五行目の先に

日々の生活の余白に書きとめておきたいこと。

8月7日(土)晴れ

2010-08-16 23:49:48 | Weblog
 8時起床。今日は実家の朝食にしては珍しくトーストのみ。ただしジャムやバターの種類が充実していて、あれこれ違った味を楽しむ。

 東京駅に出て、京葉線に乗り換えて舞浜に向かう。TDR周辺のシミュラークル的空間を楽しむつもりでやってきた。イクスピアリに行ってみる。なるほど、お台場のヴィーナスフォートにどこか通じるところがあるような。ディズニーランドとディズニーシーに人が流れて、こちらは空いているのだろうと思っていたが、結構な人出だ。暑さのなか、チアリーディングショーの開始を待つ人々がたくさんいる。

 リゾートゲートウェイ・ステーションからディズニーリゾートラインに乗ってひと駅、東京ディズニーランドステーションに行く。ボン・ヴォヤージュを覗いてみるつもりだったのが、目の前の東京ディズニーランドホテルの偉容に惹かれて、そちらに行ってみる。


 豪華といえば豪華である。しかしよくよく細部を見れば、安普請のようにも見える。これぞシミュラークルだ!と喜んで、内部に入ってみる。広大な吹き抜けの空間を見上げる。ここならば、確かにリッチな気分を味わえる。でも、決して手の届かないようなところでもない。そんな感じだ。 


 そろそろお昼どきでもあるので、ロビーにある「ドリーマーズ・ラウンジ」に入る。正面の大きな窓に面していて、開放感があって心地よい。


 サンドウィッチセットを注文する。こちらの価格設定もそんなに高くはない。飲みものはカプチーノにした。見事にミッキーマウスが描かれている。こんな心遣いも何だかいいなあ。ちゃんと夢のある演出になっている。



 ゆったりと食事を楽しんでから、再びリゾートラインに乗る。東京ディズニーシー・ステーションへ。今度はホテルミラコスタの見物にやってきた。こちらはイタリア風。外側から見ると、ホテルそのものというよりは街並みを意識した造りになっている。この辺の建築は、あんまり近寄らずに、少し引いたところから眺めるのがいいようだ。


 ロビーに入ってみると、こちらはドーム天井になっている。天井画もちゃんとある。けれども聖性は感じさせず、あくまでもリゾートの気分である。


 ホテルのロビーからは、ディズニーシーへの内部へと通じるエントランスがある。その手前から園内が望めるのだが、どうやらそれほど混雑していないようだ。えい、せっかくここまでやってきたのだ。ついでに入ってしまえ、とチケットを買う。いやはや、1年に2度もここを訪れることになるとは、思ってもみなかったな。だが、1月に来たときに、また来たいと思っていたのも事実だ。

 前回あちこち歩き回っていたので、何となく土地勘はある。今日は極力怖いものは勘弁。お目当てのアトラクションはたったひとつである。

 まずは「海底2万マイル」のファストパスを手にし、「フランダーのフライングフィッシュコースター」に乗る。おそらくはあらかわ遊園などにある、子ども向けのジェットコースターと同レベルなのだろうが、僕にとってはこれとて恐怖の乗りものである。ジェットコースターに乗っているときには声を出すといい、と先般習ったので、乗っている間、「わーーーー」と声を出してみた。いくらか恐怖が抑えられたように思う。

 続いて、僕の愛してやまぬアトラクション、「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」に乗る。「正体」に気を回すのは無粋とは知りながらも、坂元健児さん演じるシンドバッドの歌う「コンパス・オブ・ユア・ハート」に聴き惚れる。デジタルカメラの動画機能を活用して、撮影しながら乗る。終点に近づくと、何だかこみ上げてくるものがある。これこそ僕の求めていたものである。

 1月にはメンテナンス中で乗ることができなかった、「インディー・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」に入る。映画を観ていたから並んでみたものの、これって怖いんじゃないのか?前へ前へと進むにつれて、恐怖感が高まる。近くに並んでいた人が、「センター・オブ・ジ・アース」よりは怖くない、と語っているのを信じる。


 さて、順番がやってきた。かなり緊張していたが、動き出してみると、お、これなら大丈夫。かなり面白い。途中からは余裕も出てきた。最後の最後に、うぉーっという感じになったが、これは楽しい部類であった。出口のところに掲出されている写真の表情を見ても、ちゃんと笑っている。



 あちこち日光を避ける場所こそあるが、やはり暑いことには変わりがない。途中途中で休みながら水分を補給する。乳母車に乗っている赤ちゃんなんかはかなりぐったりした様子である。

