ボクシング・テレビ&ビデオ観戦記

VTR整理の為DVDへダビングついでにブログを設定し記録保存します。

No1910 アイザック・セントゥワ(緑)vs洲鎌栄一(尼崎)

2011年01月02日 17時19分51秒 | ボクシング
(フェザー級10回戦)
 共に1度は辛酸を舐めて、順調に再起を図ったモノ同士の激突は、元アマアフリカ王じゃで日本6位の快速セントゥワと、全日本新人王の経歴を持つ強打のノーランカー洲鎌との、肩書きを遥かに超えた危険な香りがプンプンとする一戦。

 試合は予想通り初回よりスピーディでスリリングな展開で、セントゥワがシャープなパンチを振り抜けば、洲鎌がダイナミックに迫ってくる。

 迎えた5R、自慢の右ストレートをヒットし一気に追い込みショートの連打で畳み掛けると、セントゥワはロープ際で崩れる様にダウン、立ち上がったセントゥワの右カウンターを1度は浴びたものの、委細構わず猛ラッシュを浴びせてレフェリーストップ!

 圧巻な攻撃でサバイバル戦を勝ち抜いた洲鎌、此れでランク復活となり日本王座へ駆け上がっていくキーポイントとなった記憶に残る一戦でしたね。

 

No1909 井岡弘樹(グリーンツダ)vs徳山昌守(金沢)

2011年01月01日 23時58分14秒 | ボクシング
(S・フライ級10回戦)
 飯田覚士(緑)には惜敗したものの、東洋圏初の3階級制覇を目指し、再起第2戦を行う井岡の相手は、嘗てのステーブルメイトで元全日本新人王で過去2度日本タイトルに挑戦経験があるものの、とある事情でブランクを作り、此れも再起第2戦のノーランカー徳山を迎えて行う一戦。

 初回この日の井岡は身体の切れ・スピードとも全盛期には程遠く、開始早々から徳山が積極的に仕掛けていき、槍の様な右ストレートで攻勢に出る、左の突き合いでも井岡はグラつき、右を外されて逆にカウンターを喰らい井岡は再びフラつく不安な立ち上がり。2R井岡は右で飛び込み反撃を試みるが、踏み込みに乏しく徳山の攻撃に晒されてしまう。3R井岡は徳山の右ストレート~左フックのコンビで顎を跳ね上げられ後退してしまう。

 4R徳山の右でロープに詰まった井岡は更に被弾し、プレスを増した徳山は更に左右連打を浴びせ元王者をグロッギーに陥れる。5R余力の残っていない井岡は、徳山の右ストレートをクロスで浴びた姿を見たレフェリーが賺さず試合をストップ。

 一方的な内容で殊勲のKO勝ちをした徳山、彼にとってエポックメイキングな試合となったこの一戦の自信を糧に、この後OPBFから世界へとステップアップしたのは、ファンならずとも周知の事だよね、それにしても見事な戦い振りでしたね。

No1908 レイナンテ・ハミリ(比)vsアイザック・セントゥワ(緑)

2011年01月01日 13時24分15秒 | ボクシング
(OPBF東洋太平洋S・バンタム級タイトルマッチ)
 アマ・アフリカ王者の実績を持って日本のリングでチャンスを求めてプロ入りし、此処まで6戦全勝のレコードを誇る5位セントゥワが、王者の保持する世界2位のランクも奪い取るべく、名古屋のリングにハミリを迎え入れて行う一戦。

 日本のリングでは竹永英章(三迫)や田中秀利(筑豊)をKOして其の強打を実証しているハミリが、初回よりお馴染みのパンチを炸裂させ、サウスポーのセントゥワの鋭利な顎に行き成りの右をヒットさせ先制のダウンを奪う。2R其れでもセントゥワはバネのある動きからしつこくジャブを突いて態勢を立て直すが、3Rハミリが又もや右をヒットして再びダウンを奪う、王者は決して手数が豊富という訳では無いが、的確なパンチでセントゥワにつけ入る隙を与えない。

 4Rセントゥワが右フックを叩き込むシーンもあったが、ハミリが其れを上回るプレッシャーで仕留めにかかり、嵐の前の静けさだった5Rを終え、迎えた6R開始早々に右アッパーをセントゥワのボディへ突き刺すと、スパーで脇腹を痛めていた挑戦者は堪らずディレードダウン、苦しそうな表情を浮かべていたセントゥワは立ち上がる事が出来ず、カウント中にタオルが投げ入れられ試合終了。

 嘗て私の好きだった、友伸ナプニ(ヨネクラ)に通じるセンスあるアフリカン・アウトボクサーのセントゥワでしたが、王者ハミリにプロの洗礼を受けた格好になってしまいました。

No1907 名護明彦(白井・具志堅)vs山口圭司(グリーンツダ)

2011年01月01日 12時08分03秒 | ボクシング
(日本S・フライ級タイトルマッチ)
 当時、世界を狙いうる日本の至宝と呼ばれていた王者名護に、元世界L・フライ級王者で世界5位の山口を、出身地の沖縄へ呼び寄せて行った、沖縄リング1の好カード。

