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今年のマンガ2023

2023-12-30 | マンガ

早いもので本州の端っこに移住してから1年と6ヶ月が経過しようとしておりますが街中に住んでるので暮らしぶりにはほとんど違いはありません……が、ついに今年はマンガを ”紙” で購入する機会が完全に ”ゼロ” となった記念すべき?年となってしまいました(゚д゚;)

駅ビルや街には大型書店が一応まだ残ってたりするんですが(個人書店、古書店はほぼ壊滅状態)、ガチで一切の紙の書籍類を買わなかったですね……今年家に新規に増えたのは生活する上での書類に郵送物くらいか…

コロナ禍でなるべく外出を控えるようになったという意味では、生活様式は大きく変化したといえるのかもしれませんが、それ以前から(もう10年以上)書店にはほとんど足を運ばなくなってますからねえ…
(趣味の)勉強の為の参考書みたいなのは電書だと索引性において不便で、こればかりは紙媒体が有用だったりするんですが、そっち方面もコロナ禍をきっかけにすっかりモチベーションが下がりきってしまってるので…σ(^_^;)


以前に大規模に断捨離を実行したので(4000冊ほどのマンガや小説類を処分)、今の住まいにも大して書籍類は存在しないんですが、昨年の移住の際に一応、余裕をもって購入した(本も置ける用の)棚が今年全く活用されなかった ”人生初” の事態に軽くショックを受けている次第です

 

と、まあマンガ以外のことを愚痴ってても仕方ないので本題いきます
このエントリは年の瀬恒例の、”今年一巻から買い始めたマンガ”  のレビューとなります


■「永年雇用は可能でしょうか」原作:yokuu 漫画:梨川リサ(既刊3巻)

昔は ”枯れ専” とか呼ばれてたジャンルでしょうか……気難しそうなイケおじ魔法使いが自分にだけは心を開いてくれそう?的な女性向けの定番っぽい設定ではありますが、職業倫理のしっかりしたメイドさん(「エマ」や「シャーリー」の様な)ジャンルとしてオレは楽しんで読んでます


■「オトリ -過剰殺傷取締官・斑目詩子-」野生のもぎ(全3巻)

作風は田島列島に近いカンジで、やわらかい絵柄と鋭いセリフ回しのセンスが特徴なんですが、扱う題材が ”ネット炎上” を取り締まる厚生労働省の(囮捜査)専門官たちという独特の設定がもの凄く面白かったです

”やられたらやり返す!等倍返しだ!”(←セリフ一部改変ありw)

”炎上” に至るネタとして芸能人の不祥事から迷惑系配信者まで幅広く、社会風刺にSF的なアイディアとキャッチーな素材なので「世にも奇妙な物語」で実写化されないものかと密かに期待してましたw……一応、”第一部完” となってはいるんですが、うーん、それこそ実写化でもされないと続きは難しいですかねえ(ノД`)


■「三途の川アウトレットパーク」寺田浩晃(既刊1巻)

今作は(読切作品が)「世にも奇妙な物語」で実写化されたことで評判になって(ウェブ)連載に繋がったというとても珍しいパターンです

”三途の川” を題材にしてるのはありがちだったりしますが、見せ方が独特で荒々しいタッチに、ただ ”いい話” というだけでなく善意も悪意も両方あっての人間という軸があってそれが余計に胸に迫るものがあります

そしてそれには理由があって「世にも奇妙な」で放送されたのは2021年と少し前なんですが、作者が結構シビアな体調を抱えながら(それこそ命を削りながら)作品を発表している背景事情を知った上で今作を読むと、だからこそのこの題材なのかと非常に納得させられます


■「黒猫は泣かない。」寺田浩晃(全1巻)

「三途の川~」の読切版も掲載されている短編集です

戸田誠二の作品が好きな人にはきっと合うのではないかなと(自分がそうなのだというだけですが)


■「プロ奢ラレヤー」萬田ひろし(全2巻)

以前「レンタルなんもしない人」が大きく話題になってテレビにも取り上げられてた際、「レンタル恋人」はまだしも(まだしも?)「レンタルおっさん」なんてのもあるのを知って、”個人化” の進む現代社会には不思議な需要が存在するんだなと奇妙な感慨を覚えたものですが、今ではそこから更に需要の細分化?が進行しているようで…

セミドキュメント風?なカンジの様々な人間模様が読み応えあるんですが、メインは社会に対するビジネス的な視座がメインで、昨今の出版事情に対する明確なメッセージにもなってる要素は意外な面白さでした……読後感はすっきりしてるんですが、やっぱり打ち切りは残念…


■「ただの飯フレです」さのさくら(既刊2巻)

かつては非モテや草食系、今では恋愛弱者ですか……表現は違えど、恋愛観や結婚観に繋がる男女間の感覚格差みたいな要素はマンガでも鉄板の題材ですが、(食事を媒介して)友情とも愛情とも言い切れない新しい男女関係みたいなのを模索してる感が楽しいです


■「本好きの下克上~司書になるためなら手段を選んでいられません~第三部」漫画:波野涼 原作:香月美夜(既刊7巻)

アニメ版で第一部~第二部を見て、そこから「ベビステ」の勝木光が手がける第四部のコミカライズ版をガマンできずに読み始めてしまった~と昨年のエントリで書きましたが、端々で語られる第三部の要素が気になりすぎて、結局第三部のコミカライズも買い始めてしまいましたw

