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書道 直庵(筆耕所)

惜秋<島秋人歌集>

ゆく秋を惜しみて開く死刑囚島秋人氏の遺愛集かな 丹人


けふは立冬なり
ゆく秋を惜しむおもひ深くして
島秋人氏の歌集「遺愛集」を読みたくなりぬ

昭和36年の作のいくつかをここに紹介すれば・・・




世のためになりて死にたし死刑囚の眼はもらひ手もなきかも知れぬ

若妻の心こもれる差し入れの座布団干せる友は死刑囚

かなあみを叩き呼ぶ児に泣きながら父となりゐき若き死刑囚

白き花つけねばならぬ被害者の児に詫び足りず悔いを深めし

愛に飢ゑし死刑囚われの賜りし菓子地に置きて蟻を待ちたり

手のひらの小さき虫がくすぐりて死刑囚われに愛を悟(し)らしむ

にくまるる死刑囚われが夜の冴えにほめられし思い出を指折り数ふ

一匹のあきつの飛ぶに死囚われ愛(かな)しきまでに子のころ憶ふ

わが罪を証人台に泣きたまひ泣きたまひつつ詫びくれし老父(ちち)

ひと日着て残る体温いとしみつ青さ薄れし囚衣たたみぬ




嗚呼
哀しき哉
読み進めては 心に強く響き来たる歌を打ち込みつつ
胸つまり眼にあふれ出づるものあり




*遺愛集  著者 島秋人  発行所 東京美術  昭和49年刊

*画像:シイタケ 予が武路愚の友なるtaro氏撮影
            
↑現在50位前後なり↑現在茨城1位なり
毎日一打頂戴すれば いと有難し 宜敷願上奉候

コメント一覧

あかひと
ももり媛

はるかカナダへの旅より
無事の御帰還を
およろこび申し上げる次第に候
カナダの自然への感動の伝はり来る
絵葉書の
天より舞ひきたりて
いま掌に乗るもをかし

いと有難し

さても
レ・ミゼラブル
・・・
予もまさに
ジャンバルジャンの人生と
重なると見たる

ああ無情

をさなき頃より
何度も読みては心震はすあかひとなり

頓首
あかひと
幽黙氏
郷隼人氏
永山典夫氏

御両名を予は知らず
嗚呼
さなる哉・・・

さても
氏の見識の深さに
あらためて脱帽す
いと深し

感激の中に佇むあかひとなり

頓首
山口ももり
ちっとも知らなかった
http://www.geocities.jp/wgwxw444/
島秋人・・・・知りませんでした。重いテーマですね。このブログを読んで「レ・ミゼラブル」を思い出しました。お許しください。あなたの憶いとは違うかもしれません。罪を憎んで人を憎まず・・・とは言います。人間って弱い存在。誰だって、いつどんな罪を犯すかしれない・・・・でも、・・・・どうなんでしょう???・・・・性善説は信じられないこのごろです。弁護士って言う方々も、又・・・・ウ・ウーン・・・
幽黙

新しいところで
郷隼人氏の「ロンサム・ハヤト」は
アメリカで終身刑あるいは死刑を待つ?
立場らしいのですが
郷隼人はもちろん本名ではありませんが
その歌の切切たるものがありまして
かなり気に入っています

死刑囚の言葉という意味では
永山則夫氏の「無知の涙」も
当初なかなか理解できない部分も
あったのですが
今ではなんとなくわかったような
気分になっているような
まだ曖昧です
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