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寮管理人の呟き

WiLL2010年5月号(ワック出版)


我が国の「恥垢」特集なので購入した。私が通った高校にもこの雑誌に描かれたような教師がいたのである。学生よりレベルの低い大人を毎日目にするのは苦痛だった。人としてとても尊敬できない輩が大半を占めていたのは事実だが、僅かながら例外もいた。その男性教師は腐ったイデオロギーに簡単に染まった後輩を公然とこき下ろしていたので冷徹な学生には人気があった。

私は屑高校を去ってしばらくしてから骨のある教師の経歴を調べた。やはり前身の旧制中学を卒業したOBであった。彼は戦前の教育の良かった面やトンネルを掘らされていた人々の暮らしなどを時々語ってくれた。歴史を明と暗の両面から見つめることの重要性を知った。

話を元に戻そう。特に面白かったのは、言いたい放題の「蒟蒻問答 第48回」である。一部を抜粋させてもらう。

久保
 「非核三原則は大嘘、虚構だった」と盛んに言い立てているけど、ならば現実政治がそいういう選択を取らざるを得なかった戦後憲法体制そのものの大虚構を、なぜ批判の俎上に据えないんだ。それに眼をつぶって、非核三原則や密約だけを騒ぎ立てるのは、ちゃんちゃらおかしい。


 日本はアメリカの「傘の下」に入ることを選択してきた。もう「核の傘」は要りませんとでも言うのかね。一方で、「日米安保は日本外交の基軸だ」という。核ナシの機軸はあり得るのかね。要するに核については見ざる・聞かざる・言わざるで議論もしない-非核四原則に終始しているだけだ。
 一昨年だったかな、プーチンは言った。「核を保有しない国は主権国家の名に値しない」とね。だからイランも北朝鮮も「主権」を求める。立派なもんだ。
 …こういう状況下で、岡田の言っていることは、日本はフリチンで行きますという「フリチン宣言」だな(笑)。



 日本は日米安保で、アメリカの「核の傘」に入ることを選択したんだ。ならば、核が日本のどこにあろうが覚悟しなきゃいけない。イヤならイヤで、他の道を考えなきゃいかん。それもしないで、何をいまさら騒いでいるんだと言いたくなるね。

久保
 結局、民主党としてはいま大きな声で言えるのは、事業仕分けとこれくらいですからね。哀れなもんだ。

編集部
 密約の問題で、与党三党の国会対策委員長が会談して、歴代首相や外相経験者を衆参の外務委員会などに参考人として招致する方針を決めたそうです。


 バカじゃないの?(笑)。呼ぶ相手が違うだろう。いまもっとも国民が問題視しているのは、政治とカネの問題だよ。喚問するなら鳩山、小沢とその関係者だろうが!

久保
 一種の目くらましですよ。企業・団体献金禁止法案や密約問題で「歴代総理を呼ぶ」と騒げば、国民もマスコミも小・鳩金銭スキャンダルから関心が逸れるのではないか。つまり、それで世論を操作しようとしたんです。


久保
 民主党は日教組の不正献金問題が象徴的なように、口では「生産から生活重視へ」なんて言うけど、一皮めくれば旧社会党・総評華やかなりし時代への本卦還り、つまりタイムスリップでしかない。何も新たに産み出そうとしていない。


 民主党の企業・団体献金禁止について、亀井が「どうしてもやると言うなら、民主党だけが自粛すればいい話だ」と言っていたけど、その通りだね。問題なのは民主党のトップ二人なんだから。

久保
 小沢も小沢だけど、つくづく鳩山には廉恥心がないんだなと思いますよ。…キリスト教圏の国家の機軸のひとつには、そうした富める者たちの自戒・自制・自己犠牲・奉仕の精神があります。これはイスラム教圏や、日本の武士道にもあったものです。


 しかし、子ども手当てといい、農家戸別補償といい、銭をバラ撒く政党に票が集まることになったら、国はお仕舞いだよ。ローマ帝国はキリスト教に白蟻のように蚕食されて滅びた。キリスト教徒になれば税金を安くするというお触れがコトの始まりだ。
 「国は悪では滅びない。愚で滅びる」という格言がある。物事を正か邪ではなく、賢か愚で判断する、これは政治を考えるときの要諦だけど、いまは欲得に正邪の衣を着せて判断する風潮だ。由々しき時代だね。

久保
 …『鬼平犯科帳』で鬼平がこう呟いていますよ。
 「悪いことをしながら善いことをし、善いことをしながら悪事を働く。全く人間とは奇妙な生きものよ」

笑いこけながらも大いに考えさせられた。

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