元々酒飲みサークルだったから皆お酒には強い。女性(猛烈なオバチャンばかり)だって例外なく浴びるように飲む
初っ端からガンガン飲んで当たり前の様に二次会へ雪崩れ込む
二次会になると本性みたいなものが現れ、好きな映画の話が始まる
今でも好きな古の作品から最近観たおススメ作品の紹介なんかが取り留めもなく繰り返される
仕切りは怖いもの無しのオバチャン(妙齢のご婦人と注釈)
この作品はアンタに観て欲しいから必ず観るようにとキツく諭されたのが昨夜観たこの映画
1969年北アイルランドに過ごしたケネス・ブラナーの自伝的なお話だ。お母さんや祖父母に囲まれた普通の少年が故郷を捨てなくちゃならない物語に同情はするけど、その理由が宗教的対立である事にわたくしは納得は出来ないしむしろそんな世界を軽蔑する
宗教って人を救うためのものでしょ?何でほんの小さな違いを許容できないのか皆目分からない
その国独特の環境や歴史、民族や宗教観を理解しきれないから外国映画との距離をとったのだが、年を経た今になってもその距離感は開いて行くばかりだ
この映画に寄り添えたことは二つ
自分と同年代に生きた少年の世界は全然違う世界にいたけれど、何となく共有出来るものが多かった。観ていた映画に興奮したり、小さな恋のメロディーでも描かれたイギリスの小学生たちの日常に親近感を覚えたことなどなど
もう一つ、少年時代の時に味わったノスタルジックな感傷が、イタリアの巨匠フェリーニの傑作アマルコルドに通じる普遍性を備えていたことが大きな要因
家族皆んなで生まれ育った故郷を捨てなくてはならない感情も山田洋次監督の作品に通ずるものがあり、胸を締め付けられる寂寥の思いはよく分かるのだ
ラスト、ベルファストに留まるおばあちゃんが呟くあの台詞が、田舎を出て40年以上たったわたくしの心を揺さぶる