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ボクシング・テレビ&ビデオ観戦記

VTR整理の為DVDへダビングついでにブログを設定し記録保存します。

No1900 桑田弘(協栄)vs新井久雄(陽光アダチ)

2010年12月30日 00時37分54秒 | ボクシング
(日本S・ライト級タイトルマッチ)
 世界8位にランクし10度の防衛を誇る磐石な王者桑田が、2度目の挑戦となる2位新井を迎えて行う一戦。

 共にアマ出身故テクニカルな戦いが予想されたが、初回より新井の積極性が功を奏し、自分から前に出て自慢の左ストレートで桑田を後退させ、ハーフタイムの声が聞こえる頃に放った右フックや終盤の左ストレートで王者をピンチに陥れる。

 尻を叩かれた桑田は2Rより新井に迫り、らしくない左右フックを振るうが、その攻撃が雑な為気持ちと伴わない。そんな王者にカウンター戦法でリズムを掴んだ新井がタイムリーな左が捕らえ続け、中盤は一層其の差が明確となる。

 迎えた7R、右フック~左ストレートで桑田をフラつかせ、更に左右連打でスタンディングダウン、此処は再開に応じた王者へ挑戦者の左が決まり大きく顔を跳ね上げた姿を見たレフェリーが賺さず試合をストップ。

 日本の先に眼をやり過ぎ、虎の子のタイトルを失った桑田の慢心が、番狂わせを演じた結果となりましたが、新王者新井にとって、前戦でKOした笠木康人(ワタナベ)戦での勝利が、良い流れを引き寄せたと思われました。

 
 

No1899 ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)vsパエア・ウォルフグラム(トンガ)

2010年12月29日 10時24分10秒 | ボクシング
(アトランタ五輪S・へヴィー級決勝)
 いつもながらキューバ勢が席巻した今大会の最重量級の決勝に、トンガの選手が勝ちあがってきた事に驚愕した一戦。

 初回見るからに巨漢の怪人ウォルフグラムは、195cmとナチュラルなS・へヴィー級のクリチコに対し、左フックを振るっていくが、ウクライナ人のジャブにインファイト出来ず得意のコンビが届かない。

 2R以降その流れは顕著になり、長身から放つクリチコのジャブを打ち込まれ成す術無いままに試合終了。

 ポイントは見た目程の差はつかず、7-3でクリチコを支持しトンガ初のチャンピオン誕生とはなりませんでした。

 この後両者はプロで再戦するわけですが、その時ではこの日の10倍実力差が開いてしまっていましたね。

No1898 ロセンド・アルバレス(ニカラグア)vs佐藤健太(仙台)

2010年12月26日 13時26分52秒 | ボクシング
(WBA世界M・マム級タイトルマッチ)
 元IBF王者でラストチャンスを求めて仙台ジムへ移籍してきた8位佐藤健太ことエリック・チャベスが、インファイトが得意な王者アルバレスを迎えて行った一戦。

 試合は初回~2Rと佐藤の左が再三ヒットする理想的なスタートとなったが、頑強なアルバレスはビクともしない。3Rこの屈強なディフェンスにビビッたのか佐藤は気圧され徐々に下がり始める。

 4R接近戦で右目をカットしたアルバレスだったが、旺盛なスタミナに頼るボクシングでポイントを重ね前半を支配すると、7Rに入っても更にプレスを強め、右の強打で佐藤フラつかせる。

 終盤になると完全にアルバレスが支配し、11R左フックを貰った佐藤がバランスを崩しロープダウン寸前。其れでも配色濃くなった佐藤は最後の力を振り絞り、12Rアルバレスがバランスを失った所で佐藤の左がヒットしダウンするも、レフェリーはスリップと判断、結局挑戦者の逆転成らずに試合終了。

 日本のリングで初めてファイトしたアルバレスが王座防衛に成功しましたが、彼がリカルド・ロペスに唯一勝ち星を与えなかった男になるとは、露にも思いませんでしたね。

No1897 安藤謙三(グリーンツダ)vs戸高秀樹(宮崎ワールド)

2010年12月25日 16時53分14秒 | ボクシング
(日本L・フライ級王座決定戦) 
 広島グリーンアリーナで直接観戦した王座決定戦は、2位安藤と7位戸高との一戦、特に安藤は王座を返上した塩濱の後を継ぐべく気合いが入った中、試合開始となる。

 しかし、その意気込みが力みとなり、初回戸高がこの頃得意としていたスウィッチ戦法を駆使し上々のスタートを切る。2R安藤が左右のショートで飛び込んでも戸高はフットワークでいなすが、安藤も風車の様な連打で対抗する。