 共にアマ高校王者まらプロ入りした者同士故、初回からハイレヴェルな攻防となったが、先ずは地元のリングで意気込む名護が仕掛けていき、元世界王者へハイプレッシャーを浴びせていくと、アウトボクサーの山口はフットワークを駆使して距離をとりジャブで様子見の展開。2Rも片方が仕掛けると、もう一方から鋭い反応が還ってくる展開が続く、終盤山口がバランスを崩した所へ名護が左~右を繋げるが、まだまだ明確なリードを奪う迄には至らない。3R名護の重く迫力あるパンチを警戒しつつ、山口が今まで以上にジャブを多用すると、元々手数の少ない名護には効果的で、王者は其の対策に苦慮し始める。

 4Rやはり山口の巧みに使い分けるジャブが試合を支配し、左ストレートのタイミングを掴んでくる。5R~6R山口が仕掛け、名護が返すという神経戦が続く。

 7R名護はやっと右ボディ~右フックを顔面へ切り返し見せ場を作るが、その攻撃は長く続かず、微妙なラウンドが中盤綿々と続く。8R名護はミスブローを重ねながらも左ストレート~右フックを繰り出し、山口を守勢に回し、攻守を逆転さす。9Rは右フックを放つと、山口は効いてないよとのアピールを体現させる。

 迎えた最終回、両者は互角の展開を意識して、漸く激しいパンチの交換を繰り広げて、お互い左ストレート~右フックの切り替えしてグラつかせ合いを展開も、ダウンを奪う迄には到らず、、あっという間に試合終了のゴングが鳴らされる。

 採点の難しいラウンドが続くも、オフィシャルは僅差ながらも三者共名護を支持し、ベルトと不敗レコードを守り抜きました。

No1906 ニコ・トーマス(インドネシア)vsウルフ時光(岡山守安)

2010年12月31日 16時50分09秒 | ボクシング
(OPBF東洋太平洋M・マム級タイトルマッチ) 
 地元岡山は倉敷のリングに、元世界王者で倍以上のキャリアを誇るベテラン王者トーマスを招き入れ、自身初のタイトルに挑む事となった5位時光、期待と不安が入り混じる中、試合開始のゴングが打ち鳴らされる。

 初回硬さの残る時光へトーマスの左ストレートが伸びる、未だ威力は無いもののタイミングがバッチリでサウスポー対策不足な挑戦者は戸惑うばかり。2Rもトーマスペースだったが、時光もダックで避けながら右のショートアッパーを突き上げ距離を掴み始める。そして3R開始早々、時光はスリップの臭いプンプンも左フックを浅いながらもヒットさせダウンを奪う、此れを境にペースが入れ替わり挑戦者の攻撃に自信が漲り始める。

 4R以降反比例の如くトーマスは後退するシーンが多くなり、6R右目をカットした時光だったがボディが有効で距離を完全に支配する。

 7R~9R時光は持ち前の細かな連打でポイントを積み重ねる。

 10R其れでもトーマスはベテランらしく左のロングフックを立て続けにヒットさせ時光の動きを止める。11Rしかし王者の攻撃も此処まで、スタミナ自慢の時光は若さを生かした手数豊富な攻撃で打ち勝り、12R追撃を許さず岡山のファンが盛り上がる中、試合終了のゴングが鳴り響く。

 採点は意外にも2-0ながら、時光を支持し、岡山に初のOPBF王者誕生と相成り、俄然中国地方のファンにとって、世界が身近になった事を思い出されます。

No1905 レイナンテ・ハミリ(比)vs田中秀利(筑豊)

2010年12月31日 07時55分00秒 | ボクシング
(OPBF東洋太平洋S・バンタム級タイトルマッチ)
 前戦で軽快なボクシングを披露し日本王座にあと一歩と迫った3位田中が、世界3位の王者ハミリを地元田川に呼び寄せて行った一戦。

 初回はお互いの実力を探るべく様子見に終始したが、田中は足も軽く上々のスタートを切る。

 2Rハミリがボディを仕掛けてくると、何度かロープに追われた田中だったが、大人しく引き下がる事無くお返しのボディからサイドへ回り込み、王者のプレスをサラリとかわす、しかしハミリは更にプレスを強め、回り込もうとした挑戦者より一瞬早く放ったストレートをボディへ突き刺すと、田中の腰が折れガードが下がった所にフック~二段打ちの右を顔面に浴びせると、挑戦者はキャンバスへ崩れ落ちる様にダウン、このダメージは事の他深く、暫くの間立ち上がる事が出来ずに試合終了。

 田川のファンを沸かす事も無く仕事を終えた、ハミリの強さだけが印象に残ったKO劇でした。

No1904 カルビン・ランプキン(米)vsアンソニー・Tボーン・グリーン(米)

2010年12月30日 21時31分33秒 | ボクシング
(ライジングサン・カップ へヴィー級決勝)
 三迫ジム主催興行のリングで行われたトーナメントの決勝戦は、スピード自慢のランプキンと120kgとパワーが自慢なグリーンとの一戦。

