今日は二月も二十五日、いよいよ日本へ向けて発つ日も後四日と迫って来た。
今までに何度繰り返して来た事だろう。
両親の存命中は毎年だったし、年に二度帰っていたこともあった。
ところが父も母も居なくなり、一年が二年になり、そして三年に一度くらいになってしまった。
故郷は懐かしい、一日だって思わない日は無い。
でも、何かが違う、少しずつ、少しずつ私の故郷は今のこの地に変わりつつあるような
複雑な想いなのだ。
親の存在感の大きさは計り知れなかったと今更ながら思い知らされて居る。
私は絶対異国の土にはならないと、親の存命中に日本に墓地を購入し、石碑迄建てた
私達だったが其の心も薄らぎつつあるのも否めない。
勿論日本は大好きだし、兄弟姉妹全員が故郷で暮らしている。
でも時の流れは知らず知らずの内に私を変えたのだろうか、それとも今は自分の
新しい家族、子供や孫たちがこの地に根を下ろして頑張って居る、その現実が私を
嫌でも此処に引きつけて居るのか、なんだろうと考えてしまう乙姫です。
両家の兄弟姉妹達も皆年老いたが元気で居る。
然しもう、誰の上にも明日の補償は分からない。
八十歳の浦島殿にも次の訪日のチャンスは期待出来ない。
お互いにそれを察知しているのか盛大な兄弟会などが用意されている。
私の同窓会も然り、喜寿のお祝いとあって日本全国に散って居る人達が四十名も集まって来る。
そんな訳で三月一日から一寸だけ御休みします。
御土産話を持って帰りますからその時は又宜しくお願いします。
乙姫