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光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

韓国・ソウル アート巡り その5#1  国立現代美術館果川館、ソウル大公園など

2018年12月04日 | アート 現代美術

  2018年10月17日(水) 国立現代美術館果川館に行くため、ホテルから地下鉄で約40分の

大公園駅に到着、地上に出ると、すがすがしい秋の景色。     朝9:56

 

 

 

 

公園内を4,5分歩いてゾウ列車(電気バスで、結構速い)の駅に行き、3,4分で国立現代美術館果川館に。

野外彫刻場にいくつか作品が。 このロボットのような彫刻、新宿のオペラシティにもありますね。

 

 

 

 

国立現代美術館果川館の建物。 韓国の昔の城壁と烽火台をイメージして設計されたそうだ。

 

 

 

 展示内容の垂れ幕です。 右から二つ目の企画展は、翌日からの開催でした。残念。

 

 

 

ミュージアム1階のカフェテリア。 この時はガランとしていましたが、昼食で来たときは、ほぼ満員。

御婦人が9割近くいて、教育熱心な若いママなのか、小さな子連れの方などが多かった。

日本の美術館と、客層がかなり違う。   

 

 



中央ドーム内に設置されている 白南準の『多多益善』(1988)。

1003台のテレビでつくられた塔です。 でも、2年前に来たときは、画面が映っていましたが、今は、すべて電源OFFの状態。

設置から30年も経てば、故障するのは無理もないかな。 しかし、映っていない方が、作品としての魅力があると感じたのは不思議です。

なお、韓国国立現代美術館では、基本的に撮影OKなので嬉しい。


2016.6.29のブログ記事から、この塔の写真を抜粋。 




それでは、2階円形展示室で展示されていた《寄贈作品特別展;2010-2018》から紹介します。

〈展示の趣旨(同館のWebサイトより)〉

 国立現代美術館が2010年以降に寄贈を受けた作品のうち、未公開作品と展示機会があまりなかった作品を

中心に紹介することで、寄贈の意味と価値を振り返る展示です。・・・中略

国立現代美術館の寄贈作品は現在(2018.4)、所蔵作品8140点の46%、3765点で、2010年以降の受贈作品は

810余点。・・・中略

自身の芸術世界を追求して人生を捧げた大切な作品を快く寄贈してくださった作家及び寄贈者の方々に、本展を

通じて改めて感謝の気持ちを伝え、寄贈者の大切な意思を多くの美術愛好家に広く知らしめ、今後も寄贈文化が

更に活性化することを期待しています。   以上

 


この作品、一見イラストかなと思ったのですが、よく見ると刺繍の作品です。

子供のイタヅラ描きのような面白さがあるのですが、テーマは怖いようです。





ツツジが生き生きと描かれている。  ピョン・ウォリョン 1954年作





同じ作者の山岳風景図  爽やかな感じがいい





2003年の作品  ジョㇺ・ワンキュ





ここで、小学生くらいの団体見学に会いました。  韓国の文化施設では、子供達の団体見学に会わない日はありません。





解説文がよく分からないのですが、迫力があります。





この写真は素朴ですが、なかなか味のある写真でした。

朴景利さんという韓国の女性小説家を撮ったもの。

陸明心(ユク・ミョンシン)  《朴景利(Portrait of Artists Series)》




 

 チェ・ケボク 《 二人の女性(水原)》  キャプチャーのNo.15の作品





ぎこちなさを感じる写真ですが、それが面白い。




ミラーを利用した無限写真かなと思ったら、違いますね。 手前から奥3番目までの女性モデルはそれぞれ6人のモデル達。

その奥は、縮小コピーのようです。 面白い。

卵多(ナンダ) 《コーヒービーン》





普通の母娘の写真ですが、じっと見入りました。





11分ほどのビデオ作品です。 意味は分かりませんでしたが、映像は綺麗でした。

           

以上、寄贈作品特別展でした。

多種多様な作品があり、楽しめました。

次は、《MMCA所蔵品特別展;近代を彩った絵》ですが、ブログ記事容量をオーバーしたので、分割して次の記事に。 

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前田昌良 新作展 -ひそやかな一歩ー

2018年11月29日 | アート 現代美術

 「 前田昌良 新作展 -ひそやかな一歩ー」

に行ってきました。(11月26日(月))

 私が通っている絵画教室の先生の作品展で、昨年6月以来の個展です。 

 案内状の表裏を、ポスターとして入り口に掲げていました。

絵と立体がマッチしていい雰囲気です。

 

 

 

 会場内の展示状況です。

     正面の絵    《塔のある街》 F6 油彩/キャンバス 2018年

     右の立体作品  《ひそやかな一歩 Ⅰ》 17cm  2018年

なお、今回の写真は、部屋の照明等で、ベージュっぽい色になっています。 いつもは自然光に近づけるよう補整するのですが

今回は、このままでも雰囲気がいいので、色補整はほとんどしていません。



正面奥の、絵画と立体作品が並んだコーナー


 



今回のテーマである”ひそやかな一歩” には三つのバージョンがあります。

それぞれに古色がでて、面白い雰囲気です。

 


 


 第2バージョン《ひそやかな一歩 Ⅱ》  20cm  2018年

 


 

 

第3バージョン 

 

 



 左の作品 《聖堂―2》 F0 油彩/キャンバス  2018    右は既出の《塔のある街》

 



《聖堂―2》のクローズアップ



左の作品 《聖堂-3》 と右の作品 《星を運ぶ船-6》

バージョン番号が示す通り、それぞれ、シリーズ作品です。

 

 

 

 

《星を運ぶ船-6》のクローズアップ。  6号変形  油彩キャンバス 2018





星を運ぶ船の立体作品 

 




左 《ささやかな願いのための小さな祭壇》 2018年

右 《星を運ぶ船-5》 F6  油彩キャンバス 2018 



《ささやかな願いのための小さな祭壇》をクローズアップ


 



左 《坂道のある風景》 P8  油彩/キャンバス 2018

右 《夜のしじま》 F6 油彩/キャンバス 2018 

  ※ 壁面に砂の層のようなモアレ現象がおきていますが、カメラ撮影上の現象で実際には普通の壁面です。




《湖に続く道―2》P4 油彩/キャンバス 2018





左 《星を運ぶ舟―2》P6油彩/キャンバス 2018

右   《湖に続く道―1》P4 油彩/キャンバス 2018



 


《ヤマボウシの花の咲く頃》 F20 油彩/キャンバス  2018



 


立体作品

《羽ばたく天使》 2018




《いつか花は散る》 2018年



逆さにすると、花が回転しながら落ちていきます。 



 高い工作精度がないと、こんなに回転しながら花は落ちないので、その技にも驚き。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


最近の現代美術は、映像やインスタレーション作品が多く、見る私にとっては面倒くさくて、疲れることが多い。

もちろん、それなりのインパクトはあるのですが。  その点、この展覧会の作品は、ストレートに心に入ってきます。

また、小さな針がね仕掛けで可愛らしい動きをしたり、見て楽しい作品が多い。 立体作品の人形の表情も独特で、アート

を感じます。 おすすめの作品展です。

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韓国・ソウル アート巡り その3 韓国国立現代美術館ソウル館《今年の作家賞2018展、尹亨根:RETROSPECTIVE》

2018年11月08日 | アート 現代美術

 韓国国立現代美術館ソウル館の続きです。

◆「今年の作家賞2018」と題して、受賞した4人の作家展と

◆ 単色画作家、尹亨根(ユン・ヒョングン)の回顧展

を紹介します。

  玄関ロビ-から展示室に続く通路です。 ガラス壁面には「今年の作家賞2018」のポスターデザインが描かれています。

 

 

  

