日常と考えるヒント < By Taki Katayama >

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ISIS(イスラム国)の日本への挑戦

2015-01-20 | 論及
本日、安倍首相あてにISIS(イスラム国=未承認国)から挑戦状が出された。

「日本国総理大臣へ
貴国は、イスラム国から8,500KM以上離れているが、貴国は、我々へ対抗する十字軍に積極的参加をすると言明しました。貴国は、女性、子供を殺害しモスレム家庭を破壊する為の基金1億ドルを提供するとしたことに対する日本人捕虜に1億ドル。更にイスラム国の拡大阻止に1億ドル提供することに対し1億ドルを科す。
日本国民へ
貴国の政府は、イスラム国と戦う為に2億ドルの資金を提供する愚かな決定をした。72時間以内に貴国の市民の生命を助ける為に、2億ドルの資金を支払わせる賢明な決定をさせることを期待する。さもなければ、このナイフが悪夢を導くだろう。」

2001年9月11日、米国でイスラム原理主義者が同時多発テロを引き起こし、同22日、ブッシュ大統領は、連邦下院で演説を行った。「Every nation, in every region, now a decision to make. You are either with us, with terrorists.」イスラム原理主義者の一掃のための対テロ戦争を宣言し、その後、アフガニスタンの攻撃を行い欧米より新政権を樹立した。2009年のオバマ政権以降、イスラム世界に「対話」の呼びかけを行い、緊張の緩和に努めていたが、2011年のアラブの春以降、シリヤ他で内戦が勃発、米国のイラクからの撤退と伴に、イスラム社会で過激派が台頭、イスラム社会の混乱が起こった。欧米で育った不満分子が参加する形でイスラム過激派が2014年にイスラム国樹立を宣言、イラクで勢力を伸ばしている。

2014年9月以降、米国は、テロ組織撲滅の為に空爆を強化したが、カナダでのテロ、ISISによる米国市民の殺害、フランスでのテロが起こっており、世界はテロにより混乱している。

文化的差異(キリスト教徒VS何かイスラム教徒)を煽られ、イスラム教徒全体の問題の様に語られがちだが、イスラム教徒とイスラム・テロリストとは分けて考える必要が有る。今回のISISの日本人の捕虜に対する2億ドル資金の要求はもっての外であるが、あちこちで市民が犠牲になり、難民も出ている悲惨な状況が続いており、対立を煽る形(テロ主導者殺害、空爆破壊)だけでの対応でなく、相手と向き合い会話を始める段階に至っているように思われる。人間の理性と自制に期待したい。

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