 3R安藤が距離を掴むと、4R~5Rボディで戸高をロープに詰め前に出る事を許さない。

 しかしフットワークを思い出した戸高が6R、サウスポースタイルからジャブ・ボディ~左ストレートで流れを引き戻すと、7Rアウトボクシングが冴えを見せ続ける。

 が8R安藤の左フックが2発・3発と決まり予断を許さぬ展開となり、9R流れを察した戸高がオーソドックスに戻して左~右を叩きつければ、10R安藤もペースアップし、足を止めて打ち合いに来た戸高へ、逆に打撃戦に持ち込み戸高の右目から出血が見られる中、試合終了のゴングが鳴らされる。

 シーソーの様にペースが行ったり来たりするジャッジ泣かせの難しい展開、私は1点差で安藤だったが、オフィシャルは意外にも3者共3~4ポイントの中差で戸高を支持し、宮崎へ嬉しい日本王座を齎しました。

 後に世界王者となる戸高が、この頃見せていたスウィッチ戦法を見られただけでも、貴重な体験をしたと、今になって思えば回顧出来る一戦でした。

No1896 イーモン・ローラン(英)vsホセ・ルイス・ロペス(メ)

2010年12月25日 10時05分55秒 | ボクシング
(WBO世界ウエルター級タイトルマッチ)
 地道に防衛を重ねる王者ローランが、地元にメキシコ王者で1位のロペスを迎えて行う指名試合。

 初回大体はジックリ型の多いメキシカンだが、敵地故かロペスが意表を突く速攻を仕掛けて、左で様子見のローランに対し逆に強烈な右をティンに打ち込み先制のダウンを奪う、ダメージ深い王者が起死回生の左フックを空振った所へ左アッパーのカウンターで2度目、立ち上がったものの猛攻を浴び三度ダウン、フリーノックダウンで戦う意志を示したローランだったが、玉砕戦法の大振りフックに出た所へ挑戦者は正確無比な左右フックでロープに詰め、最後は左フックを振り抜いて試合終了。

 ロペスの速攻に成す術もなかったローランが6度目の防衛に失敗しましたが、メキシコの底辺の深さを知らしめた、此処まで無名のロペスの王座戴冠式でしたね。

No1895 ”ダーク・デストロイヤー”ナイジェル・ベンvsスラニ・”シュガーボーイ”・マリンガ

2010年12月25日 00時58分38秒 | ボクシング
(WBC世界S・ミドル級タイトルマッチ)
 ”暗黒の破壊者”ベン(英)が迎える大台10度目の防衛戦は、”甘ったるい少年”という仇名の36歳マリンガ(南ア)相手の、ある意味美味しい指名試合、さっさと倒しちゃいましょ。

いつもは最初から出てくるベンだが、この日は静かな立ち上がりで、序盤はリードブローの突き合いに終始する。3Rから漸くベンがプレスを強め主導権を握る。

 5Rマリンガが足を使ってジャブを突きヒット&アウェイでリズムを掴み出した所へ、ベンが強烈な右をカウンターでヒットさせると挑戦者堪らずダウン。しかし6Rから再びマリンガはリーチを活かしたジャブを有効に決めると、ベンの右目が腫れてくる。

 8R余裕のマリンガはジャブ~左右フックを好打しリズムを掴むと、其の後のラウンドは冷静にベンの強打を警戒しゲームをコントロール。

 最終回マリンガのジャブ~右ストレートがベンの顎をかすめると、王者はバランスを崩し痛恨のダウンを喫す。


 ダウンを1度ずつ奪い会った一戦、オフィシャルの採点は2-1と割れたものの、マリンガを支持し、南アフリカのベテランボクサーに、遅い春の様なタイトルをプレゼントしました。
 
 この日の戦いを見直すと、ジェラルド・マクラーレン(米)を再起不能へ追いやったベンの戦力は、既に相手をデストロイドする殺気を奪い去ってしまわれた様でしたね。

No1894 池森久貴(帝拳)vs岡本泰治(勝間)

2010年12月24日 10時37分09秒 | ボクシング
(’95東日本S・フライ級新人王決定戦)
 元高校アマエリートから名門帝拳入りした池森と、元キックボクサーで28歳とやや糖のたった岡本との対照的な二人の決定戦。

 試合は序盤より岡本が右のクロス~アッパーを狙い撃ちし攻勢をとる。

 池森も自慢のテクニックを駆使しディフェンシブに戦うが、格闘技のキャリア豊富な岡本は3Rより逆に誘う様に打たせながら突破口を見出し、一見反撃を受けている様に見えるも百も承知な展開。

