログラム : MARS』展(パークアヴェニュー・アーモリー/ニューヨーク)を礎としている。

トムの数あるフェティシズムのひとつである「スペース・プログラム」が火星探査に赴き、過酷なミッションをこなす

宇宙飛行士たちが日本の伝統的な茶の湯を行うことでストレスを緩和させるという展示とデモンストレーションだ。

その後「ティーセレモニー」の部分だけを発展させ、2016年にニューヨークの〈イサム・ノグチ美術館〉で同タイトル

の展覧会が開催された。”


2012年の『スペース・プログラム : MARS』展の画像が、Webサイトにありましたので、転載します。




最初は、宇宙飛行士のレクリエーションとしての、ティーセレモニーだったんだ。 それにしても、凄い発想!

トム・サックスが2012年から、本格的に茶道を始めたのも、このためだったのかな。 また、NASAとのコラボ

後で出てきますがスポーツ用品のナイキとのコラボなど、有名どころとコラボができるところは、並の作家では

ありませんね

次は、実演の紹介ですが、一旦、区切って次回にさせていただきます。


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西村有の作品、二つの展覧会から

2019年05月08日 | アート 現代美術

西村有の作品展については、今年3月22日のブログ

信州上田、富山、金沢アート巡り #4金沢21世紀美術館、石川県立美術館

のなかで、東京で見た二つの作品展を、近いうちにまとめて紹介すると述べて

いました。 遅くなりましたが、準備ができたので、紹介します。

ギャラリーKAYOKOYUKIでの個展(2017.10.15に鑑賞)・・・東京・駒込
   「Portrait」展

トーキョーアーツアンドスペース本郷(2019.3.20に鑑賞)・・・東京・本郷
 「霞はじめてたなびく」展から

 

 

まず、ギャラリーKAYOKOYUKIでの個展「Portrait」から

当時の夕刊の展評で個展を知り、面白そうと思い行くことにしました。

この作品が、夕刊に載っていました。

残像で揺らいでいるかのような、浮遊感があり、それでいて黒髪が魅惑的な不思議な絵です。

motion》  2017, oil on canvas, 65.2 x 45.5cm



ギャラリーKAYOKOYUKIは、山手線駒込駅から歩いて数分の場所にあり、もともとは倉庫だったようです。

ギャラリー内から撮影。








作品リストは、会場内にしかなく、作品のタイトルなどがわかる資料が、手元にないため

作品名等がわかりません。  悪しからず、ご容赦のほどを。


この作品も残像が見えますね。  ササッと描く、線のタッチがいい。





このあいだ、府中市美術館で「へそまがり日本美術-禅画からヘタウマまで」を前期・後期と見たのですが

そのキャッチコピー ”きれいとは言い難いもの、不恰好で不完全なものに、なぜか心惹かれる・・・そんな

「へそまがり」な感性から生まれた、輝かしくも悩ましい日本美術の数々”

そこまでは、いかないのですが 一見、稚拙に見えます、でも、イメージがいろいろ膨らむ、面白い絵です。

これを、写実的に描いたら、この味わいは出ないでしょう。




この作品では、残像ははっきりしませんが、目のあたりのぼかしに、動きを感じます。

気ままな猫が、っモー、つまんねぇーと、歩いていく姿が・・・

 

 

 

 

 この作品、よくわからないのですが、画面全体に揺らぎを感じます。

このポーズは、荷物を開けているようにも見えるし、うなだれているようにも見えます。

西村の作品には、悲壮感みたいなものは感じられないのですが、東海林さだおの漫画のような

軽いノリのペーソスを感じます。

 

 

 

 車窓から見えるような光景も、よく描かれるモチーフです。

 

 

 

 この作品、シンプルで、いい色合いで、欲しくなったのを覚えています。

 

 

 この魚の表情!




