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田川市石炭・歴史博物館のブログ

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ボタ山の現在

2016年05月19日 | 日記

皆さんこんにちは!

先日のお休みの日に、福岡県糟屋郡粕屋町(かすやぐんかすやまち)の大型ショッピングセンターの近くのコンビニに寄ったところ、その裏の畑の向こうに連なった小山が見えました。

昔のボタ山です。旧志免(しめ)鉱業所のもので、現在の志免町・粕屋町・須惠町にまたがっています。

田川市の夏吉にある三井田川鉱業所第六坑の三連のボタ山と似ていますが、ここのボタ山は四連だそうです。
どちらも木が青々と茂って、ボタ山かわかりにくくなっていますね。



ボタ山は、石炭採掘の際に混じって出てくる石炭以外の岩石を積み上げたものです。

ボタという呼び名は九州・山口の炭坑に特有のもので、東北(常磐)・北海道の炭坑や金属鉱山では「ズリ」と呼ばれるそうです。
したがって、ボタ山もズリ山と呼ばれます。

ボタ山の影になって見えませんが、少し離れたところには第二次世界大戦中に造られた、大型の鉄筋コンクリート造の竪坑櫓が残っています。田川の竪坑櫓と違って、巻上機を櫓に組み込む型式のものです。
当日は時間がなく写真は撮れませんでしたが、この櫓こそ、国の重要文化財でもある、「旧志免鉱業所竪坑櫓」です。
近くには斜坑の坑口も保存されています。

小さな炭鉱主から大財閥まで、大中小さまざまな資本によって開発された「筑豊炭田」と異なり、山ひとつ隔てた「糟屋炭田」では、第二次世界大戦までは海軍が、戦後は国鉄が蒸気機関車の燃料として開発、採掘を行なっていました。
創業から閉山まで一貫して国営炭鉱だったという、極めて異色な炭鉱でした。

このボタ山も竪坑櫓も全国的に有名なものなのですが、ショッピングセンターまで来ても、意外と気がついていない方が多いです。
日本が誇る産業遺産ですので、お近くまでお寄りの際は、ぜひ、見に行ってください!

わたしも、いつかきちんと写真を撮って報告させていただきますネ。


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