はい、ジャズの歴史の続きです。
前回は70年代のフュージョンによる席捲と、それ以外の細々とした流れについて触れたんだよね。
「フュージョン」ってのは、他の音楽のエモーションに、ジャズの大きな特徴であるインプロヴィゼーションを持ちこんで演奏するというもの。明確な定義はなくて、大雑把に言っちゃうと「ジャズミュージシャンがジャズ以外の好きな音楽をやる」ってな感じかな。音楽性は、ロックからポップス、ファン . . . 本文を読む
はいジャズの歴史の続きです。
前回前々回と60年代のフリーとモードの流れを書いたんだよね。それからだいぶ間が空いたのは、70年代から先は正直何を書いたらいいかわかんなくて、めんどくさいから後回しにしてたんだ。
っていうのはね、モード、フリーを最後に、ジャズ独自での発展とか発達といったものは行き着くところに行き着いてしまって、あとは他の音楽のエモーションの導入や題材の拡大といったところに要旨がいっ . . . 本文を読む
このところ「こういったジャズが聴きたいんだけど、それはジャズのなかでなんというジャンルになるの?」なんていう趣旨の質問を、いくつかの場所で数人の人からもらった。
これ結構難しい質問なんだよね。
ジャズのジャンルって何で分けるのかという定義が曖昧で、好き勝手な基準でバラバラに区分けされてて、さらに1人のアーティストがいくつものジャンルをまたいで活動をしていたりするもんだから、ややっこしいこと甚だしい . . . 本文を読む
さて、60年代にジャズ新たな趨勢となるもうひとつのイディオム、それは「モードジャズ」。
このモードジャズの推進者となったのが、George Russell(ジョージ・ラッセル、p,arr)と、そしてやはりこの人、Miles Davsi(マイルス・デイヴィス、tp)だったのね。
しかしMilesってスゲェな。ビバップ以降ほとんどの章に顔出してるでしょ(笑)。
まずモードジャズが台頭して、その後のジャ . . . 本文を読む
ジャズ史上最大の革命といわれて、40年代頭から60年代末頃まで、約30年間にわたってジャズ界の主流としてシーンを牽引し続けたバップイディオム。クールにせよウエストにせよ、ハードバップにせよファンキーにせよ、おおもとのイディオムはバップに固定されていて、その範疇でバリエーションを選択していたに過ぎない。
バップ期に、いわゆる「脱バップ」の試みをした人というのは、まぁいないことはなかったんだけど、バッ . . . 本文を読む
さて、前回はウエストの衰退からハードバップの誕生と、その勃興までだったよね。
50年代は書くことが多くてめんどくさいので、ハードバップのその後と、同年代のその他の流れを大雑把に追って、50年代の締めとしたいと思う。
ハードバップはその後どういう変遷を辿ったかというと、従来のイディオムに加えて、元来のジャズが持っていた土臭さやブルージーな感覚、黒人の音楽としての伝統に立ち返ろうという動きが出てきた . . . 本文を読む
バップからクールへの流れへとジャズ界は飽くなき前進を続けていたかに見えるけど、40年代の終焉とともに停滞期を迎える。
バップの創始者たちは他界または大御所として創造性を枯渇させ、クールの各派に関してはバップのような横の繋がりによる一丸となったムーブメントが生まれる事なく、東海岸地域の不況も相まって各派閥へ雲散霧消する形で活気を失っていく。
バップイディオムによる急激な一大革命の後には、停滞と混沌が . . . 本文を読む
怒涛の勢いで普及浸透していったビ・バップだけど、これだけ一世を風靡していると例によって「やっぱ人と違う事がやりたい」という人たちがポツリポツリと現れてくる。
40年代後期において、ホットでヴァイタルな、言ってみれば自己主張の音楽だったビ・バップの熱気に対して「あんなムキになってるのはダサい。もっとクールに行こうぜ」といった動きが、より進歩的な白人ミュージシャンを中心に発生してくるのね。
具体的に . . . 本文を読む
スイングジャズがビッグバンドによるダンスミュージックだったっていうのは前章で書いたけども、大編成での演奏を統制していくためにはアレンジやバンドリーダーによる強固な統率が必要不可欠だったのね。
で、本当の実力と創造性を持ったミュージシャンたちにしてみると、書き譜に従って編曲の通りに演奏するスイングジャズでは自己主張できるのは短いソロパートに限られていて、物足りなくなってきたわけです。ぶっちゃけた話し . . . 本文を読む
はい、ジャズの歴史第三章。
今回はスイングジャズのお話ね。
20年代が明けるとともに最盛期を迎えたアーリージャズの時代。その時代が終焉を迎えて、次にジャズの歴史が大きく動くきっかけとなる出来事が20年代が終わるのとほぼ同時に起こる。
それは29年10月24日、ニューヨーク、ウォール街の株式市場の大暴落、世に言う「暗黒の木曜日」に端を発した世界大恐慌。
でまぁ、なんで株が暴落したのかとか、どうして . . . 本文を読む
はい、ジャズの歴史第二章です。
こうしてジャズは産声を上げたわけだけど、実際にはその頃の奏者達は音楽以外に本業を持っていて、演奏は余暇の時間に臨時収入を得るための、いわばアルバイト的なものだったのね。
バンドを組織した黒人たちは主にパレードとか冠婚葬祭の席なんかで当地の民謡だの行進曲だの、伝統的な教会音楽だのを演奏して日銭を稼いでいたんだけど、それら以外の演奏の場としてキャバレーとかバー、ダンス . . . 本文を読む
このブログのカテゴリーを新たに編集しなおして、「ジャズの歴史」というのを立ちあげる事にした。
文章自体は某所で書いていたのを文体だけ手直ししたものなんだけど、 内容はそれなりのものが書けていると思うので、このブログであらためて公開する事にしました。
ジャズの歴史が大雑把に分かるようなものになると思います。
今回はジャズの黎明期、誕生の経緯を簡単に説明します。
ジャズってニューオリンズを中心とした . . . 本文を読む