続いて、トーキョーアーツアンドスペース本郷での「霞はじめてたなびく」展です。

この、トーキョーアーツアンドスペース本郷は初めて来ました。道向かいの東京都水道歴史館には

2010年1月に行ってますが、ここは知らなかった。

調べると、1928年(昭和3年)に造られた”職業紹介所で、1949年からは職業訓練校として使用され

2001年にアートセンターとして開館したようだ。



霞はじめてたなびく」展は、3人のアーティストの展示になっていましたが、今回は西村有の作品

のみを紹介します。 別の機会に他の2人の紹介ができるといいんだけど・・・紹介していないネタ

が山のようになっているので、いつになることやら 




2階交流室での展示光景。




壁に架かった作品。 水墨画のような感じもあり、眼にすーっと入ってくる。

《a cat looking》2019 アクリル、キャンバス


《border boy》2019 アクリル、キャンバス


西村有の作品の大半は3階のC、Dの部屋に展示されていました。



ここで、西村有のこの展示会への、ステートメントを紹介

《 実際にある風景を再現するのではなく、作家自身の日常的な気づきを重ねて「今」を描いています。

 どこかで見たことのあるような風景や人物、あるいは物語のワンシーンを思わせるような絵画は、空間に

 展示されることで、隣り合うそれぞれの作品との間に、自然と物語が生まれるよう構成されます。

でも、このステートメントを知ったのは、最近なんです。(このブログを書くために、当時の配布資料を

読んでいたら載っていた。)  うーん、分かっていたら、写真の撮り方も変わっていたかも・・・



Cの部屋入口からの光景。 自転車の絵がとても魅力的に見えました。




左回りにカメラを動かして撮影。  そういえば、犬の散歩の絵と、その左の作品は繋がりがありそうな感じだ。




C室の入口側を撮ったもの。 右側の2作品も物語で繋がるような感じだ。








D室入口付近から




逆にD室の入口側を撮ったもの。  中央の接近した2作品も物語で繋がりそうだ。




いかがでしょうか? 私は鑑賞したときは、作家のステートメントを読んでなかったので

”隣り合う作品間で、物語が生じる”・・・というところまでは気付かず、不覚でした。



個々の作品です。

遠くから見た時、自転車だけで、人は分からなかったのですが、よく見ると、うつむいた顔と、ペダルを踏む右足、地面に着いた左足

が描かれている・・・でも、輪郭線だけで、からだは透き通ったように描かれている。

不思議な絵ですが、色合いの妙と、疾走感のあるタッチで、とてもいいなーと思った作品です。

《stop the bicycle》2019 油彩、キャンバス



この作品が上の自転車の作品と隣り合っていました。 単体の作品としてみても、色が綺麗で、新鮮な感覚の静物画として好みです。

自転車の作品との物語は、実際にその現場で見ないと、何とも言えないなー・・・ステートメントを読んでいなかったことをつくづく後悔。

《fruits and ceramics》2019  油彩、キャンバス




《structures》2017 油彩、キャンバス




《back to the river》2019 油彩、キャンバス


↑と↓が隣り合っていた作品です。 動物たちの生命をつなぐ物語かな

《frog and snake》2019 アクリル、キャンバス



セルフポートレートはよくあるけど、ペインティング マインドとは珍しい。

《painting mind》2019 油彩、キャンバス



2015年制作の作品、最近のものと比較すると、やや野暮ったいかな。

《room》2015 油彩、キャンバス



犬はダックスフントで、リードの残像が見えます。 人や犬にも動いている残像が

現れ、道端に落ちている空き缶が立体感に寄与している

《walking with a dog 》2019 油彩キャンバス



↑と↓も隣り合った作品です。 これは、どういう物語か分からない・・・・万歳です。

《waiting  for the shooting star》2019 アクリル、油彩、キャンバス



この作品が、上二つの作品と隣り合っていました。  とすると、青年の恋人では?

何となく、物語が見えてきたような。・・・

《face》2018 油彩、キャンバス



この作品は↑の作品の隣。 物語性は何となく・・・

《rose and cat》2019 油彩、キャンバス



走査線で滲んだ背景の橋を、スタイリッシュな若い女性が渡っていく・・・ただそれだけなのですが

絵全体が洒落た感じ。

《across the bridge》2019 油彩、キャンバス



↑と↓の作品は、かなり近接して展示されていました。 物語はうーーん。

《a bird above a head》2019 油彩、キャンバス




《complex》2018 油彩、キャンバス



堤防の木や草と蝙蝠(最初は何かわかりませんでした)。 背景の色がいい・・・現代の花鳥図

《bats flying on the bank》2019 油彩、キャンバス



↑と↓の作品も、お隣同士

《a car running(down hill) 2019 油彩、キャンバス



以上、とりとめもなく西村有の作品を紹介しました。 今後がさらに楽しみです。

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信州上田、富山、金沢アート巡り #6 富山県立美術館 その2 瀧口修三コレクション

2019年05月01日 | アート 現代美術

 富山県立美術館の続きです。

瀧口修三コレクション

瀧口修三は、美術館の展示説明などに、よくでていたので知っていました。

彼のコレクション品の展示ですが、まー、いろんなものがあり、興味深く眺めました。

なぜ、集めたかは、瀧口修三本人しか知らないことであり、?・・と思いながら見てい

たのも事実です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  


 

 上のコレクション棚の中段の版画を、近寄って撮影しました。





個々のコレクション品のキャプションは、膨大なので、一部しか撮っていません。

 

 

 

 


上の写真の中段の拡大です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 草間彌生の1954年の作品ですが、タイトルも絵も強烈です。

以下、草間彌生に関するウィキペディアからの引用。

”1954年(昭和29年)から翌年にかけ、東京で4度の個展。白木屋百貨店ほか、瀧口の関るタケミヤ画廊でも個展。

瀧口がニューヨークの第18回国際水彩画ビエンナーレへ彼女を紹介し、渡米の糸口を作る。”

なるほど、そういう繋がりがあったんだ。

  


