見出し画像

映画と渓流釣り

ひとりぽっちのクジラは鳴かない


杉咲花が不幸な幼少期を経て自分の足で歩み大人になる姿は、昨年観た傑作「市子」にダブル部分がある

物語は本屋大賞の小説が原作なので前に読んでいるのだけど、印象に残ってない。物忘れが激しいから読後の感想をランク付けしているから見返してみたら、それほど高く評価していないところをみるとわたくし的にはハズレだったのかな

ネグレクト、ヤングケアラー、ジェンダーギャップと様々に声を出せない人々のお話しばかりで、あまりにも詰め込み過ぎていて息苦しい。その割には結構呆気なく普通の生活ができているようなのも軽い感じがしてしまった

前にも書いたけど、わたくしは身の周りに親から虐待受けて育った人も自分の性別に悩んでいる人も知らない。それどころかこの歳までシビアな介護を経験したこともない

だからどうしても他人事に感じてしまうのかもしれないけど、この映画で描かれた生き辛さは何となく表面的に感じられてしまった。自分の発する声の全てが誰にでも聴こえる音域だなんて思わないが、聴いてくれる人聴こうとしてくれる人は必ずいる

それでも、やっぱり誰にも届かない鳴き声をあげながら、ひとりぽっちで人は生きてゆくものなのかとも思う
聴いてもらえない鳴き声をあげるのは、聴いてほしい願望があるから

それさえ無くなってしまった人は、もう鳴くこともない
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「新作映画」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事