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[劇場アニメ] 宇宙戦艦ヤマト2199 第七章・そして艦は行く

2013-08-26 | 映画

今、万感の想いをこめて艦がゆく…

いやー、遂に ”祭り” が終わってしまいましたね・゜・(ノД`;)・゜・

 

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「宇宙戦艦ヤマト2199」の第七章を横浜ブルク13にて観て来ました

2012年4月からスタートし、全七章、16ヶ月に及んだ劇場公開スケジュールを全て追いかけて来ましたが、ちょっとした放心状態です…( ̄。 ̄)

まさに感無量と言った所ですが、最終章まで見た事で改めて、オレってヤマトが好きだったんだなあという気持ちを再認識させられました

ヤマトにリアルタイムで直撃した世代というのはオレよりももう少し上の人達で、オレの場合は兄の影響でヤマトを知り、作品に触れたのもビデオソフトを通じてといった具合だったんですが、3つのTVシリーズも4つの劇場版もどれも(それぞれ言いたいことは有れどもw)楽しまさせて貰いました……更に言えば、OVAで製作された「ヤマト2520」(未完)もLDを購入して追いかけてましたが、「大ヤマト」(これまた未完)辺りで流石に息切れしたというか(汗)、「ヤマト復活篇」に至ってはネットにアップされてる編集版みたいな映像しか見てません

そして「実写版」というのもありましたが、あれはあれで嫌いにはなれないんですけど、やっぱりヤマトとは別モノっていう意識が強い(オリジナルの音楽やSEがどれ程ヤマトにとってかけがえの無い存在かっていうのを気づかせてくれた功績は計り知れませんが)ですし、なので最初に「ヤマト2199」の話をネットで知った時も、何を今更というヤマトそのものに対するオワコン感はどうしても否定出来ない状態にありました

それが例の予告に度肝を抜かれ、TVシリーズとは思えないクオリティに忘れていた熱き血潮を滾らせまくった結果がこの16ヶ月ですよ( ゜∀゜)o彡゜

”祭りの終わり” の心地よいながらも着実に忍び寄る寂寥感に身を浸しつつ、最終章の感想、行ってみたいと思います!

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以下ネタバレ感想:

■第23話「たった一人の戦争」……いよいよイスカンダル及びガミラス星の宙域へと到達したヤマトへいきなり迫るデスラー砲!、という所からの再開でしたが、なんと「2199」ではガミラス星における本土決戦を全くやりませんでした!(゜д゜;)

いや、厳密には小規模な防空戦闘は存在していたんですが、確かに旧作のようにヤマトが惑星ごと滅ぼす展開はどうやったって出来ませんよねえ(汗)……「2199」ではガミラス側のドラマを大幅に強化する事で相手も同じ人間だ、っていうのをしつこい程アピールした上に、争いが何も生み出さない事を現代日本の視聴者は歴史を通じて知ってしまってる事が大前提で脚本が構築されてますし…

波動砲に象徴される ”武力” というモノをどうして人類が手放せないのか、この人類史の永遠のテーマに対して、「2199」が提示した ”守りたい人の為に” という回答はオレら現代の観客の想いとも、旧ヤマトの制作者たちがヤマトに込めた想いとも齟齬をきたさないラインだったのではないかと感じました(無難過ぎるとも言えるかもしれませんが)

敵と言えども一般人の大量殺戮を見過ごせなかったヤマト(あそこでヤマトだけが逃げる選択肢も当然ありました)、ユキのナイト役であるノラン君の自己犠牲、”守りたい人の為に” という行為は確かに人間として ”絶対的に正しい” んですが、その先に必ず訪れる ”暴走” と、デスラーが自らの帝都を破滅させようという暴挙に至った真意についてはこの後にて改めて…

■第24話「遥かなる約束の地」……あっと言う間に終了してしまった感のあるガミラス本土決戦、そして遂に到着した惑星イスカンダルですが、まさかこの期に及んで水着回が来るとは予想外でしたσ(^_^;)

いや、確かにデスラーがあそこで死んだとは思ってませんでしたし、(残り話数的にも)最終決戦はこの後に控えてるだろうとは予想してましたが、それでもこの展開は(苦笑)……まあ、同じ人類同士の融和の象徴としてパフェを食うメルダ嬢、そして今回の水着のメルダ嬢の描写だっていうのは理解出来るんですが、ついスタッフの正気を疑ってしまったのは事実ですw

ひょっとして、ユキがイスカンダル人と似てるっていう設定に対して何らかの追加要素が来るかな?という淡い期待はあっさりスルーされてしまいましたが、ここまではるばるやって来たヤマトに対して、コスモリバース装置を渡しあぐねるという展開は面白かったです……地球人類の存亡を許すか許さないか裁可するとひたすら上から目線で言いつつ、実際は(古代守の存在で)単なるスターシャのツンデレ気分次第だったのは何だか納得が行きませんでしたが、こればかりはいくら未来を危惧しても ”正しい回答” なんて存在しませんからねえ