以上、さらーっと眺めただけでしたが、面白かった。

3年前に見た、村上隆のスーパーフラット・コレクション展は、壮大でしたが、瀧口修三の

コレクションも地味ながら、味のある小品が一杯でした。

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信州上田、富山、金沢アート巡り #5 富山県立美術館その1

2019年05月01日 | アート 現代美術

 2月19日、金沢発12:56の新幹線に乗り、13:18 富山駅に到着。

初めての富山です。

小雨混じりで北風が強い、あいにくの天気で、バスで富山県立美術館に着いても

建物外観の写真など、撮れる状況ではありませんでした。

建物内の3階から、東側の立山連峰を撮ったのですが、この天気では仕方なし。 (14:43)

冬の北陸らしくていいかも・・・

 



晴れていれば、素晴らしい展望でしょう。 眺望アプリもありますね。

 

 

 

 さて、展示の方は盛りだくさんで、質が高く、期待以上の収穫でした。

コレクション展が実に良かった。

(企画展は、児童向きということと、時間が足りないのでパスしました。) 

この連休中も開催されているので、是非、ご覧になってください。 とてもお勧めです。

コレクション展Ⅳ期では、

★「美術評論家 東野芳明と戦後美術への旅 」

5つのテーマ(キーワード)を設定し、テーマ毎の作品紹介。

★「1989/平成元年(The First Year of the Heisei Era)」

★「ビフォーアー アンド アフター(Before and After)」

★「人物描写(Human Figure)」

★「戦後の日本画(Jananese-style Painting after 1945)」

★「動物の彫刻(Sculpture of Animal)」

別展示室で(4月30日時点では少し内容が変わっています)

★デザインコレクション  椅子とポスター

★瀧口修三のコレクション品

瀧口修三のコレクション品の紹介を含めると、ブログ字数制限の3万字を超えるため

 瀧口修三のコレクション品は、分割して次の記事としました。


では「美術評論家 東野芳明と戦後美術への旅 」から

 

 

 

 

 パウル・クレーの作品から。 左:《内なる光の聖女》 1921 紙・リトグラフ

右側

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いかがでしたでしょうか? 私は、東野芳明は名前はどこかで聞いたかな?・・・程度で、ほとんど知らなかったのです。

そして、現代美術作品の評論は、とかく難しい用語をひねくり回して、高尚ふうな論理だてをしたものが多く、私はキライ

で、読む気がしないのです。 が、東野芳明の評論は、ぎりぎり我慢できるかなー、何となく伝わるものがあります。


 

 

 ここからは複数のテーマを設定した展示の紹介です。

まず 「1989/平成元年(The First Year of the Heisei Era)」 

           

 

 

 

 見た瞬間、草間彌生の作品だと分かりました。

 

 

 

 次のテーマ

 

 

 

 福田美蘭の作品は、アフター以降の作品しか知らなかったのですが、ビフォーの作品・・いいですね。

         

 

 

 

      


 


次のテーマは「人物描写(Human Figure)」

 

 

 

 

 

 

 

 ピカソはやはりいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 ここからは、動物の彫刻(Sculpture of Animal)」だと思うのですが、人像があるのは?

今となっては、よくわかりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 こちらの作品は、展示室を出た通路に置かれた作品。 

 

 

 

 

 3階のデザインコレクションの展示光景です。 





 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「 デザインあ」も昨年見たのですが、1984年に似たコンセプトの作品があったんですね。

 

 

 

 

 

 

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FACE展2019を見て

2019年04月03日 | アート 現代美術

  一カ月以上前ですが、2019年2月27日(水)、この日は都内の三つの展覧会を巡りました。

★FACE展2019  損保ジャパン日本興亜美術館

★石川直樹 「この星の光の地図を写す」 東京オペラシティアートギャラリー

★木下直之全集-近くても遠い場所へ  ギャラリーエークワッド

全部、面白くて、紹介したいのですが、とりあえずFACE展2019 を。(会期終了後ですみません)

フライヤです。 

グランプリ受賞作品が、メインヴィジュアルになっています。

 

 

 

 FACE展は、撮影OKで、今回も受賞作品を中心に、会場光景等を紹介します。


グランプリ作品は、確かに面白い。

黒い怪人の眼からのビームと、それを受けて歪む女性の顔、女性が抱く半獣人とその表情

よく分からない情景なのですが、妙に惹きこまれるものがあります。

 

 

 

 

 「汽水域のドローイング」というタイトルと、絵がピッタリだと思います。

グランプリと甲乙つけがたい。

 

 

 

 

 

 この作品、蒔絵・漆パネルです。 そのため、表面が反射して、私の影が映りこみ、目障りで

しょうがご容赦を。

 

 

 

 中央部分を近寄って撮影。 渋いけど、ゴージャスなムードを感じる。・・・蒔絵の手法だから?

 

 

 

 

 

 木漏れ日のなかにいる、ミクロな人の姿がわかるでしょうか?

