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ピアノのブランドごとの音の違いって・・・・・

2004-09-27 19:30:32 | 音楽一般
「スタインウェイ&サンズ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタイン」・・・・・なんの事か分かります?。
音楽に接している人はすぐにわかるでしょうけど、一般的にはあまりピンとくる言葉ではないよね。
で、このあとに「国産ではヤマハ、カワイの2大メーカーがほぼ市場を独占しており・・・・・」とくれば、半数以上の人にはわかるかな。
ピアノのブランドですね。
それぞれの特徴をマメ知識としてざっと挙げてみましょう。

スタインウェイ&サンズ(Steinway & Sons)はドイツ人がニューヨークに開いた会社(日本に輸入されているのはほぼドイツ産の物)。
世界のコンサートホールのスタンダード的なピアノで、芯の通った堂々たる押し出しを持った音に特徴がある。また、ハンマーアクションが独特(2段階に分かれて弦を叩く・・・・ちょっと言葉じゃ説明できない)で、それが他のピアノにはない大きな特色になっている。

ベーゼンドルファー(Bosendorfer)はオーストリアのメーカーで、繊細で煌びやかな音に特色があるって言われてる。
ピアニッシモ(とても弱く)の打鍵にもきちんと反応して音が出てくる反面、強打すると音が割れやすいので演奏に意を用いないといけない。
スタインウェイとこれはジャズでもいろんな人が絶賛してて有名ですね。

ベヒシュタイン(Bechstein)はドイツのメーカーで、打鍵に対してスムーズに音が立ち上がる反応の機敏さと、他の追随を許さない透明感のある音が特徴。
反響盤の部分以外は共鳴を極力抑えるつくりになっていて、よく「地味な音色」と言われたりもします。
ここまでの3つは日本でも比較的メジャーで、なおかつ個人での購入は難しい、所謂高級輸入ピアノの部類です。

では国産。
ヤマハ。
高品質な上位機種は世界でもスタインウェイに並ぶほどの支持を集めている日本のトップブランドと言えるでしょう。
音は、柔らかく明るめの音色、とかってのを良く聞きますね。

カワイ。ヤマハと双璧でしょう。
透明で深みのある響きを持つ、なんて言われている。
このメーカーは、スタインウェイから部品と設計を輸入して自社で組み立てて、ボストン(Boston)というブランドとして廉価で発売したり、ディアパソン(Diapason)という独立したカスタムメイドブランドがあったりと、独自の営業戦略を持っている。

まぁこんなところですか。
他にも大小さまざまなブランドがありますが、よく耳にするのはこのあたりまででしょう。

クラシック畑の人は良く知らないんだけど、ジャズ界のアーティストは右に習ったように「スタインウェイが好き」とか「ベーゼンドルファーは心に響く」とかって、口を揃えて言うのね。
なんてか・・・・・リスナー側としてはピアノのブランドごとの音色の違いなんてなかなか意識して聴く事はできないよね。
現実問題として、自宅でメディアから出力されてくる音を聴く場合はもうそれはピアノのナマ音ではないし、再生する機材の質にも拠るしね。元の音が忠実に再現されているかというとかなり怪しい。
仮にナマの音そのままが再現できたとして、もしくはナマで演奏を聴いて、「あ、これはスタインウェイだ」とか「ウーン、やっぱりベーゼンドルファーの音はイイ」とかって分かるもんなのかな・・・・・。
もちろん2台のピアノを並べて弾き比べれば音の違いはわかるでしょう。良い音だとも思うでしょう。
ただ単にひとつのピアノで1人の演奏者の演奏を音だけ聴いたら、「あ、どこそこのメーカーだ」って・・・・・これはちょっと分からないわからないんじゃないかな・・・・・いや、分かる人はいるんだろうけど、少なくとも僕には分からない。分かるようになりたいとは思うけれどね。
あれ?、これは分かる人へのやっかみなのかな(笑)。

これはJan Lundgren(ヤン・ラングレン、p)だったかな・・・・・あるインタビューでの言葉を紹介しておきます。
好きなピアノは?、と尋ねられて「スタインウェイとベーゼンドルファーが愛用だ」って。
で、それを読んでて「この人もか」なんて思ったんだけど、その後に継いだ言葉で「ヤマハ、カワイのハンドメイドも大好きだ」だってさ。
オイオイ、なんでもいいんかい。結構おかしいよね(笑)。