 では、「今年の作家賞2018」について

以下の『 』 の内容は、このブログをつくるため、韓国国立現代美術館のサイトから、解説文を読んで私的に要約したものです。

鑑賞時は、こうした予備知識は無しで見たので、??の連続でしたが、解説を読んで、なるほどと、うなずくところ多しです。


『今年の作家賞 Korea Artist Prizeは、韓国の国立現代美術館とSBS文化財団が2012年から

 ①展示空間と制作支援

 ②国内外の専門家及び幅広い観者を対象とした広報支援

 をしているプログラムで、毎年4人の後援作家を選定して、新作支援のための費用と機会を提供し、国立現代美術館で展示を開催。

 その後、国際的な美術専門家で構成された委員の審査を経て、最終受賞者1人を表彰。

 ・・・・ 賞という単語よりも、「今年」と「作家」を重要と考えるべきだ。・・・』


 では、今年の作家の4人の作品タイトルを見ていきます。

鄭恩瑛(ジョン・ウニョン 1974~) 

 

 

 

 丘ミン子(ク・ミンジャ 1977~)   ※名前のミン:日偏に文という漢字がPCにないため、カタカナで表記

 

 

 

 

 鄭載ホ(ジョン・ジェホ 1971~)  ※名前のホ:音偏に護の右側という漢字がPCにないため、カタカナで表記 

 

 

 

 王仁コレクティブ(金華用、李庭ミン、陳是友/2009年結成) 



 

では、展示状況と作品解説を


『何が、どのように、同時代の芸術となるのか? 鄭恩瑛(ジョン・ウニョン 1974~)の〈猶予劇場〉と〈保留されたアーカイブ〉 

1950年代に大衆的人気を享受したものの、伝統劇としても、現代劇としても認められずに忘れ去られていた 

公演演劇ジャンルである女性国劇を取り上げています。・・・・ 女性国劇の本質的正当性を見つけて回復させるというよりは 

より、変則的でクィアな芸術実践の政治的な力を強調している。』

 

 

 

 日本語の字幕もあり、しばらく見ていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 壁面のビデオでは、若者がパフォーマンスをしている映像、・・・よくわかりませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本でいえば宝塚歌劇団が、新国劇をやるようなものかな? などと思いつつ見ましたが

作者の意図などは、解説を読んでも、よくわかりませんでした。 ただ、映像はクッキリとして美しく、引き込まれるものがありました。

 

 

 

  一日を二回生きることができるのか?文明が自然に介入すると、どのような状況が起きるのか? 

丘ミン子(ク・ミンジャ 1977~) <前日の島、明日の島>

フィジーのタベウニは、日付変更線上にあり、日付変更線の東は今日だが、西に一歩でも行けば昨日となる。

<前日の島、明日の島>では、作家と知人が、日付変更線の両側で24時間を過ごし、一日を二回生きることができるのか?と問いかけ、

私達が当たり前に信じている多くのことが実は人間によって任意に作られたもので、他の文化圏では全く異なって認識されることがある。・・・

  

 鑑賞した時、何だろう?という疑問が解けぬままでした。上記のような作品解説を読んで、状況はわかったけど

作品からは、何を表現したいのかが、よくわかりませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会場入口では、作家の作品制作過程でのコメントなどを、ビデオで上映していました。  ↓丘ミン子

 




次の作家の展示は地階。階段を下りていく途中にも、映像が映し出されていました。

 

 

 

 『その時代、少年少女たちはなぜ科学技術のユートピアを夢見たのか。

 鄭載ホ(ジョン・ジェホ 1971~)は、国家主導の急速な経済成長のなかで繁栄と発展、つまり近代化の象徴だった都市裏側に関心を持っています。赤い十字架で埋め尽くされたソウルの夜景、衰退した仁川チャイナタウンの風景、かつては西洋生活様式の見本と崇められていたのに撤去の危機に瀕している1960~70年代の示範アパート団地などを介して、近代都市と建築への関心を発展させてきました。 作家は国が発展途上国の国民皆が科学技術の発展が実現する明るい未来を夢見るように「推奨」したという事実に注目しました。 乙支路、鐘路など都心に位置する当時の建物の表面を記録し、同じ時期に発刊された政府刊行物や空想科学漫画、新聞記事などに登場する画像資料を探して絵として新たなアーカイブを構成します。最後に、空想科学漫画<凸凹発明王>の主人公が、結局は失敗したものの月世界旅行のために作ったロケットを制作します。当時の政府記録写真、映画や漫画など大衆文化のなかに残された画像を作家の方法で描いたアーカイブ絵画連作によって、全体を強調した国家主義文化のなかで、個々人に刻み込まれた特定の考え方や視点を露わにします。作家が10代の娘たちとの会話で、「宇宙探検」も「天才科学者」になることも、もはや今の時代の少年少女の夢ではないという事実の前に、逆説的に「すべての少年少女の夢が月世界旅行だった時代」が持つ不自然さについて考えます。空想科学漫画の一場面のような鄭載ホの絵画は、経済成長が止まり、経済危機を経験した後に起きた社会的価値観の変化、つまり不可能なことを夢見た時代から、可能なことを夢見る時代への転換についての冷徹な記録でもあります。鄭載ホは、絵画に移すための画像を探す過程で、都市を歩き、関連資料を探す研究者の態度をとります。本展では、これまで撮影した作品のための写真資料アーカイブが観者に初めて公開されます。』

 

このビルは、解説文にある、かって西洋生活様式の見本としてあがめられたビルかな?

老朽化が目立ちますが、しかし、デザインは洒落ている。 写真ではなく、手描きで制作しているので、味があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、解説文にある月世界旅行のためのロケットか。 右下にゴジラのフィギュアがある。

 

 

 

 月世界の想定図か、普段着と頭部を覆うカプセルが、皮肉かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 当時の資料にもとづいたアーカイブ絵画連作。

 

 

 

 




一部を拡大。

 

 

 

 

 鄭載ホ(ジョン・ジェホ 1971~)氏です。 作品制作過程でのコメントなどのビデオから

 

 

 

 

 

 

 次は、王仁コレクティブの〈外から〉ですが、広い部屋に映像が4、5か所あって、内容もよくわからないので、写真撮っただけで通り抜けました。

 

 

 

 

 

 展示室4をでると、地階と1,2階が吹き抜けになっているホールになります。

 

 

 

 

 このホールの壁面に、棒グラフのような作品が架かっていました。

 

 

 

 カメラを右に回すと、ここは以前、ソウル ボックスと名付けられた特別展示コーナだったはずだけど、なくなったようです。

 

 

 

 さて、このホールに続いた場所で展示されていた、尹亨根(ユン・ヒョングン)の回顧展です。

 

 若い頃の作品から、順に通路に並んでいます。両サイドには、年譜が記されていました。

 

 

 

 最初のケースに入った作品。 1962年の制作年が入った作品など。

 

 

 

 

 個性がでてきた頃か。

 

 単色画になってきている。

昨年、東京オペラシティアートギャラリーであった「単色のリズム、韓国の抽象」(2017/10/14~12/24)

を見たのですが、李禹煥などの、多くの作品が展示されていましたが、尹亨根の名前の作品はありませんでした。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 尹亨根のアトリエの写真。

 

 

 

 展示室内には、大型の作品が並んでいました。 そのうちのひとつです。


 以上でソウル館での鑑賞を終え、昼食後、三清洞を歩いて、ソウル市立美術館に向かいました。 

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韓国・ソウル アート巡り その2 韓国国立現代美術館ソウル館《崔正花ー花、森》展

2018年10月29日 | アート 現代美術

 10月16日(火)朝10時20分、韓国国立現代美術館 ソウル館に着きました。

おー、中庭に巨大なハリセンボンのようなインスタレーション作品。  (作家 崔正花)

 

 

 

これは、帰るときに撮ったものですが、ハリセンボンの針は、バケツや鍋、ヤカン、コップなど身の回りにある容器類でできている!

 

 

 

 

 



企画展《 崔正花-花、森》の案内です。    ※韓国国立現代美術館のサイトより

 

 

 

 本館地階の展示会場入口です。 壁にハングル文字で 花 Blooming 森 Matrixと記されています。 右側のカラフルなインスタレーションは別作品

 


右側のインスタレーション作品のキャプションです。 

 

 

 

 早速中に入ります。 いろんな”塔”の林立。 一つの”塔”が花で、その林立を森と見立てているようです。

 

 

 中央の四角い箱を積み重ねたものは何? 枕にしては小さいし、吉兆模様の薬箱か・・・・勝手な想像

 

 


周期的に照明が暗くなり、中の”花”が点灯します。

 

 


奥の方の”花”の下には、鏡面(金属板)が敷かれてます。


 


壁にも鏡面。 この鏡面が、緩やかにうねっているので、面白い映りになっています。

 



鏡面を撮影。 天井パネルの格子が、なんとも複雑で面白い模様!