そして今気が付いたのですが、画面上部の暗い部分に、ほこりが光を反射して漂っている。

凄く、上手いと思うとともに、部屋に飾る気にはならない・・・つまらなさも感じる。

 

 

 

 

 いろいろ盛り込まれて描かれているけど、私にはわかりません。

 

 

 

 

細部の描きこみが、多彩で凄いのですが、この手の作品、好きじゃないのです。 観光地の土産品みたいで。

 

 

 

 

一見、水墨画?と思ったのですが、アクリル、鉛筆なんですよね。

タイトルとはピタッとこないのですが、ボリューム感と不穏な感じが見どころ。

 

 

 

 

 

 あえて拙さを演出して、効果を出しているのですが、私の部屋を飾ることは無い作品かな。

 

 

 

 

 

 

うーん、どこに飾るか? ものすごく広ーいトイレの壁かな。(我が家は普通の狭いトイレ)

 

 

 

 

 入選作品の展示コーナです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分で撮る写真の構図も、こういう感じが多いのです。 私だったら窓に人影がはいる絵にしたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織り目と色が美しい。 

 

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「あした の あたし 平体文枝」展を見て

2019年03月23日 | アート 現代美術

  3月17日(日)「あした の あたし 平体文枝」展に行ってきました。

★会期 2019年3月14日(木)~3月31日(日)  12:00ー19:00(最終日17:00)

★場所 ギャラリーカメリア(東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル5階502号)


頂いたDMの表紙です。 作家のアトリエ風景でしょうか。 
メインヴィジュアルは、展示の代表作品を載せることが多いのですが、
こうした風景を選ぶのは珍しく、何か意図があるのかな?

そういえば、「あした の あたし」と、平仮名でかつ、わたしではなく
”あたし”・・・幼い女の子が、明日を夢見るイメージが湧いてきます。


さて、会場のギャラリーカメリアのドア前から。

この写真は20日(水)に撮ったもので、この古いビル自体を撮りに来たとき

のものです。(ビルの紹介は次回に)

 

 

 

入口から正面を見たもの 

 

 

 

 

  手前の作品《加速》2019 80×80、 奥の作品《雪の果て》2019 46×46 

なお、作品はすべて oil、oilstick on canvas で制作されています。


 

 入口ドアから右手を見たもの 

 手前の作品《透かして見る》2019 60×60、 奥の作品《舟を失う》2019 53×73

 

奥の部屋の入口方向

 

右側の作品《どっちのみかた》2019 53×53 

 



違う角度で





奥の部屋の入口横。




奥の部屋の反対方向

《夜と脈》2019 26×110




幾つか作品ごとに撮影。

昨年夏に、某ギャラリーでみた、平体文枝さんの作品「眠っている間に」とシリーズをなす作品かな。


 《透かして見る》2019 60×60 



綺麗なマチエールが印象的でした。

 《舟を失う》2019 53×73 

 

 

 

 


 《加速》2019 80×80 

 

 

 

 

 

上の作品《ほさきにふれる》2019 27×27 
下の作品《mini 幻夜》2019 12×12 2作品あるのですが、詳しくは聞き逃しました。
 

 

 

 

《夜と脈》2019 26×110


一昨年、アートハウスおやべで開催された「わたしをふりかえる 能登 ベルギー 東京」平体文枝展

回顧展とすれば、あしたに向かっての展望を示す展示会・・・でも、平体作品のコアはしっかりと健在でした。

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信州上田、富山、金沢アート巡り #2 gone girl 村上早展 

2019年03月09日 | アート 現代美術

信州の上田市立美術館で開催されている 「村上早展 gone girl」の紹介です。

 会期も、あと1週間になりましたが、訪れたのは2月18日(火)です。

まず、フライヤーを 。

 

 

 

上田市立美術館が入っているサントミューゼという、複合文化施設のエントランスで。

 

 

 

 入ってすぐに、作者の村上早さんのメッセージがありました。

疵、腐る、自虐など、負のイメージの言葉が連なります。 作品もまさにそうでしたが、女の子や動物が多くでてきて

怖い・かわいいが同居しています。

 

村上早(さき)さんです。 サントミューゼのフリーマガジン”サンポミューゼ Vo.7” から抜粋。

 

 

 では作品を。 おおむね展示順です。

車輪のなかに、薄い色で犬が描きこまれています。 私には、断末魔の犬に見えます。

 《まわる》 2015 118×150 リフトグランドエッチング、アクアチント

 

 

 

 《だびにふす》 2015 118×160 リフトグランドエッチング、アクアチント

 

 

 

 

 《めぐらす》 2015 120×150 リフトグランドエッチング、アクアチント

 

 

 

この作品は、2015 FACE賞の優秀賞で、当時、この作品を見て、新鮮な印象を受けました。

 《カフカ》 2014 100×135 リフトグランドエッチング、アクアチント

 

 

 

 

