かつての西国街道がいかに人で溢れていたかを今に伝える建造物である。近所の人が「あそこは乾物屋さんだったんですよ。店先にはたくさん商品がありました」と全盛期の話をしてくれた。その人は無駄なことを全く口にしなかった。人の流れが国道2号線に移ったことを静かに受け入れている感じで凛とした美しさがあった。
私は三原という城下町が更に好きになった。無駄な広告を打たない点は自信の表れだ。「うちはええでええで」と宣伝してもらう所ほど実は大したことはない。インターネットの情報がゼニがすべての田舎町(鰻の寝床)の虚像を着実にあぶり出し一部メディアによって不当に低い評価をつけられた街が次第に見直されている。目の肥えた旅人は雑音を消すのが上手で自分の感性を大切にするから(笑)