 




 

 

 

 抽象画のような模様の美しさ! 作者も意図して鏡面を設置したのでしょう。

 

 


こちらは、先ほどの”森”とは、背中合わせになった”森”の作品。

 

 

 会場の外に、フライヤにあったメインヴィジュアルの”花(塔)”が。 そして壁面のビデオでは、作品の制作過程などを映し出していました。

 



”花”の素材は、廃品を回収して作っていたんだ・・・納得。 

 

 

 

  

 回収した素材を丁寧に磨いている。(右画面)  左画面の人物が作者:崔正花氏です。

 



 




右画面:美術館中庭での設置作業

 

 

 

  

 

 同じく会場の外では、子供向けの、”花”の素材と遊ぶコーナが。

ここ以外にも、いっぱい児童が訪れていましたが、日本の現代美術館では見れない光景。 韓国では小さいうちから

現代美術も含めて、芸術や歴史文化に、じかに触れさせる教育が浸透している。

 

 

今回の展示で思い出したのが、昨年(2017年)10月、京都で見た、『東アジア文化都市2017京都 アジア回廊 現代美術展』の展示。

京都・二条城を主会場に展開された作品のなかに、崔正花の作品があった。 ↓です。(奥のミロのビーナス風の作品は草間彌生の作品)

二条城の台所にあたる建物に立て置かれた作品は、お寺の本尊周囲の燈明台を思わす雰囲気で、よく合っていました。 

  

 

韓国では、2016年に行った世界遺産の旅でも、たびたび石塔(国宝を含む)に出会いました。

”塔”は、昔から多くの人々が、尊いものとして敬う土壌があるように思えます。

崔正花の作品は、この”塔”をポップな形で、または現代美術の薬味をかけて表現していて、とても面白いと思いました。 

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北川宏人展-WOMENー

2018年10月09日 | アート 現代美術

「北川宏人展ーWOMENー」 日本橋高島屋本館 美術画廊X  9月19日〜10月8日
 

  9月29日(土)小雨が降るなか、高島屋の新館オープンで混雑する新館を横目に、本館美術画廊の「北川宏人展」に行ってきました。

 展示光景です。 奥の2体は等身大で高さは165cm。

 

 

 

右端の像が、高さ64cm、壁に5体並んだ像が高さ48cmです。

 

 

 

会場入り口に掲げてあった作家のコメントです。

 

 

 

私が北川作品を初めて見たのは、東京国立近代美術館 工芸館(2013年8月12日のブログ)で、初見でグッときました。

その時の写真を再掲します。   

  

 

 

 

 

 

 

今回の展示に戻ります。 直立ポーズながら、緩やかなウネリがあって、美しさを感じます。

作品No.1 「TU1802」 セラミック、釉薬
(作品タイトル数字は私の分析では、最初の二けたが制作年で、次の数字が制作順の番号だと思います。
 以前は日本語の副題も併記していましたが、今はないようです。)

 

 

 

以前のアクリル彩色に比べると、陶器を感じさせます。

シンプルなファッションには、合いますね。

 

 

 

顔部分の拡大。  何かを思っているような表情が堪らない。

 

 

 

  

頭髪部と顔面の境や肩部分に細い溝がみえます。 パーツを分けて焼成し、接合しているんですね。

 

 

 

『TU1812』   手書きの服の絵が面白い。                              『TU1807』         

   

 

 

 

 左の二つは女性拳闘士?  右端の作品は後半で拡大して紹介。

『TU1811』                               『TU1804』                            『TU1805』

 

 

 

 

 

 

 

 等身大の2体です。右側『TU1808』、左側『TU1809』

 

 

 

 

 顔の皮膚などの素地が素晴らしく、セラミック焼成というのが信じられない。

 

  

 

 

マイベストは、この作品です。 ポーズと表情がなんとも言えません。

 

 

 

 

 

 

 

 こんなスレンダーな脚線の女性は、現実にはいないと思うのですが、でもおかしいという気は全くしません。

 

 

 

 後ろに回した手と、しなやかに反る上半身と下半身のポーズが、素晴らしい。

 

 

 

 

この2体はヌード。  女性の体の皮膚が、痛々しく見えるのですが、あえて狙って作ったのかな?

『TU1806』                                                   『TU1810』 

 

 

 

 

 

表情は魅力があります。

 

 

 

 

 こちらは、ブロンズ像のような質感。 彩色作品は聖と俗が絶妙に混ざり合っているのですが、こちらは

俗の部分がなくなって、私にとっては、少し面白味に欠けます。

『TU1803』

 

 

 

 前半に紹介した、壁に並ぶ3体の像の右端の作品です。

『TU1805』

 

 

 

 頭部を近くから撮影。

 

 

 

 顔の部分を拡大。 セラミック焼成の地肌が、いいマチエールになっています。

 

 

 

 

  

 北川宏人氏の主な経歴

 

 

 

主催者の高島屋の挨拶文 

 

 

 

 

 ここで、かなり飛躍しますが、北川宏人作品をみて、私の脳に浮かび上がってくる人像作品を紹介します。

古代中国の加彩女子俑(2013.6.18のブログから)

横から見たボディラインの反りは似ています。 そしてなんといっても顔の表情が、心をつかんで離しません。




灰陶俑の2体のスレンダーなボディ!






国宝 阿修羅像   スレンダーな体躯と、思いを秘めた表情にグッときます。

 

 

 

 

韓国の中央博物館でみた、ヒンズー教の神。(2015.5.15のブログ) 体をくびれさせているのが魅力のひとつです。

北川作品では、腰のくびれはありませんが、上半身と下半身とで、しなやかな反りがあり、魅力です。

 

 

 

 

東京国立博物館 東洋館に展示しているアプサラス像。(2013.11.10のブログ

踊りの姿態も魅力ですが、表情が堪らない魅力です。 北川作品の表情から感じる何かと、近いのです。


今回、北川作品を欲しいと思ったのですが、残念ながら私には値段の壁がありました。

等身大のもので、3百万超、65cmの像で90万円超、、48cmで60万円弱の価格です。

何点かは売約済みでした。


北川宏人展 東京展終了後、高島屋横浜店美術画廊(10月24日〜30日)へと巡回予定です。

横浜美術館と兼ねて、また行こうかと思っています。

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「モネ それからの100年」夜間特別鑑賞会にて # 2

2018年08月05日 | アート 現代美術

 第3章です。

 

 

 


福田美蘭の《モネの睡蓮》は、池に映る建造物や、箱庭のような狭い池、暗めのトーンに

皮肉を含んだ現代の睡蓮を感じます。   ※ 撮影は夜間特別鑑賞会として、主催者より、特別に許可を得たものです。

 

 左 福田美蘭 《モネの睡蓮》2002年        中央 湯浅克俊《Light garden #1》油性木版 2009年       右 水野勝規《horography》 ビデオ10分

 

 

中央の作品、湯浅克俊《Light garden #1》は、写真に見えますが木版画です! 近寄って見ると、細かい縦の線がビッシリです。

 

 

 

 

 

児玉麻緒の作品 左《SUIREN》2016年、 右 《IKEMONET》2015年

輪郭などに黒が多く使われ、力強さを感じさせます。

 

 

 

 

 

 

左 ロイ・リキテンスタイン《日本の橋のある睡蓮》1992年     右 ルイ・カーヌ《睡蓮》1993年

 

 

 

 

右側の作品 堂本尚郎《連鎖反応-クロード・モネに捧げる》2003年

この二つの作品、すごく親和性があって、並び見るのが気持ちいい。 仲を取り持つのはモネ。

 

 

 

続いては、モネの睡蓮を並べた部屋ですが、#1で紹介しましたので省略して、

第4章 フレームを超えて にいきます。

 

 

 

 第4章

 

  

 

 