 《きろく》 2019 150×118 リフトグランドエッチング、アクアチント、エッチング

 

 

 

 

 《カフカⅡ》 2017 118×150 リフトグランドエッチング、アクアチント、エッチング

 

 

 展示光景です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《すてる》 2016 118×150 リフトグランドエッチング、アクアチント、エッチング、スピットバイト

 

 

 

 

 

 

 

 カラーの作品が出てきました。 

 

 

  

メインヴィジュアルになっている作品です。 シンプルで、怖さも隠されて、すーと入ってくる作品。

 《かくす》 2016 118×150 リフトグランドエッチング、アクアチント、エッチング

 

 

 

 

 

 

 左 《ほろび》 2017 118×150 リフトグランドエッチング、アクアチント、スピットバイト 

 右 《さらう》 2017 118×150 リフトグランドエッチング、アクアチント、スピットバイト

 

 

 

 

 

 

 《おいふ》 2017 118×150 リフトグランドエッチング、アクアチント、スピットバイト

 

 

 

 《円卓》 2017 118×150 リフトグランドエッチング、アクアチント、スピットバイト

 

 

 

 

 左 《ふうせん》 2015 118×160 リフトグランドエッチング、アクアチント、スピットバイト

 右 《ねむりとめざめ》 2016 118×150 リフトグランドエッチング、アクアチント、スピットバイト

 

 

 

 

 

 《さかしま》 2018 150×118 リフトグランドエッチング、アクアチント、スピットバイト

 

 

 

《ばつろⅠ》 2015 89×100 リフトグランドエッチング、アクアチント

 

  

 

 

 《ばつろⅡ》 2015 89×100 リフトグランドエッチング、アクアチント、エッチング

 

 

 

「 第6回山本鼎版画大賞展」 大賞受賞作品 

 《息もできない》 2015 85×98 リフトグランドエッチング、アクアチント

 

 

 

 ここからは、小品インスタレーションです。  

やっと、顔が描かれた作品があり、安心します。  大作の方は、顔をあえて描いていないので、不安な感じがします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 小品でも、”痛ッ”と感じる作家の毒素がプンプンです。

フリーダ・カーロの作品にも、こんな痛みを感じる作品がありますが、女の子が主人公のぶん、

やわらぐところもあります。

 

 

 

 主催者のメッセージです。

 

 

 

 チリチリとしたものを心に感じながら、美術館の出口にきて、外を眺めました。

少し穏やかになり、フーと大きな息をして、次の行動に移りました。

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絵画のゆくえ2019 FACE受賞作家展 内覧会から

2019年01月16日 | アート 現代美術

  1月11日(金)絵画のゆくえ2019 FACE受賞作家展 内覧会に行ってきました。 

フライヤです。

 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 https://www.sjnk-museum.org/

 

16:30 開会式が始まりました。  演壇前の両サイドに受賞作家が並んでいます。

 

 

 

 向って左側の作家の氏名です。(敬称は省略させていただきました)

FACE2017優秀賞 杉田悠介、 FACE2018優秀賞 井上ゆかり、FACE2018グランプリ 仙谷裕美、FACE2016優秀賞 松田麗香、FACE2016優秀賞 唐仁原 希

 

 

 

 右側の受賞者 

FACE2017優秀賞 大石奈穂、FACE2017グランプリ 青木恵美子、FACE2018優秀賞 阿部 操、FACE2016グランプリ 遠藤美香、FACE2017優秀賞 石橋暢之

FACE2016優秀賞 三鑰彩音 

 

  

 

最初は2016グランプリの遠藤美香さんの作品

FACE2016展の当時のブログ記事を読むと、緻密な作りこみに驚くとともに、黒メッシュの人肌表現などの異様さに

興味を引かれています。  この作品は2013年制作なので、受賞の3年前になりますが、人物表現は一貫しています。

この作品では、遠近感や立体感の表現が秀逸だと思います。

 





大きな作品です。 人物の顔表現が出てきました。 それよりも、一面の芝の表現が、迫力です。




そして2018年の作品。 人形の緻密な表現も素晴らしいのですが、背景のサラッとした表現も面白い。

まだまだ、進化していく気配が感じられます。




続いて唐仁原希さん。  下の写真、左側の女性が、作家の唐仁原さんです。

 

《もういいかいI'm proud of you》2016 油彩・キャンバスOil on canvas 162x198 作家蔵  《ここにいたからThere you are》2016 油彩・キャンバス Oil on canvas 162x198 作家蔵







いくつかの作品の中に、不二家のミルキィーや缶ドロップのお菓子が描写されてるのを、作家に尋ねたところ、

「母の優しさで包まれていることを、寓意的に表した」とのこと。 

ほとんどの作品が子供を主題にしていますが、”母”への強い思いが感じられる作品群でした。

           




隣に髑髏(どくろ)の作品もあったのですが、こちらは子供の顔の樹。




作品の前で唐仁原さん。 別の方が撮影していた所に、私も相乗りで撮らせていただきました。




続いては、三鑰彩音さん。 日本画で、宝石のカッティングのような模様を特色としています。

 