 終盤池森にダメージが蓄積されたと察した岡本は、6R意を決して勝負を賭け、最後は右フックの狙い撃ちを叩きつけるとレフェリーが試合をストップ。

 エリートでも相手を呑んでかかった岡本が見事なKO勝利を飾り、敢闘賞を獲得しました。

No1893 間所俊晴(草加有沢)vs東條達也(相模原ヨネクラ)

2010年12月24日 08時10分16秒 | ボクシング
(フェザー級8回戦)
 豪快なKOで牧野健次(八尾)を破り全日本新人王に輝いた間所が、獲得後初試合となる一戦は、粘り強い東條が相手、ここも豪快に倒しちゃいましょ。

 初回出足は決して悪くなかった間所は、2R東條のアッパー~フックの上下の打ち分けに押され気味だったが、3Rは東條のボディへ左右フックを叩きつけ更に右ストレートで仰け反らせる。

 中盤は手数で互角の展開も、パワーで勝る間所が打ち勝った状態だった。

 しかし7R,東條が終盤に間所をコーナーに詰めて左右の連打を浴びせると、8Rにも連打で攻め間所をダウン寸前に追い込む中、試合終了のゴングが鳴らされる。

 最後2ラウンドを獲った東條が、強打に感けてスタミナに懸念のあった間所を攻め込んで、2-0ながらもポイントをゲットし、嬉しい勝利を手繰り寄せました。

 10戦目で痛い初黒星を喫した間所、自慢のパワーを活かす為にも、1にも2にもスタミナアップが課題となりますな。

No1892 スズキ・カバト(新日本大阪)vs崎向長市(大鵬)

2010年12月23日 23時03分45秒 | ボクシング
(フライ級8回戦)
 キャリアはあるものの来日して3戦全敗のカバトに、アマキャリアがあり子連れながら4戦全勝のホープ崎向がステップアップを期して挑んだ一戦。

 初回からカバトがアグレッシブにコンビネーションで攻めれば、崎向もパンチをお返しするが、意外に身体の柔らかいの前にその強打は空を切るばかり。2Rもカバトは左へ回ってはパンチを避けカウンターを的確にヒットしリズムを掴む。

 3Rいよいよ防戦一方となった崎向に、余裕のレッスンを施すカバトは、ボディで相手のフットワークを止め、上へのストレートで与えると崎向はダメージを蓄積。迎えた5R、カバトが連打で多彩なコンビネーションを浴びせると崎向は立て続けに3度のダウンを喫し試合終了。

 カバトが嬉しい来日初勝利を収め、逆に崎向に初黒星を与えました。

 この後の二人は、カバトが日本王者になったのに比べ、失速してしまった崎向を見ると、両者にとってターニングポイントとなった事に間違いない一戦となりましたね。

No1891 リカルド・”フィニート”・ロペスvsケルミン・グアルディア

2010年12月23日 13時22分20秒 | ボクシング
(WBC世界M・マム級タイトルマッチ)
 此処まで35戦全勝と”完璧”を誇っていた王者ロペス(メキシコ)に、個人的に唯一対抗出来得る選手と思っていたのが、この日の相手グアルディア(コロンビア)、トップコンテンダーで撓う様なパンチが魅力の21戦全勝の挑戦者に注目する中、試合が始まる。

 右のロペスに左のグアルディアという喧嘩四つの戦いは、初回リードブローの探り合いの中早くも王者が先手をとり、サウスポーに対する行き成りの右を上下に打ち分けると、挑戦者も左ストレートで積極的に仕掛け始める。2R良い流れを引いたグアルディアの左右ストレートでロープを背負ったロペスが打ち返そうとした所に挑戦者の右フックが顎をかすめると、王者が腰を大きく落とすと、前半はどうにもリズムが掴めず強引な攻撃が目立つ。

 それでも5R終盤、漸く右ストレートをカウンターしペースを取り戻したロペスは、中盤其のパンチでグアルディアを幾度もグラつかせ、9Rには右から繋げた左フックで挑戦者を仰け反らせる。

 後半に入りグアルディアのボクシングは段々と荒っぽく雑になり、11Rには故意のバッティングで減点を喰らう。

 終盤はロペスが右ストレートを主体にグアルディアを自在にコントロールし、必死に反撃するが、王者のパンチは正確で挑戦者を何度もフラつかせる中、試合終了に持ち込まれる。

 中盤以降を制したロペスが、大差の判定をモノにしましたが、痩せぎすのサウスポースタイルのグアルディアがもう少しロペスに通用するかなと思ったのですが・・・。