
とある田舎町にある安食堂丸めろに働いていた洋子は、
逸話繭実(いつわまゆみ)から、
紹介したい人がいるから連れて来たいという連絡を受けていた。
それで、
逸話繭実(いつわまゆみ)との再会に期待しながら、
店内を整理していた丸めろの洋子やったけど、
そこに、
若い3人の青年が入ってきた。
丸めろの洋子は注文を取っていると、
3人の青年のひとりが、
「働く気ないもんね。オモロうねぇから!まぁナニか注文しようぜ」と言い、
別の青年が、
「お前はいつもそうだ!」と怒ると💢
先の青年は、
「その通り!だからきょうもメロンソーダを飲むぜ」と言いつつも、
「本当はやりがいのある仕事をしたいのさ」とぽつりとこぼした。
丸めろの洋子が青年達に、
合成着色料100%のメロンソーダを提供していたところを、
逸話繭実(いつわまゆみ)が、
緑髪女子のレタスちゃんと、
大きな体に厚化粧をした女性を連れて入ってきた。
この女性はアラキといい嵐のファンやった。
そして、
子供支援センターの所長をしているという。
アラキは丸めろに洋子に自己紹介した後、
職員不足で困っていることや、
嵐の曲は『とまどいながら』が一番好きなことを話した。
すると話しの横からレタスちゃんが割り込み、
「レタスは葉を一枚一枚剥いでいけば最後はナニも無くなるのよ。けどその一枚一枚に意味があるの。だからあたしはそんなオンナなんです」と言った。
そして、
55年前のベトナムの平和を願うと言って、
店内から出て行き、
大声で、
「ベトナムに平和を❗️ベトナムに平和を❗️」と叫びまくった!
逸話繭実(いつわまゆみ)は丸めろの洋子に、
「レタスちゃんの心は55年前にスリップしてるわ。私たちは別のお話しをするべきよ」と提案し、
アラキが語り出した。
~
今から10年前、
キョウヘイという半グレがいた。
中国人経営の中華料理店でただ食いしたので、
中国人料理人から、
中華鍋をぶつけられて、
全治1週間の怪我を負った。
キョウヘイは怠け者やったので、
パチンコや競馬と言ったギャンブルに目がなかった。
ある日、
キョウヘイがいたパチンコ屋に、
小学生の男の子とその父親が入店した。
そして、
男の子が指差した台に父親が座ると、
勝ちに勝つんやった。
店側が子供同伴は駄目やと注意しに来た時、
キョウヘイは客が勝ち出せばやばいから法律を盾に追い出しにかかっていると心に呟いた。
父親は店員に、
「俺の子は当たりっ子って呼ばれてんだ。こいつは勘が強いから俺はギャンブルで負け知らずなんだ」と捨て台詞吐いて、
出て行った。
キョウヘイは父親のこの言葉と、
じっと落ち着き払っている子供が気になって仕方がなかった。
この出来事から半年ほどが経ち、
キョウヘイはあのパチンコ屋の親子と競馬場で再会した。
キョウヘイは親子の後ろの席にいた。
子供が父親に勝ち馬を教えると、
ホンマにその馬が優勝するんやった。
キョウヘイも隠れて、
子供が教える馬の馬券を買ったら勝った。
キョウヘイは借金があったから、
最後の大勝負で、
借金ゼロにしようと意気込んだら、
子供が疲れたと言い出したので、
父親は「うん。帰ろう」と言った。
後ろ席のキョウヘイはガチギレして🤬
親子に、
「こら❗️帰るな❗️」と怒鳴った!
子供はキョウヘイに手を出して、
「ぼくはユウマと言います。ユウマは名前でぼくが馬だということじゃないんです」と言うと、
キョウヘイは超ギレして🤬🤬
「ふざけんな❗️このゲロガキが❗️さっさと次の勝ち馬を教えろ❗️」と凄んだ!
ユウマはキョウヘイをじっと見て、
「わかりました。ぼくは帰りますね」と言ったので、
キョウヘイは、
「わかっとらんやないか❗️❗️」と叫んで、
ユウマの腹部を蹴り、
ブレンバスターをカマした。
頭を打って動けなくなったユウマをキョウヘイは蹴りを入れて、
「ハヨ起きて勝ち馬教えろ❗️」と怒鳴った。
父親が、
「ユウマ逃げろ❗️」と叫んで、
キョウヘイの顔面にエルボーバットを叩き込んだので、
激ギレした🤬🤬🤬キョウヘイは、
父親に襲いかかり首を絞めた。
そこにユウマがヨロヨロと起きて、
自分のバックパックからスタンガンを取り出し、
最大レベルにセットして、
「ファイナルフラッシュ❗️」と叫んで(DRAGON BALLのベジータの必殺技)、
スタンガンをキョウヘイの股間に突き当てた❗️❗️
一瞬の火花とともに、
キョウヘイは絶叫した❗️
そして気絶した!
~
アラキは丸めろの洋子に、
「ユウマはギャンブルだけの当たりっ子じゃなかったの。キョウヘイはあのスタンガンの当たりでタマを失ったわ。けど、私はキョウヘイがしたことが辛くなって、悩んで、子供支援センターをやり始めたの。子供は天使です。暴力を振るうものじゃないわ」と、
優しく言った。
逸話繭実(いつわまゆみ)が横から、
「けど、子供支援センターでの人材の当たりがないのよ」と言った。
そこに、
さっきのメロンソーダ飲んでた3人の青年で「働く気がない」と言った方が立ち上がり、
逸話繭実(いつわまゆみ)と丸めろの洋子のところに歩いて来た。
この青年はアラキを見つめ、
「話し声が聞こえたもんですから。久しぶりですね、アラキキョウヘイさん」と言った。
アラキは青年を見返し、
「大きくなったわね。ユウマ。あなたのせいであたしは2つのタマを失ってご覧の通りよ」と答えた。
ユウマはアラキに、
「ぼくの子供時代は不幸でした。親父に賭け事の道具にされて辛い毎日でした。ぼくはあの時の勘を失い、親父とは絶縁状態です」と語り、
更に、
「キョウヘイさん。あなたの言われる通りです。子供は不幸であってはいけませんよ。それは競馬場であなた自身がぼくにブレンバスターをしたことでよくわかられていると思います」と言って、
アラキに手を出して、
「キョウヘイさん。ぼくを子供支援センターの職員にしてください」と言って頭を下げた。
アラキはキョウヘイの手を取り、
「あなたはわたしの子供支援センターの職員としての当たりっ子です」と言って、
唇を当てた。
逸話繭実(いつわまゆみ)は丸めろの洋子に、
「きょうはこの丸めろから素晴らしい伝説が生まれたわね」と言った。
店の外では、
レタスちゃんが声を張り上げて、
「ベトナムに平和を❗️ベトナムに平和を❗️」と叫びまくった!
そんなレタスちゃんの様子を見ていた逸話繭実(いつわまゆみ)は、
丸めろの洋子に、
「きょうは風の向きが変わらないからしばらくここにいます」と言った。