 

 

 綺麗な女性がモチーフになっていますが、違うモチーフも見てみたい気がします。

 



展示光景

 


 

 続いては、松田麗香さん。

縦長の作品で、普通に撮ったのですが、出来上がった写真を見ると、何かグッとくるものがあります。

もちろん作品は作品で素晴らしいのですが、このような背景と一体となった、一つの写真図像が、別の

魅力にあふれてくるのは不思議です。 偶然の発見で、私の感覚や技量を自尊するつもりなど、毛頭も

ありません。 私だけの変な錯覚かもしれませんが。 

 

 

 

 

 続いては、青木恵美子さん。

グランプリの時の作品から、あまり変化は感じないのですが、壁に突き当たっているのでしょうか?

 

 

 

 続いては、大石奈穂さんの展示コーナです。

しっとりとしたマチエールが、全作品から感じられます。

 

 

 


画面の奥からボアーっと湧きあがってくるような、存在感は何なのだろう?

楽しみな作家です。

 

 

 

続いて、杉田悠介さん。

2017優秀賞の時と同じ、グラフィックデザイン的な画面で、面白い。 この写真、少しピンボケになりました。すみません。

 

 

 

 

今回、一番、面白いと感じたのは、仙谷裕美さんの作品群。

写真の多重露出のような手法も使っています。

 

 

 

 



描写力や色彩感が素晴らしい。 そして、発想と構図も面白い。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 作品の前に立つ、仙谷さん。  この写真も、相乗りで撮らせていただきました。

左側の作品:《夏の向こうのその向こう Beyond the beyond the summer》 2018 油彩・アクリル・キャンバス Oil, acrylic on canvas 181.8x227.3 作家蔵 

右側の作品 2018グランプリ作品《それが来るたびに跳ぶ 降り立つ地面 は跳ぶ前のそれとは異なっている We jump up everytime when it comes around, the ground

                you land is never the same as the one you were on before 》 2017 油彩・アクリル・キャンバス Oil, acrylic on canvas 194x162

 

 

続いて、阿部操さん。

淡い色彩で、それが会場では目立ちますが、日本の美人画の油彩版の風情

 左側の作品:《The summer vacation  》2018 油彩・キャンバス Oil on canvas 182x95 作家蔵

右側の作品 受賞作品:《The beautiful day  》2017 油彩・キャンバス Oil on canvas 190x136 作家蔵




最後は、井上ゆかりさんさんです。 

 並べると一つの作品ですが、3作品は一応、単独の作品。

左から《海岸 I Shore I 》 2017 油彩・キャンバス Oil on canvas 97x162 作家蔵
     《海岸Ⅱ Shore II 》  〃
   《海岸Ⅲ Shore III》    〃

 

 

 

 

 FACE2018優秀賞受賞作品と井上ゆかりさん。

 

 

 

 以上、個人の好みで取り上げ、紹介しました。 

作家の方々には、公平に紹介できていませんことを、お許しいただければと思います。

最後に、展示会場を出て、42階の窓から撮った、都会の夜景を。

 

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川田祐子展「霧と雪と氷への熱」を見て

2019年01月12日 | アート 現代美術

 1月11日(金)ギャラリー、博物館、美術館など4か所を巡りました。

まず、現代アート作家川田祐子(祐の字は示す編)の2年ぶりの個展から。

 

 

 ギャラリー砂翁は初めて行くギャラリーでしたが、日本橋三越デパートの近くで、

飲食店などが立ち並ぶ賑やかな通りから、ちょっと入った場所にありました。

 

 

 

 

 ギャラリー内に入ってすぐ左側の展示光景。

 

 

 

正面の展示光景。

 

 

 

 

右側の通りに面した壁面。

 

 

 

 入口側。 いかがでしょうか、全体として、すごく品のいい感じがします。

 

 

 

 

 

最新作です。

《泡雪の頃》  oil on precpared paper,2019



 

 

 部分拡大した画像です。

川田画家の作品は、部分を拡大しても、それだけで、単独の作品になるなーといつも思います。

 

 

 

 

 

 地階にも展示があります。 

 

 

 

 

 

 

 

左から

《輪花》oil on canvas,2017                                  《樹氷花》oil on canvas,2019                                                   《うたかた》oil on canvas,2018

 

 

 

 左から 

《ソラミミソウ》acrylic ink on paper,2018  (他の3作品も同じ) 《オリヅルソウ》       《マツリソウ》            《ミズナシソウ》


作風はどんどん変化していますが、細かな点や線で、ダイナミックなカタチを表現する川田画家の骨格は健在ですね。

会期は、18日までです。 お勧めします。


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ジャン=ポール グード展覧会を見て

2018年12月27日 | アート 現代美術

12月20日(木)東京・銀座でジャン=ポール グード展覧会を見てきました。 

フライヤーです。 

 

