泣かせる上質のドラマが増えたというのではない。最近の役者が涙を流す場面が多過ぎる点を指摘しているのだ。別に泣かなくてもいいような所でポロポロやられても白けるし、ドラマ自体が安っぽくなってしまう。 涙に頼らず目と頬と唇の微妙な動きだけで「喜び」「怒り」「悲しみ」「切なさ」を表現できる役者は本当に少なくなったと思う。緒方拳さんの遺作「帽子」をDVDで観るたびにこの思いを強くする。