 「ストームライダー」の列に並ぶ。15分程度の待ち時間というのは、比較的短い部類のようだ。こちらも怖そうな感じではあった。実際に座ってみると、目まぐるしく変わる映像を見ながら、座席が揺れる。だがこの感覚というのは飛行機で慣れている。飛行機の、あの、いつになったら終わるんだろう、という揺れから思えば、所詮作りものの揺れである。

 外に出ると、上空を本物の飛行機が飛んでいく。あっちのほうがやっぱり苦手だ。

 「海底2万マイル」の指定時間が近づいた。これも好きなアトラクションだ。漠然とした潜水艦への憧れがあるからだろうか。だが座った場所が今ひとつだったような。探照灯を夢中になって動かす。ちょっとホラーっぽい要素もあるようだが、ちっとも怖くないのもよい。ここでの僕のあらゆる判断基準は、怖いか怖くないかという2分法である。

 アメリカン・ウォーターフロントのほうに移動する。前回観られなかった「ビッグバンドビート」というショーを観に行く。勝手を知らず、事前にチケットを確保しないまま劇場のほうに行ってしまった。教えられて今日の最終公演のチケットを手にする。

 それまでの時間、まだしばらく余裕がある。「スカットルのスクーター」で風を切って涼んでから、本日2度目の「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」へ。今度はカメラには一切手を付けず、一心に音楽と眺めを楽しむ。しかしこのアトラクションは空いているな。すでに1列おきにお客さんを乗せるようになっている。退屈そうに乗っている人には、「このアトラクションのよさがわからんか!?」と問いかけたくなったりもするが、もちろん自重する。

 昨年うっかり止めてしまった「アクアトピア」は、システムメンテナンスのために停止してしまっていた。リベンジを果たせず、残念。「ディズニーシー・エレクトリック・レールウェイ」の電車に乗る。高架のホームからの眺めは格別だ。





 「ビッグバンドビート」を観る。ブロードウェーを意識したかのような劇場に、足を踏み入れてびっくりした。それこそ本格的なミュージカル劇場のようなたたずまいである。こんなに広かったのか。

 そしてビッグバンドジャズの演奏をバックに、タップダンサーが軽快な踊りを見せる。少し大人向けの作りになっていて、実に面白い。見せ場はミッキーマウスのドラムプレイのようだったが、僕にとって何よりうれしかったのは、大好きな「Sing Sing Sing」が聴けたことだ。振付のほうは、ミュージカル「コンタクト」のスーザン・ストローマンのほうがやっぱりカッコいいような気がするけれど。いやはや、いいものを見せてもらったなあ。

 終演後、劇場隣りの「ニューヨーク・デリ」でホットサンドを食べる。少し急いで食べた後、外に出る。これから始まる夜のショーの場所取りに動く。

 花火大会でも観るつもりで、柵の土台のコンクリートに腰掛けていた。時間になると、山が噴火して、高脚の照明灯は空から湖面からを照らして、「ブラヴィッシーモ」が始まった。ストーリーのナレーションは聞き逃してしまったが、何でも水の精と火の精というのが軸のようだ。

 ぼーっと眺めていたのだが、そのうち水面が燃えだして、びっくりした。おお、海が燃えている。これって天童よしみの「珍島物語」じゃないか!(あれは「海が割れるのよ~」だ)


 赤々と燃える火に、すっかり目を奪われる。いやはや、すごいなあ、これ。





 最後には、火の熱で顔が火照るようだった。火の精と水の精とでは、インパクトでは火の精の圧勝である。別に優劣を競っているわけでもなかろうが。いやはや、すごいものを見せていただきました。

 さて、そろそろ夜も更けてきた。帰りの時間を考えると、乗ることができるアトラクションはあとひとつ。となれば、行き先は決まっている。無論「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」以外にあるまい。何だかもう、悲しいくらいにガラガラではないか。まったく待ち時間なしで乗船する。

 場面ごとの歌を胸に刻む。勇気をもらえる歌だと思うのだがなあ。シンドバッドの相棒である、チャンドゥも実に愛らしい。


 最後の最後に、シンドバッドが語りかけてくれることばも実に感動的だ。うーん、素晴らしい。夏休みのいい思い出になったぞ。



 思いがけず、好きなアトラクションは繰り返し、それと前回乗れなかったものや観られなかったものを堪能した。入園料を決して高いと思わない境地に、僕が至るとは、まことにもって思ってもみなかったことである。「心のコンパスを信じて、人生という冒険を生きよう」とは、何と素敵なフレーズであろう。何度も何度も反芻したくなる。
この記事についてブログを書く
« 8月6日(金)晴れ | トップ | 8月8日(日)曇り »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事