 

 

 

 

シャネルの銀座ビル、店舗の方は無縁なのですが、ネクサスホールで行われる展覧会には

随分、お世話になっています。 

さて、ジャン=ポール グードは初見です。 イラストレータから出発し、現在は総合的なアート作家。 楽しめました。


入口近くにあった《ソウルの女王陛下》 Paris 2005

朝鮮王朝の女王?・・・という頭の硬い詮索はやめて、全体が醸し出す雰囲気がいい。

 

 


 《ドローイングシリーズ》 Paris 1966-2018

 

 

 

《ポンピドゥーでの大舞踏会》 部分  Paris 2017

 

 

 

 《皆歌い、皆踊る》 multi-screen instalation  Paris  1990-2018

 

 

 




《Vanessa Paradis,for CoCo CHNEL》  Sketch,Photographic portrait    Paris 1993

 

 

 

 《Chris Lee and the spirrit of Coco Chanel》 Harper's Bazzar September 2015 issue    Paris 2015

 

 

 

中央の作品 《Blue-black in black on brown》 painted photo   New York, 1981  

 

 

 

左上《日本ツアーのためのポスタープロジェクト》1979        右上 《Libertango Costume》 1981

左下 《キュビストのグレイス》 1981               右下《Libertango Costume》 1981

 

 

 

 男性用フレグランスのCMポスターかな? インパクトはさすが。

 《エゴイスト プラチナム、シャネル》1994

 

 

 

 《Chance  CHANEL 》Storyboard 2018 

 

 

 

 

 《Rihanna》 London 2017

 

 

 

動画で、鳥かごの中のココ・シャネルが羽根がはえて飛び回ります。 鳥かごは、実物。

《Stomy Weather CHANEL》 2018

 

 

 

  

 

 

 会場風景

 

 

 

最後に、実物のバレエダンサーによるパフォーマンス

《Fire  CHANEL Fine Jewelry》

 

 

 

オペラを歌っています。 頭の宝冠と、手の珠から青白い炎(映像トリックですね)

マルガレータ~・・・という歌詞だけがわかりました。

 

 

 

 

 会場内をにこやかに移動するダンサー。 上下動がなく、すーっと水平移動!

思わず、係員に「電動車に乗っているのですか?」と尋ねました。

「いいえ、足を細かくステップしています。」とお答え!

 

 

 

 

 ダンサーが、ときたま、ドレスを浮かせて、足先を見せてくれます。 確かに機具は使っていない!

 

 

 

 

 かなり近寄ってこられ、微笑みかけ られるので、暗いのですがアップで撮らせていただきました。

 

 

 

 

  

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 観客に珠を握らせているところ。

 

 

 

 

  

 




最後に、主催者のメッセージを紹介して終わります。

 


 

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韓国・ソウル アート巡り その5#2 韓国国立現代美術館果川館、ソウル大公園など

2018年12月15日 | アート 現代美術

韓国国立現代美術館 果川館の続編です。

《MMCA所蔵作品特別展;近代を彩った絵》

韓国国立現代美術館(MMCA)の所蔵作品で、近現代の韓国を代表する作家の傑作150余点

が展示されていました。

余談ですが、観覧料は無料、寄贈作品特別展も無料でした。 韓国の国立美術館や博物館は、無料

のケースが多く、リーズナブルです。 文化興隆の国策の一環でしょうか。




1900年代の初期の作品からいくつかピックアップ。

日本画の雰囲気を感じる作品。 日本の統治の影響が、文化面でも顕れています。

しかし、そのことが、1970~80年代にかけて、韓国美術界において、彩色画が日帝残滓として

排除されていくことになります。 芸術の世界は、そうした遺恨を昇華するところに意義がある

と私は思うのですが。




油彩の作品が出てくるのは、1930年あたりから。





会場光景




ナ・ヘソㇰ 《Dancers》 1940 油彩、キャンバス

 なぜか気になる作品で、キャプションを読むと、韓国で最初の女性西洋画家とある。

今回、ブログを書くにあたって調べてみた。 

ナ・ヘソク(羅蕙錫 1896年~1948年) 

裕福な名家に生まれ、1913年に日本の東京女子美術学校に留学し油絵を学んでいる。 そのとき、雑誌『青鞜』などを読み
平塚らいてうなどの女性解放思想を知る。 一方、在学中に同じ韓国人留学生で詩人の崔承九と恋愛(といっても既婚者で、
1916年に肺病で世を去る)  その頃、民族主義的影響を受ける。
1918年女子美卒業。帰国
1919年独立運動に参加、5ヶ月間投獄された。
1920年 弁護士金雨英と結婚
1918~1921年 新聞、女性雑誌、文芸誌などに絵と文を発表し、活躍
1922~1926年 朝鮮美術展覧会で特選となるなど、画家としての黄金時代。
1927~1929年 3人の幼い子どもを姑に預け、夫と欧米旅行、夫は英、独で勉強、ヘソクはパリの画室へ通い、女性運動も展開。
        韓国天道教指導者で、欧米視察中の崔麟とナソクが恋に落ちる。
1930年 恋沙汰が問題となり、離婚。 子供を置いたまま家を追い出され、崔麟からも棄てられる。
1935年 個展 社会的に冷たい反応。
1937~1945年 お寺(修徳寺)近所の旅館で生活。子供にも会えず、ノイローゼと半身不随で苦しむ。
1945年 知人のはからいで養老院生活、家出
1948年 ソウル私立慈済院無縁者病棟で死亡