鈴木理策の作品 上左《水鏡 14、VM-77》 上右《水鏡 14、VM-79》ともに2014年

         下《The Other Side of the Mirror》2014年

鈴木理策写真展「意識の流れ」(2015年開催)で見て以来、久し振りの再会。

 

 

 

 

当時は、モネとの関連など意識してなく、ただ美しいと思ったのです。

こうして、この会場で見ると、爽やかな雰囲気が実にマッチしていました。

 

 

 

 

サム・フランシスの作品 左 Simplicity(SEP80-68) 1980年     右 《無題(WC00956》1956年  

 

 

 

サム・フランシスの実物の作品を見るのは初めてで、特にこの《無題(WC00956》は、とても気に入りました。

水色が軽やかで美しい。 ※上の写真の右側を拡大していますので、鮮明さに欠けるのはご容赦を

 

 

 

福田美蘭 左 《睡蓮の池》2018年     右 《睡蓮の池 朝》2018年 

高層ビルのレストランからの光景を、日没後と夜明け後の連作としたもの。

窓ガラスに映るテーブルや照明などが、モネとの繋がりを思わせます。

写真のような細密画に見えますが、近くで見ると絵筆のタッチも粗めで、へー。

 

 

 

 フライヤに載っている、松本陽子(左)とモネ(右)の作品。

 

 

 

 床面は小野耕石の《波絵》2017年  中央の5作品は児玉靖枝の《深韻 水の系譜》シリーズ作品 2016年

 

 

 

 アンディ・ウォーホルの《花》が、最後に見送ってくれた作品になりました。

 

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「モネ それからの100年」夜間特別鑑賞会にて #1

2018年08月01日 | アート 現代美術

  7月14日(土)17:30から、「モネ それからの100年」夜間特別鑑賞会に参加しました。

モネには、今まで斜に構えていた私ですが、今回、その良さがわかり、加えて関連する現代美術も

堪能できた嬉しい夜になりました。

鑑賞会のフライヤーです。

 

鑑賞会に先立ち、横浜美術館の坂本恭子学芸員からミニレクチャーがあり、上記の見どころを分かりやすく説明していただきました。

では早速、展示会場へ。  ※夜間特別鑑賞会のため、特別に撮影許可がおりました。

 

展示会場の後半にあるモネの睡蓮作品のコーナを先に紹介。 

 

 

 

 

 

 

 左側が、今回のメインビジュアルの《睡蓮》1906年 ですが、照明の反射と撮影条件(作品の一点撮りは禁止)のため

鮮明さに欠けるのをご容赦願います。

 

 

 フライヤもよくできているので、それに沿って紹介します。


第1章

 

 

 

 

 

フライヤにあるモネ《ヴィレの風景》       右側は《ヴァランジュヴィルの風景》1882年                        

 

 

 

こちらは、フライヤにある丸山直文《puddle in the woods 5》2010年

モネとの関連は、有りそうで無さそうな。 

 

 

 

左がモネ《モンソー公園》1876年    右側は《サン=タドレスの断崖》1867年

実は、《モンソー公園》かなり前に、美術評論の本のなかで素晴らしさが述べられていましたが、図版を見てもピンとこなかったのです。

今回、実物を見て、マロニエの樹のみずみずしさにブルっときました。 この写真では伝えられませんが。

 

 

 

 上の右側の作品を斜め横から、2点撮りし、1点のみにトリミングしたものです。 キャプションも通常のものに

・・・・に注目!というカードで、技法上の特徴などを解説し、夏休みの子供達にも楽しんでもらえる工夫がされ

ています。

という

 

 

 

 

 

左側の作品は、モネ《わらぶき屋根の家》1879年、右側の《海辺の船》は、

ミニレクチャで坂本学芸員が、砂浜部分の拡大図を示して、抽象画と見まがうような

描きぶりを示していました。 

 

 

 

 

 

 フライヤにある中西夏之の《G/Z夏至・橋の上 To May VⅡ》1992年            同 《G/Z夏至・橋の上 3ZⅡ》1992年

 

 

 右側の作品のキャプションです。 中西は、絵筆に2mの棒をつけて、遠くから描いた!

 

 

 

 

 

 

ウィレム・デ・クーニングの作品  左 《風景の中の女》1966年  右《水》1970年

キャプション抜粋

”色彩と筆触の要素が前面に押し出されることによって、対象が形を失っていく傾向もまたモネの創造と共通している”

 

 

 

 

 

ルイ・カーヌの作品 左 《彩られた空気》 2008年   右《WORK8》2013年

左の作品は、感覚的に睡蓮の池がイメージできます。 でもこれ、細い網目の金網に描かれ、バックのスクリーンの上に浮かせているんですよ!

 

 

網目がわかるところまで拡大。  部分だけでも美しい。

 

 

 


堂本尚郎の作品(左)と岡崎乾二郎の作品(右)

 

 

 

 

 

 第2章

 

 

  

 

 

 

左  モネ《セーヌ河の日没、冬》1880年    右 《ヴェトゥイユ、水びたしの草原》1881年

 

 

 

 

フライヤにあるモーリス・ルイスの作品《ワイン》1958年 学芸員のミニレクチャでは、作品の上端部の色の重なりに注目とのことでした。

 

 

 

 

 

 左  モネ《ジヴェルニーの草原》1890年    右 《チャリング・クロス橋》1899年

 

 

 

 

 

これもチャリング・クロス橋を描いたもの。

 

 

 

 

マーク・ロスコの作品 左 《赤の中の黒》1958年   右 《ボトル・グリーンと深い赤》1958年

ロスコの作品は、好きではなかったのですが、右の作品はいいなーと初めて思いました。

 

 

 

 

 

フライヤにある《霧の中の太陽》1904年 

 

 

 

 

 対比するのは現代美術の巨匠ゲルハルト・リヒター

左 《アブストラクト・ペインティング(CR845-5)》   右 《アブストラクト・ペインティング(CR845-8)》 雰囲気いいなー。

 

 

 

 

 左 松本陽子《振動する風景的画面Ⅲ》1993年        右 根岸芳郎《91-3-8》1991年

 

 

 

 

水野勝規の《reflection》2012年  ビデオ画像で9分の作品 フライヤにあるとおり、刻々と水面の木立の陰影が変化します。

 

 

 

 

 しばらく鑑賞できるようソファーもあります。

 

 

 

 

 

 展示室間をつなぐ小空間。 暖簾も睡蓮。 

 

 長くなりましたので、ここから先は次回に。 

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「2018 クインテットⅣ-五つ星の作家たち」内覧会を見て (2/2)

2018年01月27日 | アート 現代美術

 

 

竹中美幸さんの展示コーナです。

 各作品は、現像した35mmフィルムを、縦または横に並べて配置したものになります。

 

 

 

 

 略歴と作家メッセージ

 

 

 

 

 

 

 竹中美幸さんのアーティストスピーチ

 

 

 

 

 

フィルムを直接、感光させ並べた作品。 面白い効果を出してますね。 (2月19日に追加したもの)


 


斜め横から近接撮影

 

 




 こちらは、水彩の作品。

 

 

 

 

 

水彩画の1cmほど上に透明板を被せ、板の内側に透明の樹脂のようなものを雨だれ的に貼り付けたもの。  樹脂の陰が水彩画に映り、面白い効果をあげている。

 

 

右下部分を、近接撮影。(2月19日に追加したもの)

 

 

 

青木恵美子さんの展示コーナ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青木恵美子さんのアーティストスピーチ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青木さんにとって、赤と青が根源的な色で、好んで使っているとのこと。

右側の作品は《 INFINITY 》 2017 アクリル・キャンバス 91x116.7

 

左側は《INNFITY Blue I No6 》2017 アクリル・キャンバス 53x65.2

 

 

 

 

 

 

 INFINITYシリーズでは、この作品が面白いと思い、側面と近接写真を撮ってみました。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

続いて、室井公美子さんのコーナ。

 

 



 

 

 

 

 

 

 

室井公美子さんのアーティストスピーチ

室井さんの作品は、こうして写真で見ると、いい感じなのですが、実物を近くで見たときは、それほど感じるものがないのです。

不思議です。  普通は、実物の良さを写真では表現できないものなのですが。 私の感覚がおかしいのでしょう。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

