鶏もつは三つに大別できる。第一が砂肝(砂ずりとも言う)、第二が心臓と肝臓、第三が産道ときんかん。今回は第三を使った煮込みについて説明する。
濃口醤油と砂糖で甘辛く煮付けるやり方もあるが、私は関西の調理法を採用している。後者の方が美味しいと思うからだ。産道はテッチャン(牛の大腸)と同じく下処理が重要になる。
食塩水で洗ってから食べやすい大きさに切り、きんかん(未成熟卵)と共に下ゆでする。アクが恐ろしいほど出るので小まめに掬い取る。再度水洗いしてザルに移す。水気をよく切ってたっぷりの日本酒を加えただしで煮て薄口醤油と味醂を加えて味を調える。生姜が入ると爽やかな風味に仕上がる。
煮しめるのではなく、5分ほど炊いてそのまま冷まして味を浸透させるのがポイント。食べる際にもう一度温め直すと完璧だ。