 波乱万丈の人生で、晩年は不遇で孤独の中に死去しています。 この絵は、1940年制作。

絵からは、強い個性を感じます。



 


農村の田植えなどの光景が、ゆったり、軽やかに描かれている。 構図も面白い。

 



1950年になると、この年に勃発した朝鮮戦争の影響が出てきます。




イ・ジュンソㇷ゚は、2年前、徳寿宮館で開催された特別展を見ていたので知っていました。

日本人の奥さんと二人の子供を愛していたのですが、戦争の影響で、妻と子供を日本に帰

した後、苦難の生活の中、病死しています。 この絵は、まだ家族と一緒に暮らしていた

時のもの。

 



 


1953年に休戦が成立。 板門店を描いた絵です。 作者は寄贈作品特別展でも紹介したピョン・ウォリョン。





この絵は、捕虜の送還がテーマ。 上の絵と同じ作者ですが、作者は現場にいたのだろうか?




会場光景

    





















美人画のような、劇画イラストのような面白い絵。





写真も当時の状況が反映されています。











上の写真から、抜粋

 


 


水汲みも大変な仕事だった。















千鏡子(チュン・キュンジャ)の1968年の作品。 映画スターのグレタ・ガルボを描いたと

記されています。 

私は、前日、ソウル市立美術館にいって、千鏡子の常設展を見てきました。 日本の女子美大を卒業した方で

強い色彩と強い線、独特な女性の描き方が強く印象に残っています。

この絵も、幻想的な雰囲気と色使いがいい感じです。

ただ、この記事を書くときにWebサイトで調べると、1991年の韓国現代美術館の千鏡子企画展に、作家本人が

贋作だと指摘した美人図の撤去を要請したが、美術館は真作だと言い張り、以来、20数年にわたり、裁判沙汰になり、

2016年に韓国検察当局が真作と判定し、不起訴処分になった事実を知りました。

作家本人が贋作と指摘しているのに、真作と言い張る美術館に驚き。




この美術館では、展示会場の外側・回廊部分の壁面にもいい作品が展示してあります。





日本でも著名なリー・ウーファンの作品






 
















タイトルが上《6月25日以前の金さんの家族》、下《6月25日以後の金さんの家族》

?と思って調べると、6月25日は朝鮮戦争が勃発した日でした。

 




タイトルは《韓国近代史ー金剛》と読めます。

金剛山から、怒りと悲しみと苦難のマグマが流れ落ちているように見えました。 





鑑賞を終えて、今朝コーヒーを飲んだカフェテリアでランチ。 きしめんのようなスパゲティがおいしかった。

 

 



次はソウル市内の三星美術館LEEUMに行くことにし、歩いて地下鉄大公園駅に向かいました。

黄色い制服を着た園児たちの野外授業かな?

 

 



果川貯水池の秋の景色が美しい。

 

 

 

 

 池の周りで、西洋系の子供たちが遊んでいました。

 

 

 

 ソウル市内の地下鉄漢江鎮駅から歩いて、三星美術館LEEUMに行く途中、彫像と紅葉をパシャ。

 

 

 

 三星美術館LEEUMでは館内撮影は禁止ですが、一か所撮影OKな場所で、天井のミラーを利用して自撮り。

オラファー・エリアソン 《重力の階段》2014  の中から

 

 

 

 

 この美術館の古美術、なかでも陶磁器は本当に素晴らしい。 

鑑賞を終えて、デッキテラスを撮影。

 

 

 

夕食は、ソウル初日に行った、乙支路3街の「トンウォンチッ 」へ

 

 

 

 夕5時半頃で、一人で食事をしている客が多かった。

 

 

 

 注文したのはスンデクッ。 豚の腸に詰め物をしたもの。 何を詰めているかは知らない方がいいかも。

 

 

 

 食事を終えて店の外から通りを撮影。  この通りが、もう1時間ほどすると、テーブル席で溢れ、野外居酒屋と化します。

 

 

 

 日中、このあたりは道具屋街のようです。

 

 

 

 

 せっかくなので、ノガリ横丁といわれる、この通りの名物、ノガリ(たらの幼魚の干物)を注文してみました。

私的には、少しパサパサしていて、イマイチでしたが、地元で、小さい時から食べ慣れていると、病みつきに

なる味なのでしょう。

 

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