光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

トム・サックス ティーセレモニー展を見て #1 茶道具作品

2019年06月06日 | アート 現代美術

なんと、面白い展覧会! 

現代美術家(建築家)トム・サックスの「茶の湯」を表現した道具等の一切が作品。

訪れた日(6月2日)のイベントとしてトム・サックスに茶の湯を指導したジョニー・フォグ氏が

会場で選ばれた(抽選)3人の客と、実際のティーセレモニーを行ったのが、凄く良かった。!

 (関係ない話ですが、トム・サックスって、映画スターみたいな名前でカッコイイ)

このフライヤーをご覧ください。

kabuto》と題された作品です。 みれば、兜と分かりますよね。でも、その素材は

ヘルメット、スチレンボード、パラコード、ファイバーグラス、エポキシ樹脂、ミクストメディア

ヘッドホンやハタキも・・・・これから紹介する茶道具類も、すべてこんな感じで手作りされています。



では、早速、会場へ

一瞬、石碑? 実は、段ボールを接着剤でくっつけて制作したもので、イサム・ノグチの彫刻を再現したもの。(実物の展示は難しかったようだ)

トム・サックスは、イサム・ノグチが残した『古い伝統の真の発展』という言葉に、とても共感していて、このティーセレモニー展での、重要な

コンセプトになっている。

 《Narrow Gate》2018    段ボール、エポキシ樹脂


裏側から(6月8日撮影で、6月14日に追加しました)

 

この《Narrow Gate》の奥の左側が、「HISTORICAL TEA ROOM」で、トムのこれまでの作品(一部)が展示されている。

また、右側のトタン板の門は、「OUTER GARDEN」の入口で、「外露地」の入口にあたるもの。
 

では「HISTORICAL TEA ROOM」に入りましょう。

ロブスター!・・・茶の湯との関係は不明ですが、明治工芸の自在置物風なものまで作るんだ。 

奥には、茶釜などが収まった水屋が見えます。




掛軸も。  結構、さまになってます。  (この写真は6月8日撮影で、6月9日に追加したもの)

 

掛軸のキャプション《Untitled》2019 梱包用ブランケット、ベルベット、キャンバス、ベスト、ナイロンウェビング、パラコード、セラミックス、重り、箒の柄


      
太刀とスピーカ(太刀台?)
スピーカの銘板には「セアラー」と書かれていますが、意味は分かりませんでした。
太刀(外見だけだと思います)の柄の先端のペンダントは、なんと”キティちゃん”です。 


Sarah》2014 ミクストメディア
                                       

 



フライヤでも紹介した兜

《kabuto》2015



この写真は6月8日撮影で、6月9日に追加したもの。



Shoburo》 茶道をやっている方は、初風炉で分かるようですね。

私は、宇宙探査機”隼”を思い浮かべました。

一通り、茶の湯の道具が揃っています。

右下のPEZと記されたものは、チェリーキャンデ―で、お菓子です。  あれ、ヨーダがいる!(私はスターウォーズは観ていないのですが)  

Shoburo》2012  Con Ed社仕様柵、厚紙、エポキシ樹脂


水屋  笑顔の茶釜がかわいい。

《Mizuya Back Up Unit》2014 合板、ラテックス塗装、スチール製金物、ミクストメディア


水屋の各パート(一部)をご覧ください。

ヨーダ棒とPEZキャンデー  ティーパーティ実演の際には、このヨーダ棒を使って客にキャンデーを渡しているようでした。




茶入れと書かれています。 前後に見える装置が?ですが、ライトか乾燥のための送風機か?



水屋の側面。  ローラーボードに書かれている文字は、トム・サックスの自筆だと思います。



NASAのロゴ入り茶碗。  手ひねりで作っているようです。 でも、金継ぎは、塗っただけに見えますが。(割れてはなかった?)
この写真は6月8日撮影で、6月9日に追加したもの)

《Alabaster Cream》2018 陶製タイル、磁器、白釉、NASAの赤色を象嵌した白化粧土、金彩、金継ぎ



さて、NASAとか、宇宙探査機のような”初風炉”だとか、宇宙に関係したアイコンが出てきますが、その理由はこうです。

【カーサブルータスのWebサイトから引用】

”2012年『スペース・プログラム : MARS』展(パークアヴェニュー・アーモリー/ニューヨーク)を礎としている。

トムの数あるフェティシズムのひとつである「スペース・プログラム」が火星探査に赴き、過酷なミッションをこなす

宇宙飛行士たちが日本の伝統的な茶の湯を行うことでストレスを緩和させるという展示とデモンストレーションだ。

その後「ティーセレモニー」の部分だけを発展させ、2016年にニューヨークの〈イサム・ノグチ美術館〉で同タイトル

の展覧会が開催された。”


2012年の『スペース・プログラム : MARS』展の画像が、Webサイトにありましたので、転載します。




最初は、宇宙飛行士のレクリエーションとしての、ティーセレモニーだったんだ。 それにしても、凄い発想!

トム・サックスが2012年から、本格的に茶道を始めたのも、このためだったのかな。 また、NASAとのコラボ

後で出てきますがスポーツ用品のナイキとのコラボなど、有名どころとコラボができるところは、並の作家では

ありませんね

次は、実演の紹介ですが、一旦、区切って次回にさせていただきます。



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