展示の紹介はこれで終わりです。

終わりといえば、開会式の挨拶で、五十嵐学芸課長が、クインテット展も第4回の今回で最後と述べていました。 

2014年の第1回展では、川田祐子さん、 2015年の第2回では、平体文枝さんという素晴らしい作家を知ることができましたが

来年以降、開催されないのは寂しい限り。  苦しい時期の中堅作家に光を当てる良い企画なので、発展的な取組を期待したい。

 

最後に、42階から撮った新宿駅東口の繁華街。 夜景なのですが、遊びでフィルタ処理をしています。

 

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「2018 クインテットⅣ-五つ星の作家たち」内覧会を見て (1/2)

2018年01月26日 | アート 現代美術

 「クインテットⅣ-五つ星の作家たち」内覧会にブロガー招待で行ってきました。
〔2018.1.12(金)16:00~18:00]

なお、会期最終日の2月18日に再訪し、一部追加しました。

 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 http://www.sjnk-museum.org/




開会式までの待ち時間に、会場の損保ジャパン日本興亜本社ビル42階の窓から、都心を撮影。
スカイツリーは陽が当たって、白く見えます。

 

 

 

 

 

新国立競技場のあたりを望遠で。 突貫工事の感じですね。

 

 

 

 

開会式。 演壇で挨拶する、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館の中島館長

その左に今回の5人の作家。前列右から青木恵美子、竹中美幸、田中みぎわ

後列右から船井美佐、室井公美子の各作家。(敬称略) 

なお、今回のクインテットⅣ展のテーマは「具象と抽象の狭間」です。

 

 

 

 最初は、船井美佐さんの作品展示です。

展示室入口前にも、ウサギのインスタレーション作品がおいてあります。 クインテット展でインスタレーション作品は初めてのようです。

 

 

 

 

作家の略歴とメッセージを読むと、作品を見たときに頷くものがありました。

 

 

 

 

 

 

 船井さんのの初期の作品。

左から《 nirvana Nirvana 》 2003 エナメル・アクリル・アクリル板 直径25x厚0.5(x3) 

   《 metamorphose 芽鹿 Metamorphose:Bud deer 》 2007 顔料・膠・和紙 29.7x21

   《 ひつじのみるゆめ Sheep's dreams  2007 顔料・膠・和紙・パネル 41x41

   《 metamorphoseと桃源郷 Metamorphose and Utopia  2007 顔料・膠・和紙 41x60.6 

    《 nirvana 猫椿 Nirvana:Camellia cat  2007 顔料・膠・和紙 65.2x65.2


 

 

 メッセージに述べられていた楽園と境界をタイトルにした作品。

 動植物や、古代インドの神話の神々、はたまた、生殖器官の解剖図にも見えたり、主体はシンプルな線描ですが、複雑なイメージがわきます。

 

 

 

 

 

 

大きな円形ミラーと、木のインスタレーションが一体となった作品。

 

 

インスタレーション作品は好きではないのですが、この作品は面白いと思いました。

 

 

 

床に映るミラーの反射も面白い。

 

 

 

 

 

 

船井美佐さんのアーティストスピーチ

 

 

 

 

 ブログを書いているときに気が付いたのですが、右下に落款印、左下にも落款があり、日本画の伝統も受け継いでいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 続いて、田中みぎわさん。

開会式後、美術館の五十嵐学芸課長と展示コーナに向かう田中さんです。

 

 

 

奥の展示コーナ

 

 

 

 手前の展示コーナ

 

 

 

 

やさしい雨というタイトルですが、私にはスコールのように見えました。

 《やさしい雨 Soft Rain》 2007 墨・胡粉・雲肌麻紙・パネル 150x720

 

 

 

 

 

 

 

 

田中みぎわさんのアーティストスピーチ

 

 

 

 

先ほどの《やさしい雨》と似た印象があるのですが、こちらの作品は《神様の手のひら》

 

 

 

 

 

スケッチ。  メッセージにもあるとおり、大自然がこよなく好きなんですね。

 

 

 

 

 

ダイナミックな水墨画もあれば、こんな霞みがかった浸み込むような水墨画もあります。 どちらかと言うと、こちらの雰囲気の方が好きです。



中央右側を近接撮影したもの。繊細でやさしい素晴らしい表現!(2月19日に追加したもの)

 

 次回に続く。

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軽井沢の現代美術館&川田画伯のアトリエ訪問

2017年08月04日 | アート 現代美術

 7月22日(土)から一泊二日で、軽井沢、上田、須坂と信州方面の美術館巡りを
楽しみました。
各美術館は駅から結構遠く、車で行って正解でした。 

最初に行ったのは、現代美術アーティストの川田画伯のアトリエ。
6月に長野市から軽井沢に転居されたことが、画伯のブログに紹介されており
訪問についてお伺いしたところ、快く了承をいただいたのでした。

画伯のアトリエの内部です。 これまで、有名画家のアトリエを(再現含む)をい
くつか見てきましたが、川田画伯のアトリエは、とても整然とした印象です。
 

 

 

 

奥の採光室、中央に最新作の 《光芒の花(こうぼうのはな)》 が架けられていました。
(なお作品は縦長に架けるのが作家意図ですが、今回は私の希望を聞いていただき、横にして架けていただきました)

 

 

 

こちらは作品保管などに利用されている部屋です。
架けられている作品は、中央が 《花ごもり》、左上は 《かろやかな浮上》
《かろやかな浮上》 は、白壁に映えます。

 

この後、なんと川田画伯同行で、軽井沢現代美術館へ行くことに。
美術館はアトリエから、割と近いところにありますが、川田画伯もまだ
行ってないとのことで、恐れ多くも、現代美術アーティストとご一緒に
鑑賞することができました。

軽井沢現代美術館1F常設展示室は
「海を渡った画家たち」…コレクションの軌跡
と題されて、海を渡って活躍した日本人アーティストの作品が展示されています。

なお、展示室内の写真撮影は、作品の一点撮りはダメで、展示室光景とか、人物が入ったものならOKとのこと。

 

 

まず奈良美智の作品。 右端はよく見るキャラクタですが、中央の作品はヘーという感じです。 
川田画伯はあまり興味を示さず。

 

 

草間彌生の作品は多かった。 特にカボチャ。 初期のカボチャ作品は、イメージが違うけど面白い

 

 

こちらはよく見るカボチャ。 川田画伯は、単品ではなく、各色揃えた一群で見た方がいい・・・とのこと。

 

 

 こちらも草間彌生。
左側の作品タイトルは 《夜のとばりのなかで私の心が安まるように》 …うーん 1975年作

 

 

こちらも彌生。  なかなか面白いですね。

 

 

こちらは前川強の作品。 作品に縫いが入っています。

 

 


荒川修作の作品。 川田画伯は荒川作品を”カッコイイのよね!”とつぶやいていました。
私も、国立東京近代美術館で、荒川作品をいくつか見ていますが、図式的な作品など
、印象が
強い画家ではあります。

 

 

白髪一雄の作品。 右側はロープにつかまって、素足で絵を描く白髪の写真です。
川田画伯は、”色が綺麗!”と。 まったく同感でした。

 

 

 

 猪熊玄一郎。 マティスに「お前は絵がうますぎる」といわれて悩んだそうです。
抽象画ですが、どんなものでも絵にするうまさはさすがだと思います。

 

 

 会場風景。

 

 

 

中央には、彫刻などの作品。

 

 

 

 

 

 隣の部屋には藤田嗣治のコーナ

 

 

 

 

 

 

村上隆の作品。 こちらの作品は販売もしていて、右から二番目のルイ・ヴィトン用のものは180万円!