「さらば~」や「ヤマト2」で’(オモチャを与えられた子供みたいに)波動砲艦隊を拵えてすっかり増長しまくった地球の姿を思い出しつつ、「ヤマト3」のマザー・シャルバートの末裔が ”宇宙の引きこもり” みたいにならざるを得なかったやるせなさみたいなのに苛まれるエピソードでした…orz

それにしてもラストでしれっとスターシャが守の子を宿してるのを示唆していましたが、アンタ、いくら寂しいからって瀕死の異星人を手篭めにしたのか、お前は日本昔ばなしで旅人を襲う妖怪かと、スターシャに対するイメージがとんでもない事に…w

しかもこの後で明かされるデスラーの純情っぷりを思うと、スターシャって一体なんなん?っていう思いがひしひしと…w

■第25話「終わりなき戦い」……消化不良に終わった感のあるガミラス本土決戦(大気圏突入や衝角体当たり攻撃など一連の流れにはシビれまくりでしたが)のリベンジ戦、デスラーとの最終決戦です!

…が、デスラーは一体何の為に攻撃を仕掛けて来たんでしょう?
ただヤマトを沈めたいだけなら残存ゲール艦隊に不意打ちさせても良かったですし、わざわざ亜空間内で白兵戦を仕掛けてまで、”艦長に会いたい” というのは果たしてどんな意味が?

結局、最終的にはデスラー砲でヤマトを消し飛ばそうとしてましたし、ヤマト艦内で古代とユキのやり取りを見る事でデスラーの求めるモノがそこにあった(もしくは無かった)と結論づけるしか無さそうなんですが、製作の都合でカットされたという5分のシーンを見ればそれが判明するんでしょうか…?

仕方ないので最終決戦で求めていたモノが何であったかはテレビ放送の第25話(おそらく完全版でしょう)の放送を見るまで保留するとして、そもそもデスラーが何をやりたかったのか、”大統合” とは何だったのかというのを考えてみましたが、スターシャが危惧していた ”波動エネルギー文明の行き着く先(拡大主義の帰結)” というのが読み解くキーなんでしょうね

強大な武力で銀河を制圧する事の無意味さというか、ガミラスがそうであったように体制内部はいつの間にか腐敗と権力闘争に明け暮れ、初志の貫徹など一向にままならない現状にほとほと嫌気が差していたというのが「2199」のデスラー像なのではないでしょうか……元々、デスラーにとって ”守りたい” のは愛するスターシャだけであり、宇宙を平和にしてイスカンダルの責務とか戒律みたいなのから解放してあげたい(そしていずれは自分の嫁に)というのが行動原理だったワケです

ガミラスが襲来する前の太陽系では、地球を中心に内乱が繰り返されていた事が示唆されていますが(沖田や古代守が乗っていたのも元々はその為の宇宙艦隊でした)、デスラーの理想から行けば、そんな野蛮な太陽系に絶対的な平和をもたらす為に攻め込んだんですな(滅んだら滅んだでそれも平和という事で)……実に皮肉な話ですが、ヤマト討伐を名目にアクシズ…じゃなくてw、巨大構造物を帝都に落として壊滅的な被害を出そうとしたのも一度体制をリセットしたかっただけなのだと思われます(全部ヤマトのせいにするとかゼーリックの残党の仕業とか、後で情報操作するつもりだったんでしょう)

デスラーにとってみれば、(帝都が崩壊してしまったので)遷都ついでにスターシャにも近づけて一石二鳥だという純情一直線な計画だったんですが、当のスターシャがデスラーなんて絶対にイヤ!っていう状態なので、宇宙一、金も権力も地位もあるイケメンなのに一人の女も振り向かせられない非モテの悲哀全開ですよ…・゜・(ノД`;)・゜・

一方でスターシャの方の視点からすると、宇宙全体の平和に対する責任なんて無茶苦茶なモノを背負わされた挙句に、絶対にイヤ!っていう相手が宇宙一の地位と権力を手に入れてまでひたすら迫ってくる恐怖と戦ってるワケで、そりゃ、ローマの休日よろしく(全ての責任を投げ出して)余命僅かな悲劇のヒーローみたいな異星人と道ならぬ恋にときめく気持ちも理解できないではない…かも…?

