JTDの小窓

川崎市幸区下平間の鍼灸・手技療法『潤天堂』院長のあれこれなつぶやき

殿筋がトリガーポイントだった仙骨部の痛み

2016-05-04 | 自分治療
2週間くらいまえから何となく腰に違和感。最初は軽い感じだったので、腰に手をあてて左右の「志室(腰外側にあるツボ)」を母指で圧迫しながら腰を前後に振る運動で対応していた。やると直後は軽くなるのでよしとしていたが、次第に起き上がり時や立ち上がり時に仙骨部を中心に鉛のような重さと痛みを感じるようになってきた。
夜早く帰れることがあったので、この日は奥さんに圧痛点をマーキングしてもらい鍼をしてもらった。※奥さんには鍼が打てるよう昔から指導済み(もちろん私の体にしか打たせません)。
伏臥位で圧痛点を探すとはっきり「ここだ!」という点は見つからなかったが、「なんとなくこの辺が現場」という感じがPSIS(上後腸骨棘)付近だったのでこの辺りに鍼をしてもらった(雀啄。気持ち良い響きあり)。
起き上がるときちょっと良い感じがしたが仙骨部にかかる重く鈍い痛みにあまり変化はなかった。その治療の様子を見ていた娘(5歳)が「やりたい、てつだう!」と言い出したので、ハムストリングに乗ってもらったり背中に乗ってもらったりした。

2日後、腰痛が進行し、前体重姿勢ができなくなり仕事に支障をきたしてきたのでもう一度奥さんに鍼してもらった。圧痛を探ると今度は左の大殿筋起始部の腸骨稜や仙骨の外縁に気持ちの良い圧痛がみられ、また停止部の大腿骨の殿筋粗面にも心地よい圧痛がみられた。奥さんには「大腸兪」「関元兪」のほか、腸骨稜や仙骨外縁部のマーキング点に鍼をしてもらった(今回は単刺ではなく15分くらい置鍼)。抜鍼時、「大腸兪」の鍼が絡みつくように重く抜きにくかったので、そこだけ余分に5分置鍼継続。これで苦痛は3割くらい軽減した。しかしまだ前屈や後屈での違和感や寝返り時、起き上がり時の痛み・重みは残っていた。そのあと自分で委中や中封、太衝の鍼をして少し改善したように感じたが重みは同じだった。ちなみに奥さんが鍼する姿を見て娘がまた「てつだう!」といってくれたが、この日はうつぷしてるパパの白髪抜きに専念してもらった。

4月29日(金・祝)に現代医療鍼灸研究会の講演があったので聴講参加させていただいた際、座っているのがつらくなり、午後の最終講演を前に帰ろうかと思い始めたが、坐骨結節の後ろに眼鏡ケースを当てたところ骨盤がロックされて少し楽になり、なんとか最後まで聴いて帰ることができた。この、痛みと戦っている間「どこを押したらこの痛みが楽になるだろうか」とあちこちを押してみると、大転子付近(ツボでいうと「環跳」付近)に気持ちよい圧痛があり、押しながら股関節を外転・屈曲・内旋・外旋していると大変気持ちよく、同時に腰の痛みが薄らぐことがわかった。

腰を伸ばすときの痛みは腸腰筋のストレッチでなんとか対応できていたが、どうにもこうにも寝返りなどの体動時の鉛のような重さと痛みが残っている不自由であった。

5月4日、診療の空き時間に「今日こそ結果を出す!」と決意し入念にチェックしたところ、罹患筋診断と心地よい圧痛が合致した右中殿筋に対し、立位での鍼とテニスボールを使っての筋膜リリースを時間をかけて行った。
テニスボールでの筋膜リリースは、右側臥位になり、腸骨稜から大転子にかけて体重をずらしながら痛気持ちよいところを探り、見つけるとそこで動きをとめ、しばし痛気持ちよさを味わう(リリース)。これを何か所も繰り返したところ仙骨部の重さが半減。つぎに仰臥位になり大転子付近(後部)にボールを置き、股関節を外転、膝関節は屈曲のパトリックテスト姿位で気持ちよさを味わう。これでまたさらに半減。それからしばらく右側を同じように探しながらやっていたが、これ以上は改善が見られないようなので今度は左の殿筋を探ってみた(左側臥位)。しかし右で見られたあの大転子周囲の気持ち良い圧痛が全くみられない。中殿筋の理学テストをしても反応がない。伏臥位になって左股関節を伸展してみると違和感があったので、仰臥位になり大殿筋にボールをあてて移動してみると下方に心地よい痛みを見つけた。このまま2分くらいリリース。これで寝返り・起き上がり・鉛重さ感は8割がたなくなって大変楽になった。

あとでトリガーポイントの本を見返したらちゃんと載っていました。最初からちゃんと見ていれば…反省。









最終的なあとの2割は坐位で座っているときに出る(やはり仙骨部の)重い痛み。おそらくは腸腰筋が関係していると思われるがこれをまた研究していく。


ちなみになぜ今回こんなにも股関節周囲筋に負担がかかったのか考えてみる。
おそらく過去最高であろう太り具合。体重は増え、筋トレもしない。筋肉のコルセットであるインナーマッスルも衰えぼっこり出るお腹。この重たくなった上半身を支える腰仙部や股関節が容量を超え悲鳴を上げたのだろう。




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