 

 

 川田画伯へのお礼も込めて、ランチはグランドエクシブ軽井沢のイタリアン料理。 少し食べた後です。

 

  

 

 

 

 

  

 

  

 

 

 法事の食事で、リゾートホテルのエクシブ琵琶湖 をよく利用しており、どの料理もおいしいのを知っていたので、こちらを選びましたが
正解でした。 川田画伯も満足されたようです。
 

 

 

川田画伯をアトリエまでお送りした後、次はセゾン現代美術館へ向かいました。
中軽井沢駅から車で15分ほどです。(土曜日で渋滞気味)

林に囲まれた、素晴らしい環境です。 

 

 

美藝礼賛と銘打ったコレクション展のチラシです。 

 作品の撮影は禁止でした。  アンゼルム・キーファーの暗く、重い大型作品が印象に残っています。

鑑賞中に強い雨が降りだしたのですが、帰る頃は小雨。でも、傘を忘れたので、20分ほど待ちぼうけ
待ち時間に撮ったエントランス横の風景。

 

 

前庭に彫刻作品があるようなので行ってみました。

 

 

 イサム・ノグチや吾妻謙治郎などの作品がありました。

 

 

 井上武吉の作品 《my sky hole 94-5石のラビラント》 1994

 セゾン現代美術館を見終えたら16時半過ぎ。 雨がまた降りだしてきたので、軽井沢を後にし、今日の宿泊地の上田に向かいました。 

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「前田昌良 ひとりだけの夜空」展をみて

2017年06月24日 | アート 現代美術

 6月17日(土)、「前田昌良 ひとりだけの夜空」展に行ってきました。

私が通っている、絵画教室の先生の個展です。

 案内葉書から抜粋 

 

 

会場のGallery SUは、この瀟洒な洋館の中央部分の一室にあります。

洋館はアパートになっていて、なんと昭和11年(1936年)築。 手入れが良く現役です。 麻布でも名所になっているらしい。

(和朗フラット四号館の公式ホームページ http://www.warouflat.com/

 

 

 

開いたドアの部屋がGallery SUです。

 

 

部屋のなかです。 左側に開いたドアが一部見えています。ドアの窓枠の形も一軒一軒、違うとのこと。

右端に座っているのが、前田昌良先生です。

 

 

開場の12時過ぎに行ったのですが、既にお客様が数人いました。

磨りガラス越しの緑と内装がいい雰囲気です。

 

 

 作品の展示状況です。

左下の本は、前田先生の作品とエッセイの「星を運ぶ舟」、なんと、本のプロローグには作家小川洋子さん

の書き下ろし短編『星座を描く少年』が載っています。 この本も後で紹介。  

 

 

 

部屋の奥の展示状況。 壁面の油絵と、木製飾り棚に置かれた“彫刻?”などの作品群。

 

 

 

 

 

 

 

確かに、絵画と動く彫刻作品が、トータルでいい雰囲気を出しています。

 

 

 

 

作品を個別に紹介していきます。 

 
 《5 星の降る街》   ※作品名の前の番号は、リストに従っています。

 

 

 
 《21 前向きな天使》

 

 

 

 先ほどの本のタイトルでもある「星を運ぶ舟」

 
《12 星を運ぶ舟》

 

 

 

手彫りに、油彩で着色しているそうです。 古色が素晴らしい、7,80年前に作られたように見えます。

 
 《5 ウサギと呼ばれた少年》

 

 

顔の表情も、なんとも言えない味があります。

 

 

 

彫刻作品はほとんどが、動く仕掛けになっています。


 《6 もう一息の勇気》

 

 転がします。

 

 

 

前田先生の本「星を運ぶ舟」には、こんなエッセイと作品写真が添えられています。

 

 

 

 

 

 《10 少年の日々》

 

 

 《とんとん走る》

 

 


 《3 掌に棲むひと》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 《1 綱渡りの人生》

 

前田先生の本「星を運ぶ舟」から。

 

 

 

 

 


 《27 チェスになった象》

 

 

 


 《48 MUSHI》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『鉄棒男』




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵画作品を紹介します。

 
 《菱形のある風景》

 

 

 

 

 
 《3 ぶどう畑に続く街》

 

 

 

最後に、前田先生の本「星を運ぶ舟」から少し紹介。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リトル・アリョーヒンは、小川洋子さんの小説『猫を抱いて象と泳ぐ』に登場する少年の名前です。

 

 

エピローグ 

   
 

 

 

いかがでしたでしょうか、前田先生の作品を見たのは、今回が初めてでしたが、ピュアでデリケートな作品に心打たれました。

エッセイを含めて、アートの世界です。   教室の先生なのですが、素晴らしいアーティストの教えを受けられて、嬉しいですね。 

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「平体文枝展 わたしをふりかえる 能登 ベルギー 東京」を見て

2017年05月29日 | アート 現代美術

 5月19日(金)から3日間、北陸、関西を巡ってきました。

墓参や親戚の用事で、関西に行ったのですが、アート巡りも楽しみました。

最初のアート展紹介は、「平体文枝展 わたしをふりかえる 能登 ベルギー 東京」です。

編集に手間取り、会期を終えての紹介で心苦しいのですが、お許しを。

フライヤーです。 

 

平体文枝さんのプロフィールも、フライヤーから抜粋。

 私が、平体さんの作品を知ったのが、2015年のクインテットⅡ展

フライヤーでもメインヴィジュアルとなっている作品《わたしひとりしかいない》に痺れました。

 

会場のアートハウスおやべです。  バックのタワーは、クロスランドおやべ(文化、経済の地域間交流の拠点施設)のシンボルタワー

 

 

この日は快晴、会場入口から立山連峰が美しい。 往路の北陸新幹線の車窓から見えた、妙高高原の風景も美しかった。

 

 

 

展示室入口で撮影。   なお、撮影については主催者・作家より、特別の許可をいただいて撮影したものです。

 

 

 逆に、入口側を撮影。   展示室も広々としているし、照明もとてもいい感じでした。  アート作品は、周りの環境がとても大事。

 

 

 

 

 こちらは、奥の展示室。  床にも作品が映り込んで、富山の蜃気楼のよう。(見たことはないのですが)

 

 

 奥の展示室の、対面側。

 

 

 奥の展示室と、手前の展示室の境。

 

 

 

では作品をいくつかピックアップします。

制作が1998年と、会場内では、最も年次の若い作品。

青と緑と白が、好きな色なのかな。  

    

 ※作品のキャプションについては、作品リストから、抜粋・転載させていただきました。 従って、番号はリストの番号となります。

 

 

 

 シルクスクリーンの作品、《二十五景》  平体さんの作品によく使われる、抽象化したシンプルな記号というかアイコンが一覧できます。

 

 

最下段の中央《月光》の拡大。  幽かな月の明かりに照らされた、雪の荒野に見えます。

 

 

 これもシルクスクリーンの作品《桃波》   最近は、書の作品も、現代アート的なものが増えていますが、

これは、絵画の方から書に近づいた作品に感じます。  映り込みが邪魔ですね。

 

 

 

 

 平体さんの作品タイトルの付け方もユニークで、面白い。

 

 

 

 

 青緑色と、ぐっと暗い色のコンビネーションの作品は多い。 立山の峰々から、一気に深海に落ち込む富山の地形や、日本海の気候との

繋がりを想う。

 

 

 

《夜の花》 熱帯では、涼しい夜に活動する夜行性の昆虫が多く、その虫たちを誘うために夜に強く香りを放ち、また、暗がりで目立つ
白い花びらの花が多い。

そんな花たちの精気が感じられます。



 

 

 

《帰路》 この作品もいいですね。 ひび割れたようなラインと、緑の濃淡の醸す複雑さがなんとも言えません。



  

 

 

 《正夢》 ほのぼのとした色合いで、癒されます。



 

 

 

 

《日々の泡》というタイトルが面白い。  疾走感と、のんびり立ち昇る泡の妙。



 

 

 

 

 新作の小品です。

右から順に

 

 

 

№ 20の《山脈 Ⅰ》をピックアップ。  オイルスティックのストライプの重なりと、リズム感が気持ちいい。

 

 

 

 

《アカツキ》 森絵都さんの小説「漁師の愛人」の装画に使われたもの。 私も、幾度か暁の強い印象があるのですが、この作品の

色合いとは、少し違うものになります。 ただ、平体さんの作品タイトルには、複数の意味にとれる仕掛けが、間々あり、これも

…が成就したあかつきには…の達成の瞬間を表現したものかもしれません。



 

 

 

