ごくまれ日記

思いついたこと、書きたいことをごくまれに投稿します。

「おんな城主直虎」第50話

2017-12-25 14:44:34 | 映画・ドラマ
直虎「ここのところのことで思うたのですが、表の世でうまくいかぬ者は必ず出続けましょう。さような者たちを逃がしたり、生き直す場を与えたり、世に戻るための洞穴(ほらあな)のような役目を果たすところがいるのではないかと。そのためにも、ここにはもはや、世捨て人がおるだけ、ただの一つの寺があるだけとしたほうが、動きやすいのではないかと」


直虎「(前略)ただもう、井伊の者はここにはほとんどおりませぬし、この際寺田家残し、井伊谷井伊家はさっぱりたたんでしまおうかと」
近藤「よいのかそれで!? 先祖代々の地であろう!?」
直虎「井伊の家の者である証… それは、それぞれの身の内にあると。それでよいと思うのです」
近藤「で、そなたは隠居なさるのか?」
直虎「私はここから徳川に天下を取らせたいと思います(後略)」


直政「碁石?」
和尚「井伊の魂じゃ。何じゃと思うそれは?」
直政「井伊が井戸端の拾い子が作った国。故にか、殿はよそ者に温かかったです」
和尚「うむ。それから?」
直政「民には竜宮小僧のようにあれかしとし、泥にまみれることもいとわず、恐れず、戦わずして生きて行ける道を探る…」
和尚「殿は、小さな谷でそれをやった。そなたはそれを、この日の本を舞台にやるのじゃ! 頼んだぞ」


直政「井伊万千代、皆様に一生のお願いがございます。どうか私に、北条との和睦の使者をお任せくださいませ!」
酒井忠次「和睦は相手あってのもの。若造をよこしたと怒らせては元も子もない!」
直政「恐れながら! 若造であるが故のよさもございますかと。徳川の下に入れば、たとえ敵でも若造でもつぶれた家の子でも悪いようにはされぬ、それどころか、使者を任されるほどに重きに扱ってもらえるかもしれぬ、何故というならば、目の前に左様な若造がおるからじゃ、そう思うていただけるのではないでしょうか?」



「おんな城主直虎」第46話~万千代・家康

2017-12-03 03:19:30 | 映画・ドラマ
万千代「昔、井伊の先代も、一人で碁を打っておりました。幼い私には一人に見えましたが、和尚に『あれは一人ではない』と言われました。見えぬけれども、相手がおると。その者から、私は碁を教わりました。その者は教えてくれました。負け戦になってしまったら、そもそもどこで間違えたかを確かめよ、と。次に勝つためには!」
家康「次に、勝つ?」
万千代「負けた意味は、次に勝つためにあると! お方様が見ておられます。考えましょう! この先の徳川のために!」

「おんな城主直虎」第46話~直虎・南渓和尚

2017-12-03 03:06:33 | 熊本地震
直虎「かようなことが、ずっと繰り返されるのでしょうかね、武家の世は。理不尽に命を差し出せと言われ、差し出すほうは本懐などと笑い… いっそ、大名が一堂に会し、いやーっと盟約を結んでしまえばよいのです。さすれば、戦もやりにくうなりましょうし、戦がなくなれば、かような愚かしい命のやり取りもなくなりましょう」
南渓「ならば、やってみてはどうじゃ?」
直虎「できるわけがございませんでしょう。左様な夢のような」
南渓「できることしかやらんのか。どうもしみったれた女子じゃのう、と、頭がおったらやられておるところじゃのう」
南渓「瀬名は、母として、妻としてその命を使い切った。では、そなたは何のためにその命を使うのじゃ? 母でも、妻でもないそなたは、何にその命をかけるのじゃ?」
直虎「虎松、虎松を使い、徳川に、左様な世を目指していただくよう、持っていく」
南渓「どうじゃ?」
直虎「何一つ使いどころのない命、ならば、途方もない夢にかけてみたとて、誰も何も言いますまい」

「おんな城主直虎」第46話~直虎・瀬名姫

2017-12-03 02:43:29 | 映画・ドラマ
瀬名姫「万千代、殿の策は必ず実るのですか?」
万千代「必ず?」
直虎「徳川殿は、死力を尽くしておられる」
瀬名姫「しかし実らねば、信康はやはり、殺されてしまうのではないですか? ならば、やはり私が通じたとしたほうが、間違いなく信康を救い出せるのではないですか?」
直虎「あの時、今川館に閉じ込められた折も、すんでのところで徳川殿の策は実ったではないか。ここはひとつ、徳川殿の運の強さを信じてみぬか? の?」
瀬名姫「ええ、私はあの時、殿の運の強さに命を救われたのだと思います。あそこで死んでおってもおかしくはなかった」
直虎「そうであろう、ならば」
瀬名姫「ゆえにこそ、その命は、殿と、殿の愛する息子のために使いたいのです。徳川家の妻として、母として」
直虎「死んでいく奴は皆左様なことを言う! お家のために命を捨てるは己の本懐、そんなことばかり言いよる! 残される者のことを考えたことはあるか? 助けられなんだ者の無念を考えたことがあるか? もう二度と、私はあのような思いはしとうない! 徳川殿を大事と言うなら、どうか、左様な思いをさせないでくれ!」
瀬名姫「信康が戻ってきたら、徳姫と子宝祈願をしてやってください」
直虎「そなたがおらねばせぬ!」
瀬名姫「その子はきっと、私にございます! ですから、何も悲しむことはないと、殿にお伝えくだされ」
直虎「左様なことを、己の口で言え!」
瀬名姫「お暇いたします、姉様」

おんな城主直虎」第45話~信康

2017-12-03 02:00:57 | 映画・ドラマ
信康「静まれ… 静まれと言うておる!! 私は内通などしておらぬ。これは何かの間違いだ。しばしすれば、疑いはきっと晴れる。殿が晴らしてくださるはずだ。短慮には走るな、血気にはやるな。さようなことをしてよいことは一つもない。それこそかようなことを仕掛けた輩の、真の敵の思うつぼだ!! よいか、俺は必ず戻ってくる! その日まで、皆待っていてくれ」

「おんな城主直虎」第45話

2017-12-03 01:43:58 | 映画・ドラマ
家康母「お願いがございます。……殿、信康をお斬りなさい!」
家康「……。仰せの意味がわかりかねますが」
家康母「折よく長丸も得たことですし、信康がおらぬようになっても大事はござりませぬでしょう」
家康「人の子の母とは思えぬお言葉!」
家康母「人の子の母であるが故、言うております! 獣はお家のため、わが子を殺めたりはいたしませぬ。なれど、武家とはそういうものです。お家を守るためには、己自身、親兄弟も、いえ、子の命さえ、人柱として立たねばならぬときがある。その中で生かされてきたのですから。そなただけが逃れたいと言うは、それは通りませぬ! それは、通らぬのです! 竹千代…」
家康「…………。わかりました、母上…。信康を、……斬ります!」