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『十二月大歌舞伎』 昼~夜

2009-12-17 22:29:32 | 阿部サダヲ+グループ魂+大人計画
昼の部「大江戸りびんぐでっど」
夜の部「雪傾城」「鼠小僧」

大江戸りびんぐでっども鼠小僧もそれぞれ2時間弱あるので、宮藤さんの芝居と野田さんの芝居+αを一日で見た満足感(笑)
また一つ一つが濃いし…(笑)
大江戸りびんぐでっどは札止めの大盛況でした!
幕見の立ち見でも定員以上入れていてビックリ。


『大江戸りびんぐでっど』

いやあ、す、凄い…!
ひるまずどんどんネタを出してました(笑)
屋号ネタは必ず入るんだw
見得は少なかったかなぁ。やったとしても、皮肉だったりおふざけ入ってたし。
そこらへんは、歌舞伎の“違和感”を皮肉った演出です。
他にも歌舞伎・落語ネタが入っていたり。

懲りもせず、また役者さんに色々やらせてた…染様のあんな姿や獅童のこんな姿が!w
あの冒頭のシーンは「蜉蝣峠」を思い起こさせますww
勘太郎は登場シーンから頑張ってました…新婚なのに。。(笑)スリラーまで披露w
七之助は綺麗というよりは、非常に可愛かったw
三津五郎さんは、歌舞伎というよりなんだか大衆っぽい臭いが(笑)
獅童の使い方は…悪ふざけでしょう(笑)
美術もカッコ良かったですし、ダンスも楽しかったです。(振付はリコさん?)
向井さんの音楽は不思議とクセになります。
照明も、こんなの普通の歌舞伎じゃ見られないというのをやってくれました。
怪我人が出たっていうのはあのシーンだったのか…(笑)
派遣=ゾンビのカーテンコールで終幕。
もうちょっと歌舞伎の美しさが見たかったけど、それは他でやってくれるかと。

これは一体歌舞伎だったのか???
売れっ子脚本家の本が上演されるというのは江戸時代では当たり前のことだったと思うし、あくまでも大衆娯楽だから歌舞伎だ!とも言えるし…
でもやっぱりあれだとついていけない人も多いだろうし、古典的なものから離れているから歌舞伎ではない!とも言えるし…
つか歌舞伎ってナニ!?ってなりますね…娯楽性が優先なのか、芸が優先なのか。。
私はクドカンに慣れすぎているから、なんかよく分からないのですが…
難しいけど、明らかにお客さんに若い人が多かったので、その点ではやっぱり意義のある面白い企画だったと思います。
歌舞伎から離れすぎるという危惧はありますが、それ以上にメリットがあるからこういうのはもっとやるべき!
この先が楽しみです


『雪傾成』

傾成だし季節感ありそうだし…という適当な想像で見ました(笑)
幕が開くと、かわいらしい雪だるま♪
背景も雪景色で、お客さんから感嘆の声が。
ほとんど何も考えず、綺麗だな~可愛いな~と見てました。
子供の踊りが何とも可愛いんですよ!
七之助はやっぱりキレイ!!


『野田版 鼠小僧』

流石、野田秀樹!!
圧倒的な演出!
まず最初の染五郎さんの歌舞伎の舞台(つまり劇中劇)の演出からいきなり面白い!
早いテンポでどんどん進む中盤までに比べて、終盤の見せ方は上手いなぁ…
歌舞伎の割には論理的な部分もありますが、演劇的な笑いの演出がとても多いです。

具体的には言われませんが、“三太”はつまり…。。
素敵だけど皮肉というか…
大衆の描き方も現代っぽい。
雪の降る“ぼんぼんぼんぼん…”という音ではなく、鈴の音が使われていたことが印象的でした。
役者では勘三郎さんはもちろん、福助さんが良かったです!

ただ、これも、野田さんの芝居だということは確かだけど、歌舞伎だったのか?と言われれば、”?”。



江戸りびんぐでっど・鼠小僧を見て、共通するところはテンポが速い!ということでした。
歌舞伎は必ずゆっくり美しく見せる部分があるけど、この2作はほとんど無かったんじゃないかなぁ…
しかしまあ、昼にクドカン夜に野田秀樹、しかもさよなら公演なのに…本当にスゴいですね、松竹さん。。
歌舞伎を観に行った、というよりは物見遊山かなw
古典歌舞伎のように、後世まで上演されるような新作が作られますように。


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