 《哀歌》 次の次に紹介する《池のおもてを見つめていると》と構図が似ています。

両作品に共通するのは、寂寥感や、哀しみ・・・・ウーン、この頃の作者の心境に、何があったのでしょうか。

2019.3.16追記 この記事をアップして10日ほど後、作者の平体様から、次のコメントをいただきました。

《「哀歌」の頃に何かあったのかな?とありましたが、あの年は震災の年でした。 

 それをテーマに描いた訳ではないのですが、やはり作品にはその時の空気が現れますね。》

ということでした。うーんなるほど。  追記がとても遅れてしまって申し訳ありません。 



 

 

 

 

この作品も、ほのぼの感があり、しずくのような絵具ダマもいい効果をあげています。



 

 

  

 

《池のおもてを見つめていると》 蛙が飛び込まなくても、枯れた静寂感が伝わってきます。



 

 

 

小さな貝殻、花びら?のような模様が、揺らぎながら並んで、シンプルでいて複雑。

 

 

 

 最近作で、いままでとは色合いが違いますね。 紫と白が、クールでいて、艶やか。



 

 

 

 

 2年前のクインテットⅡ展での作家メッセージで、今回は 四つの紙片に分けて展示されていました。

映画の1シーンみたいに、情景がまざまざと浮かびます。

     

 

 

 

《そしてまた夜が来る Ⅰ》 青緑色の微妙な色合いと、塗り面のマチエールが素晴らしい。 実物を見ないとわからないところです。



 

 

 よくわからないのですが、現代的でいて、日本の屏風絵のような感じも受けます。



 

 

 

 平体ブルーグリーンの空から、花びらが地上に舞い降りていく・・・・ 



 

 

 色合いや形、面白いですね。



 

 

 この色合い、棒のような平体アイコン、ユニークで面白い。



 

 

 そして、メインヴィジュアルの《わたしひとりしかいない》

前出のメッセージにあった「……吹雪がぶつかり合い、暗闇のなか、上方に向って渦を巻いていた……」がぴったりきます。

黄色の棒アイコンは、”わたし”を表現しているのかな? とすると、もう一本の棒アイコンはなんの意味なのだろう?

いずれにしても、疾走感のあるタッチ、深い紺色と緑 浮遊する木の葉 素晴らしい。



 

 

 中央下部をアップで撮ったものです。

 

 

最後になりましたが、企画・主催したアートハウスおやべの挨拶を紹介します。

 

 

 

 

鑑賞を終えて、玄関口から立山連峰を撮ったものです。 天気も気持ちも、爽やかでした。

 

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2017 FACE展

2017年03月19日 | アート 現代美術

3月4日(土)美術展等を巡ってきました。
午前:「草間彌生展」(国立新美術館)
午後:「日本酒マニアック博in東京」(池袋パルコ)
   「2017 FACE展」(損保ジャパン日本興亜美術館)

今日は、ブロガー招待で行った「2017FACE展」を紹介します。

新進作家の公募コンクールであるFACE展、私は2015年から楽しんでいます。

 

 

まず、グランプリ作品など入賞作品のコーナ。

 

 

 今回は、オーディエンス賞投票の観点で、目についた個々の作品について、私感を述べてみます。 辛口の批評めいた感想で、作者の方には

まことに恐縮なのですが、素人眼鏡の感想ということでお許しください。

 

グランプリ作品  青木恵美子   Emiko Aoki   《 INFINITY Red 》  2016   アクリル・キャンバス 130.3x162

写真ではわかりづらいですが、花びらが絵具でレリーフ状になっています。  

手法はユニークで色彩も強烈なのですが、もう一つ、ぐっとくるものがない。

 

 

 

優秀賞  大石奈穂 Nao Ohishi  《うその融点》  2016   油彩・綿布・パネル  130.3x162

うーん 部屋に飾りたいかと問われたら、NOとなります。

 

 

 

 優秀賞  石橋暢之  Nobuyuki Ishibashi  《 ジオラマの様な風景 》 2016  ボールペン画 128x160

ペンで描いた作品がよく見られるようになったけど、この作品は写真を置き換えただけの印象で、面白くないのです。

 

 

 

優秀賞 杉田悠介 Yusuke Sugita   《山》 2016 アクリル・パネル 162x130

写真で見ると”なんじゃ”となりますね。 実物は樹々のあいだの、細かな点のような人の色が鮮やかで、面白い効果があります。

 

 

 

読売新聞社賞   宮岡俊夫 Toshio Miyaoka  《Landscape》 2016 油彩・キャンバス 130.5x194.2

キャンバスの3/4を使った意図はわかりませんが、田畑を描くタッチが面白い。

 

 

 

審査員特別賞    新 直子  Naoko Shin  《 drift 》  2016   アクリル・キャンバス 130.3x162.1

面白い描き方ですね。  インパクトはあるのですが私には、強さが足りない。

 

 

 

 審査員特別賞  片野莉乃 Rino Katano 《swimmer》 2016 岩絵具・胡粉・箔・雲肌麻紙 194x162

マンホールや石畳の質感は面白いと思うのですが、サンダルがポップな感じで、絵全体のまとまりに欠けるのが惜しい。

 

 

 

 

 審査員特別賞  浜口麻里奈 Marina Hamaguchi 《私のいない物語》 2016 油彩・キャンバス  194x130.3

こういう絵、苦手なんです。

 

 

 

 

 

 審査員特別賞  傍島幹司 Mikiji Sobajima  《夏の夜》 2016  油彩・キャンバス 162x162

写真で見ると面白そうですが、実物は目立たない感じで、インパクトを感じなかった。

 

 

 

 入選作品が並んでいます。 作品内容が近いものどうしでコーナーを組んでいる感じです。 

 

 

 

3D絵画のようです。  もっとイメージが膨らむ人物、背景だったらいいのになー

 
赤枝真一 Shinichi Akaeda  《飛び出せ娘》  2016 油彩・キャンバス 127.5x73

 

 

 毛利由美子 Yumiko Mori
サパの少女
2016 水彩・紙 162x130     水彩の絵で入選作はこの作品のみ。 背景が、いまいち物足りない。

今、水彩教室にいっているので興味があります。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戸泉恵徳 Keitoku Toizumi
コワレルハート
2016
アクリル・キャンバス・パネル 162x194 

2015FACE展でも、この作者の似たような作品を見ましたが、訴求力が弱いのはなぜだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 馬場俊光 Toshimitsu Baba
緑の風景-22
2016
水彩・アクリル・キャンバス
101.6x188.4

水彩とアクリルで、緑の水墨画の世界ですが、何か足りない感じ。

 

 

 

 

 

 加納冬樹  Fuyuki Kano
街の河
2016
日本画・パネル  112x162

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

井伊智美 Tomomi Ii
残心
2016
焼絵・ベニヤパネル  91x195.6

焼いた線の表現が、独特のマチエールです。 面の焼き表現も期待したい。

 

 

 原野金一郎 Kinichiro Harano
heaven
2016
アクリル・タトゥーシール・キャンバス 162x112

てっきり、写真かと思った。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 中村公紀 Ko-ki Nakamura
ハマユウ
2015
アクリル・キャンバス 160x160

 

 

 中村真弓 Mayumi Nakamura
気づき
2016
水墨・鉛筆・襖 170x79.5

私がオーディエンス賞に投票したのはこの作品です。 

芸術性よりも、部屋に飾りたいもの(…これは襖として使用)の観点でいくと、面白いとおもいました。 

 

 

 

 

 

 

 熊倉涼子 Ryoko Kumakura
Still Life with Animals, Flowers, Vegetables in Pot and Landscape
2016
油彩・キャンバス 97x162.1

 

 

 

 

 

 この二つの作品、並べると面白い効果があるのですね。

左                              右

小暮真理子 Mariko Kogure                  平丸陽子 Yoko Hiramaru
自然との対話2016                      若い月
2016                            2016
油彩・キャンバス 194x162                 油彩・オイルスティック・麻布 194x162 
  

 

 

 以上です。  帰りに42階の会場から、都心方面を撮影。

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風間サチコ 「悪い予感のかけららもないさ」展&「たゆまぬぼくら」公開制作

2016年11月22日 | アート 現代美術

2012年、 風間サチコさんの「没落THIRD FIRE」展を見て、凄いなと思い、

その後、横浜美術館の「魅惑のニッポン木版画」展や、2016年2月の18th DOMANI・明日展などで

異彩を放つ彼女の作品に、ウーンと唸るばかり。

今回、「悪い予感のかけららもないさ」展に出品され、アーティストトーク(10月9日)に出演されたので

行ってきました。(アーティストトークの写真は残念ながら撮っていません)

 悪い予感のかけららもないさ…忌野清志郎の作詞した「スローバラード」の歌詞なんですね。

 

 

他の作家の作品もありましたが、今回は風間サチコ作品に特化して紹介。

おー! 気合一閃の突き蹴り!!