って、何だろうこのドロドロ展開……これ本当にヤマトか?w

■第26話(最終話)「青い星の記憶」……デスラーを撃退し、いよいよヤマトと地球にとって残された課題はコスモリバース装置を使って地球を復活させられるかどうかに集約されます

そして40年前に制作されたヤマトに存在した様々な矛盾や違和感のある設定を徹底的にリニューアルする事に心血を注いできた「2199」ですが、”ユキは死んじゃったけど何となく生き返りました”…という「宇宙戦艦ヤマト」シリーズ最大の難題wにスタッフが全力で取り組んだ結果がこの最終第26話です

今回、冒頭に書いた ”今、万感の想いを~” というのはヤマトと同じ松本零士原作による劇場版「銀河鉄道999」のラストシーンで語られた有名なフレーズですが、999にも登場したキャプテン・ハーロックのアルカディア号にはトチローという人間の心が宿っているという設定があります

メカへの偏愛、技術への偏愛の行き着く先としての ”人間と機械の同化” は、まさに松本イズムの極致とでも言うべき設定ですが、まさかコスモリバース装置を媒介してヤマトに古代守が同化してるとは…!:(;゛゜'ω゜'):

記憶情報があれば、という事なので断言は出来ませんが、ひょっとしてコスモリバースには生贄が必要なんか!?と、またもやスターシャに対する妖怪疑惑が頭をもたげて来たのはさておきw、24話でのビデオメッセージと相俟って、古代守がどういう気持ちでヤマトと同化してるのかとか考えただけで涙が止まらなくてなんかオレ、ボロ泣きしてました(T△T)

なんで古代守の記憶だっていうことをスターシャが真田さん達に明かさなかったのかはよく解りませんが(ハーロックとトチローの会話みたいなのを真田さんと守にもやって貰いたかった…)、ひょっとして新見さんがヤマトにいたから?……だとしたらどこまで悪女なんだスターシャw

ユキを生き返らすためにコスモリバースのエネルギーを消費(地球一個と人間一人の生命エネルギーが同じくらいってことですかね)して、(ヤマトを)沖田に返す~と守が言い遺したことから考えると、最終的には沖田がヤマトと同化したのだと思われますが、これもグッと来る設定であると同時に、今後、地球がヤマトを使って波動エネルギーを悪用するのを防ぐ意味合いもあるんだなと感心してしまいました

ただ、直前に沖田がヤマトは若い奴らに引き継いでもらう、とか言っていたセリフとは矛盾してしまうんですが、沖田が終身ならぬ ”永久ヤマト艦長” である事に異議を唱える劇中キャラも、観客も一人もいないでしょうからこれで良しとしましょうヽ( ̄▽ ̄)ノ

あっ!……ふと思いましたが、ひょっとしてデスラーが会いたかったのは古代守か…?
あれ程恋い焦がれたスターシャをあっさり奪った憎き恋敵のツラを拝もうとわざわざヤマトに乗り込んだのかッ!?

デスラー…( ̄ロ ̄lll)

Yamato2199_7_3
いやはや、最終章だけあってやたらと感想が長くなってしまってすみません(;´∀`)……まだまだ各キャラについても書きたい所なんですが流石に力尽きてきましたw

これからネットでの感想を見て回る予定ですが、これ間違いなく賛否両論だろうなあ……以前の感想で、40年分の思い出補正のかかった「ヤマト」を相手に勝負しなけりゃならんプレッシャー、と書いた事がありますが、どういう展開でどういうオチだろうと間違いなく賛否が渦巻いたでしょう…

好き嫌いはあれども、真摯に、愛情を込めて作られてる事は間違いなく伝わって来てましたので、スタッフの方々にはただただお疲れ様でした、そしてありがとうございました、と声を大にして伝えたいです

本当に、本当に素晴らしいリメイクでした!!d(≧▽≦*)

映画感想一覧

宇宙戦艦ヤマト2199第一章宇宙戦艦ヤマト2199第二章宇宙戦艦ヤマト2199第三章宇宙戦艦ヤマト2199第四章宇宙戦艦ヤマト2199第五章宇宙戦艦ヤマト2199第六章宇宙戦艦ヤマト2199追憶の航海宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟

追記:
…あれ?勢いで書ききった後で↑読み返してみると、何かやたらと文句ばっかり書いてるように見えますがメチャメチャ面白かったです

最後まで夢中になって楽しんでたのが基本で、それでもイロイロとツッコミとかしまくるのが(旧来の)ヤマトとしての楽しみ方の正しいあり方なんだ~と言われればそうなのかもしれませんがw

それとラストでコスモリバースを起動させた後で古代守の心が消滅した事からすると、地球を復活させた後で沖田の心も消滅してしまうのでは?とアップした後で気づいたんですが、人間一人を生き返らせる行為と、(記憶を頼りに)惑星のありし姿を復元する行為とはまるで次元の違う行為にも思えるので、ちょっと判断を保留してる所です

キャラそれぞれへの想いなんかも含めて、テレビ放送が終了したタイミングにでもまたエントリを書かせてもらうかもしれません


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