 初回より長身のグリーンがショーボートな態度を示し時折ワイルドなブローを叩きつけると、ランプキンは丹念にジャブを突き、あくまでもボクシングで勝負するが、距離の違いもあり、其のパンチは浅い。

 2R以降それでもランプキンの流れる様なブローがペースを握り、3R逆にグリーンのトリッキーなボディブローでポイントを挽回。

 4R迄は一進一退の攻防が続くが、5Rランプキンが再びリズムを引き寄せ、6Rには疲れの見られるグリーンをグラつかせる。

 結局ラストスパートがモノを言い、ランプキンが僅差でカップ戦の頂点に輝きましたが、トーナメントの名の如く、更なるライジングとはなりませんでした。

No1903 ニコライ・ワルーエフ(露)vsロドニー・ハリス(米)

2010年12月30日 16時47分47秒 | ボクシング
(へヴィー級4回戦)
 坂本博之(角海老宝石)世界初挑戦の前座を飾った一戦、如何にもキワモノ然とした身長218cmのワルーエフがトップロープを一跨ぎしてリングに入場するシーンに、世界戦を楽しみに来たファンも驚愕の声、相手はタイソンのスパーリングパートナーを勤めた事もある190cmのハリスが相手。

 両者が対峙するとまるで大人と子供、いや其れ以上のサイズの違いに吃驚。

 しかし試合が始まってみると、9戦全勝のワルーエフは如何にもロシア然とした正調ロシアン・アップライト・スタイルで牽制のジャブを突く正統派で、初回そんなワルーエフの懐へ入るべく懸命に顔面を狙うハリスだが、余りにも距離が遠すぎる。

 慎重な前半を終えると、3Rからヒートアップし、パンチにもスピードが増しコンビを繰り出し、リードを突きクロス気味にオーヴァーハンド・ライトを放つ。4Rには些か打ち急ぎ気味のハリスへジャブをカウンターでヒットさせる余裕の戦い方を披露する中、無事試合終了のゴングが鳴らされる。

 先ずは危なげない戦い振りを披露したワルーエフがデビュー以来10連勝を飾りました。
 この後、日本のリングで戦う事は無かったものの、キャンプで何回か来日したワルーエフが、世界王者迄昇りつめるとは、露にも思いませんでした、巨人君御免なちゃい。

No1902 舘岡恭(新日本木村)vs杉田竜平(畑中)

2010年12月30日 08時13分36秒 | ボクシング
(’97全日本S・フェザー級新人王決定戦)
 東西MVP対決という注目の一戦は、アマキャリアがあり父親も新人王だったという親子鷹の舘岡と、元世界王者が育てた叩上げの杉田という激突。

 初回先ずは杉田が真っ直ぐ伸びる右ストレートで舘岡をたじろかせると、舘岡も右アッパーやフックで攻守逆転。2R舘岡は回転の速い連打で応じるが、杉田の右ストレートが予想以上に重く、そのまま優位に前半を終える。

 3R杉田は右ストレートに次ぐ左フックで舘岡の動きを鈍らせるが、4R以降は舘岡の奮闘が目立ちポイントを返していく。

 5R杉田のパンチを浴びながら連打を返していった舘岡は、6R杉田を何度かグラつかせるも、気持ちの強い杉田はクリンチに出る事無く必死にパンチを交換する中、あっという間に試合終了のゴング。

 ファンが固唾の呑んで見守る中、判定が発表されるが、三者三様の引き分けで決着つかず、新人王戦ルールに則り、杉田が攻勢点を評価され勝者扱いで頂点に輝きました。

 史上初の親子新人王ならずの舘岡でしたが、敗者扱いにも関わらず敢闘賞に輝いた事からも、その評価が下る事はありませんでした。

 しかし、此処での勝者扱い・敗者扱いが二人の其の後の明暗を分けた感があり、杉田は後に日本王者から世界挑戦までいったに比べ、私自身は杉田より総合力は上と見ていた舘岡は、ランクに入るのが精一杯で残念でした。

No1901 笠木康人(ワタナベ)vs岡山茂生(ウエストジャパン)

2010年12月30日 07時23分26秒 | ボクシング
(S・ライト級10回戦)
 共に体躯の大柄な同士の一戦は、ランク4位の笠木が博多モンのノーランカー岡山を迎えて、タイトル初挑戦に箔をつけるべく行われた一戦。

 初回選先手を取ったのが岡山で、派手な左右フックでプレスをかけていくと、呼応した笠木の大振りパンチを誘い、其処でカウンターの右ストレートを決めて先制のダウンを奪う。

 ここは慌ててチャンスを逃した岡山だったが、2R以降はジャブを丹念に突いてチャンスを待ち、対する笠木は焦りからか前に出るだけとなり其のジャブを容易に貰ってしまう。

 4Rしつこい程の左を貰った笠木の顔面は腫れ上がり両方の目が潰れてしまう。結局インターヴァル中に笠木陣営は棄権を申し入れ白旗となり、岡山が殊勲のKO勝ちを飾りました。

 敗れた笠木はランクを下げる結果となりましたが、前戦で新井に倒されてから、キレを捥ぎ取られてしまった感がありましたね。