 

 

上の写真の作者コメントが小さいので、拡大。

 

 

 最初の3作品は、学校を暴力装置とみなしたシリーズ。 

アーティストトークで語っていましたが、風間サチコさんは、小さい頃、登校拒否となり、稀に学校に行っても、邪魔者扱いされ

学校が好きではなかったようで、学校は薄っすらと全体主義的な匂いがする・・・と語っています。

この作品の迫力も、そんな彼女の思いが反映しているのでしょう。 なお、画鋲をモチーフにした理由の説明があったのですが

今は思い出せません(物忘れが早くなった

  タイトルも面白い。

 

 

 竹トンボ人間だ、 羽根がバットとは!

 

 

 

 この危険な顔! 3作品に共通する下駄箱の背景が、学校というシステムを端的に象徴して面白い。

  

 

 

 

ここから「幸福の雛形」のコメントにある作品です。

 

 

 

 ”存在の同じ家”は、ニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』からの引用とのこと、…人間の世界というのは形は違えども

存在が同じものが何度も現れては消えていくというような、人間の永遠の業を表現した言葉…   ウーン

作品のいくつかを拡大。

この家々は、新聞の折り込みチラシからトレースしたとのこと、ただし、不穏で嫌な雰囲気に敢えて作り変えているところが風間さんらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『GOLDEN WEEK END』

風間さんの卒業制作の作品。 風間さんのブログにこの作品の解説があります、なるほどです。

風間さんの作品は、昔も今も一貫していますね。

 

 

 

 

 これは、当時の経済成長の右上がりカーブを卒塔婆で皮肉った作品。 南無甘露王如来…いいですね

 

 

 

 

 ここからは、11月12日(土)から始まった風間サチコさんの公開制作です。

場所は、府中市美術館。 ちょうど藤田嗣治展もあったので、両方、楽しみました。

チラシから

 

 

 

公開制作が始まってすぐ(13時半頃)の写真。

風間さんには、快く撮影許可していただき、ガラス戸も開いていただくなど

あらためて、お礼申し上げます。 

風間さんの頭上を飛ぶのは、重爆撃機 富嶽。

 

 

 この日の作業は下絵の下絵を完成させる(コヒ°—切貼り編集作業とトレ—ス)

 

 

 モチーフの下絵など

 

 

 

大政翼賛会刊行の体育関係書物など、戦前の関係書物が並べてあります。…凄い作品ができそうな予感

 

 

 

そして、11月20日(日)の公開制作にも行ってきました。 

4時半頃でしたが、大勢のギャラリーがいました。

 

 

 

アルミ箔の屏風(襖) 重爆撃機 富嶽は、日本軍が敗色濃厚となる頃、開発していたものだが陽の目をみることはなかった。

アルミ箔には、ペンで直接ドローイングしているとのこと。 

 

 

 

完成予想図です。

 

 

 

床には、下書きの部分図。 兵舎と最新式の自衛隊の戦車だそうです。

 

 

 

参考資料の古本。  すべて、風間さんが蒐集したもの! チラシ「たゆまぬぼくら」の挿絵にある魚の骨のようなイラストは、右上の茶色の本にありました。

 

 

その本を開くと  

 

 

 

資料本をアップで

 

 

右下の本の表紙がカッコイイ。

 

 

 銀屏風、面白いアイデアですね。

 

 

制作しているところを、とのリクエストに応えて机に向かった風間さん。

 

 

 下絵とアルミ箔屏風のドロ—イングが本日の制作予定

 

 

 

 知り合いの方が来ていて、談笑しながらの制作。   制作過程や、背景などを聞くのも新たな楽しみ方になりました。

 

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「川田 祐子 展 ー 草踏 ー」から

2016年10月01日 | アート 現代美術

 9月30日(金)午前中は、まず東京芸大美術館で
台東区コレクション展 -日本絵画の源流、法隆寺金堂壁画・敦煌莫高窟壁画模写-
 を鑑賞。 特に法隆寺金堂壁画は模写とはいえ、いい雰囲気で、見てよかった。

 敦煌莫高窟模写には、村上隆の弟・村上裕が学生だった頃の作品もあり面白い。

その後、東京都美術館で、一般展をいくつか見て歩き、午後から川田 祐子 展へ。

川田さんは、横須賀美術館での個展を終えたばかりですが、新作を携えての個展

で、エネルギッシュです。

「川田 祐子 展 ー 草踏 ー」   KANEKO ART TOKYO

2016年9月29日(木) − 10月2日(日)までの4日間の個展です。

 

メインの展示室、右側が正面の壁面

 向って左から

「 緑の親和 」 2016 oil on canvas 53.0 × 53.0cm ¥300,000 -

「 星霜(せいそう) 」 2016 oil on canvas 65.2 × 65.2cm ¥400,000 -

「 霧梢(むしょう) 」 2016 oil on canvas 80.3 × 130.3cm ¥800,000 -

「 翠(すい) 」 2016 oil on canvas 65.2 × 45.5cm ¥320,000 -

 

左側面から後面

右から3番目の作品から左側に向かって

「 緑珠玲瓏(りょくしゅれいろう) 」 2016 oil on canvas 72.7 × 72.7cm ¥450,000 -

「 降臨(こうりん) 」 2016 oil on canvas 45.0 × 38.0cm ¥200,000 -

「 光を纏う(ひかりをまとう) 」 2016 oil on canvas 53.0 × 45.5cm ¥280,000 -

「 潤水(じゅんすい) 」 2016 oil on canvas 22.0 × 27.3cm ¥140,000 -

「潤水」をアップで。   綺麗な色彩と柔らかなぼかしが美しい。

 

 

 

後面から右側面

 

右側面から正面に戻ります。

右側面全体

右側面、右側の作品から

「 草踏の花(そうとうのはな) 」 2016 oil on canvas 45.5 × 45.5cm ¥250,000 -

「 光の結び 」 2016 oil on canvas 45.5 × 38.0cm ¥200,000 - SOLD OUT

「 ゆるやかな庭 」 2016 oil on canvas 41.0 × 31.8cm ¥180,000 -

「光の結び」をアップで

 

 

 

 ギャラリーのエントランスの壁面 

 右側から

 「 花小径(はなこみち) 」 2016 oil on canvas 24.2 × 33.3cm ¥160,000 -

「 昇霧(しょうむ) 」 2016 oil on canvas 53.0 × 53.0cm ¥300,000 -

 「 百花(ひゃっか) 」 2016 oil on canvas 27.3 × 22.0cm ¥140,000 -

 「 緑の祠(みどりのほこら) 」 2016 oil on canvas 24.2 × 33.3cm ¥160,000 -

「花小径」をアップで

 

 

最後に、受付の奥の壁面の作品「流れのままに」はアルシュ紙への油彩作品。


「 流れのままに 」 2016 drawing oil on oil arches paper 27.5 × 20.0cm ¥50,000 - *額装代別途 ¥5,000 - SOLD OUT

 

 

額装も絵とマッチしています。

 

 

なお今回、売却済みのため、展示はありませんでしたが、同じ系統の作品

「 降り立つ息吹 」 2016 drawing oil on oil arches paper 27.5 × 20.0cm ¥50,000 - SOLD OUT
(画像は、KANEKO ART TOKYOのWebサイトより引用)

 

 

紙への油彩作品、新しい色使いが見られ、今後がまた楽しみ。

すぐ売れちゃいましたね。

 

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