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すべてはガンジス川の流れのように(2)

2020-01-26 17:04:00 | 日記




あれから40年が経った(ズバリ、今から五年前)。

山田は結婚して、
高校生の一人息子を持っていた。
この息子の学校に、
インド人の交換留学生がきて、
山田以外のクラスメイトを、
カレーパーティーに誘った。

翌日、
インド人留学生(後でジャグジートの甥に当たってたことが判明)はクラスの人気者になっていた。
カレーがガチウマやったかららしい。
その美味さは、
CoCo壱の100万倍とのこと。
ひとり誘われなかった山田の息子は、
寂しさを感じていた。
クラスメイトのひとりが、息子に、
「お前のオヤジ、シンと間違えて、インド人の腕を折ったんだってな」と言った。

山田は、
息子が口も利かずに黙り込んでいる様子が、
気に掛かり過ぎて、
息子の部屋へと足を運んだ。
息子は、
ベッドに腰掛けて、
悲しそうに考え込んでいた。
山田は、
長い時間をかけて、
悩みごとの理由を尋ねたら、
息子はポツリと、
「父さん。昔、シンと間違えて、インド人の腕を折ったんでしょ⁉︎」と言った。
山田は、
愕然とした😱
ついに、
審きのときが来たのだ!
山田は、
声を上げて大いに泣いた!!
息子は山田を抱きしめた。

そして、今、
インドのガンジス川のほとりに、
山田と中村と田中が立つ。
犯した過去の過ちは、
どう正されたらエエんか⁉︎
どうして、
人は誤り謝る人生を繰り返すのか⁉︎
そう、
ガンジス川を眺めつつ、
必死に、
自身に問答した。

そんなとき、
カレーの香りが鼻をくすぐった。
見ると、
手前に、
小さなほこらがあり、
そこに、
茶碗に盛られたカレーがあった。
三人は、
物珍しく、
近づいて行った。

その時、
背後から、
「カレーを喰ってはいけない!」と言う声がする。
誰が喰うか⁉︎とむくれて、振り返った三人は、
同時にガク(愕)が入ってしまった😳😳😳
三人の前に立っていたのは、
あの、
ジャグジートやった。
当然、
ジャグジートも驚いた🙀

ジャグジートの話によると、
きょうは、
自分にさとしを与えた、
ヒンズーの高僧の命日で、
師の大好きなカレーを供えていた。
ジャグジートは、
「もし、師がおられなかったら、わたしは、あなた方を、カレーライスにしていたことでしょう」と呟いた。
三人は、
ジャグジートの前で土下座して、
爆泣きした😭😭😭
ジャグジートは、
やさしく言った。
「泣くのはおよしなさい。人が生きる上においての悲しみ、苦しみ、憎しみは、ただただ、静かに流れるガンジスの川のように、ひとつの場へと向かう過程なのです」
三人は、
ガンジス川を見た。
雄大なその流れに夕日が当たり、
祈りの声が響き渡る。
三人は、
今、
ジャグジートの言葉を、
嫌という程理解した。
その通りなのだ。すべては、なんらかの結末へと向かう流れの途中なのだ。
この流れは、
何度も何度も繰り返し、
ホンモノの意味を見いだすまで、
流れていくことやろう。
ジャグジートは、
「もう、すべてを忘れて、わたしの家でカレーを食べましょう」と言うと、
中村が、
「ありがとうございます。僕はビーフカレーをいただきます」と言った
ジャグジートは、
「友よ。そのような物は、この国にはありません。後で帰国されて、CoCo壱に行きなされ」
と言い返した。



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