なんでこんなピアノ雑学みたいな事書いたかっていうと、今「スタインウェイ戦争」っていうある調律師が書いた本を読んでて、それがスンゴク面白いのね。
ピアノ市場における派閥争い的な事と、音楽界がいかに商業ベースに乗ったものかという事を自身の体験を通して書いてるんだけど、スンゴイ興味深い。
これを読んでピアノに拘るジャズアーティストたちの演奏を聴いたら、また違った側面が見えて面白いかも(笑)。
読み終わったら感想書きます。

本日の安眠盤、Charlie Haden(チャーリー・へイデン、b) & Kenny Barron(ケニー・バロン、p)のデュオで「Night And The City」
ではでは。

5 コメント

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Unknown (ヨックタイ)
2004-09-28 02:07:18
ピアノも個性があるんですね。Jan Lundgrenは「弘法は筆を選ばず」の境地まで達したのでしょうか?楽器は弾かないと音が硬くなります。弾きこむとよく鳴るようになります。音の差があまりに顕著なので、まるで生きているようであり、いとおしくなります。
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ギターにも? (TARO)
2004-09-28 21:46:08
ピアノの著名なメーカーをいくつか挙げてみましたが、クラシックギターにもそういったものはあるのでしょうか?。

ジャズでよく用いられるギブソンやアイバニーズと言ったメーカーは知っていますが、クラシックギターに関してはあまり知識がないですね。

メーカーと言うよりも個人のビルダー単位の業界なのかな・・・・・。



因みにうちにあるギターはタカミネのアコギ(笑)。
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ありますよー (naruru21st)
2004-09-29 00:01:54
お久しぶりです、TAROさん。

ピアノはメーカーか違うとほんっっとに音が違いますよ。初めてスタンウェイを1音、ポーンと弾いた時の感動は今でも忘れません。

ヨックタイさんの仰るとおり、弾きこんだピアノの方がいいです。新しいピアノはフェルトがまだ硬くなっていなくて、変にまろやかな音です。

・・・でも、なによりその楽器を弾く「人物」にですけどね~。
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Unknown (ヨックタイ)
2004-09-29 00:53:43
そうですね。ビルダー単位ですね。アランフェスとかテサーノス、日本なら河野や松岡でしょうか。弦はオーガスチンが有名です。
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楽器に見る匠の技 (TARO)
2004-09-29 17:29:12
>naruru21stさん



ハンブルグ・スタインウェイとベーゼンドルファーのそれぞれのフルコンに関しては、僕も間近で聴いた事があります。

友人のピアニストの師匠の家が貸しスタジオのような事をやっていて、そこに2台ならんでババーンって。

間近で聴けば音が違うという事はわかりますよね。

ただコンサートホールのような音場がライブな場所で聴くのと、スタジオのような吸音設備が張り巡らされたデッドな音場の場所で聴くのとではかなりの違いが出てくるし、ライブな場所でないとやっぱり本来のピアノの音は出てこない、なんてその人が言っていたのが印象に残っています。

金持ちは違うなぁと・・・・・。

僕はその時は・・・・猫踏んじゃった弾いたりとかしてました(笑)。



ハンマーのフェルトに関してですが、調律師は整音の段階でフェルトに針をさして、繊維を立たせるというような事をするそうですね。

本当は上から針で一刺し一刺ししていく地道な作業のようですが、日本のピアノ業界や調律専門学校で教えているのはザックリと横から刺すやり方で、造詣の深い調律師に言わせると、それをやってしまうとフェルト自体が死んでしまうんだそうです。

この話はまったくの受け売りで、僕自身は調律の場面に立ち会ったことはないんですが、ピアノそのものもそうですが、調律の技術もまだまだ日本はヨーロッパには遅れをとっているようですね。



楽器は奥が深いですねぇ・・・・・。





>ヨックタイさん



有名なビルダーの楽器はそれこそ天井知らずな値がつくんでしょうね。



60年位前(だったかな?)のギブソンを愛用しているギタリストが、ボディがバキーッって剥がれたのを目の前で見た事があります。

スゲェショッキングな場面で、一同固まってしまいました(笑)。
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