もともとが異世界転生モノなんですが、主人公の成長に伴い、周辺の事情というか異世界の事情がどんどん広がりを見せていくにつれて複雑化していくので、大人の読者にも俄然面白くなっていくのが素晴らしい( ゚∀゚)o彡゚……コミカライズが各部で同時並行して進行するので、結局第三部の気になる要素が不明なまま第四部も読み進めてる状況には変わりなかったりもするんですがw、それでもかなり楽しめてます

原作小説の完結と共に第三部のアニメ化を(「進撃の巨人」の)WITスタジオが手がけるというニュースも出て非常に興奮しております


■「米蔵夫婦のレシピ帳」片山ユキヲ(既刊2巻)

いやもう、これは泣く(T△T)……大切なモノを喪ってしまってからその大切さに気づくという、ベタな王道設定ではありますが、おっさん読者なら(おそらく独り身でないなら尚更)涙なしでは読めないです…

実写化しやすそうですしするなら内野聖陽とかイメージしてたんですが、もう既に有名な料理モノに出てるしなあ…


■「エロチカの星」前野温泉(既刊2巻)

”漫画家モノ” で ”エロ漫画” が舞台というのを毎年こうやって感想を書いてる気がするんですがw、やっぱりクリエイター論としての視点がどこか一般作とは違う規制の緩さみたいなのに魅かれてしまうのかなあ……でもウェブ連載の方は先頃完結してしまいました…orz


■「タタリ」彌(既刊2巻)

週刊少年サンデーにあって、”サンデーらしさ” に忠実にありつつ、そこから一歩抜きん出ようと仕掛け続ける野心みたいなのは応援したいです
現状でも作者さんは間違いなく新人離れした才能の持ち主で光ってる要素がいくつもあるんですが、何だろうもっと人気出てもいいと思うんですが…


■「ずっと青春ぽいですよ」矢寺圭太(既刊1巻)

「ぽんこつポン子」の作者による新作で、要略するとアイドル研版「げんしけん」なんですがw、個人的にはアイドル業界に疎いので今後主人公たちがどうしたいのか、どうなっていくのか全く予想がつかないのが面白かったりします


■「だんドーン」秦三子(既刊1巻)

元警察官という異色の経歴の「ハコヅメ」作者による新境地……というより日本警察機構の ”源流” を辿ってみることで、”働く日本人” の本質をより深く抉っていく作品となっていますな

「ハコヅメ」の舞台は岡島県という架空の地方都市で、ネットでは(モデルは)岡山?広島?みたいに語られてたりもしたんですが、作者はおそらく鹿児島の方なんじゃないかと……そしてなぜ「ハコヅメ」を休止してまでこの新連載にこだわったのかなというのも、薩摩人の気質や気風を通しての ”郷土愛” みたいなのもテーマにしてるのかなみたいに考えたりしました


■「街道あるくんです」原作:竹本真 漫画:猪乙くろ(既刊1巻)

”東海道を実際に歩いて辿ってみる”……日本人ならば誰もが一度は思いつくも、実際にやる行為にはナカナカ至らない部門第二位(自分調べ…第一位は ”富士登山”)をテーマにしているんですが、序盤で東京都大田区、隣の川崎市川崎区がガッツリと登場してて楽しかったなあヽ(^O^)ノ
 
(移住したばかりの寂しさも重なって)オレが長年住んでたマンションから徒歩数分の老舗和菓子屋やスーパーが普通に登場してるのに異様に興奮したものですw

ちょっとした仕掛けがあって主人公は江戸時代の実際の風景を ”体験” しつつの東海道巡りになる展開なんですが、このコンセプトみたいなアプリ(GPSと連動して、スマホで今自分の現在地点の過去の風景をVRなりARなりで体験出来る)を夢想してたりしたので、世の中似たようなことを思いつく人もいるんだなと思ったり


■「あくたの死に際」竹屋まり子(既刊1巻)

オレみたいにマンガを読むのが好きな時点で、そのマンガを描いてる側にも興味がいくのも当然の成り行きだと思ってたんですが、その感覚はオタク的な視点でしかないというのをここ数年でようやく気づかされてちょっと呆然としたり(←何の話だw)

今作は純文学の作家を目指す主人公なので毛色は少し違いますが、クリエイター論というか、”表現者の苦悩” という要素はいつの時代も(どんな分野でも)人を魅きつけるものであるのは間違いないと思うんですが……上記した「プロ奢ラレヤー」なんかの視点からすると(出版社や権威ある賞)に固執するのも時代性にはそぐわない感なんかも出てきてしまって複雑な心境になったりもします

 

 

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年の瀬恒例とか自分で書いといて何ですが、タグを振り返ってみると、2016年からこの振り返り感想を始めてるのか……まあ、まだ長いとも短いとも言えない微妙な期間ですがw、とりあえず10年は続けてみることを目標に生きていきたいと思いますのでよろしくお付き合いのほどを

そしてこのエントリによって毎年、その年の訃報を振り返るのが習慣になりつつあるのが自分でも何やってるんだろう感が拭えませんが、今年の筆頭はやはり松本零士先生のインパクトが絶大であと寺沢武一先生もか……ツイッターのTL上では90年代から読んで来た作家さんたちがイロイロと大病を抱えてる報告が当たり前のようになってて切ないです(自分も当然他人事ではありません)

音楽業界では高橋幸宏に坂本龍一が続いて、まさか細野晴臣まで同じ年にとかないよなと悲鳴のような声が上がってたのももう遠い昔のように感じてしまいます(谷村新司とかKANなんかはつい先日なのでまだ全然実感も湧かない…)

 

どうしてもしんみりしてしまう話題なのでもう訃報の振り返りはやらない方がいいのかとも思うんですが、やった方がいい気もするので来年もおそらくやると思います…

 

では今年はこんなところで

 

明日の年越し天一でまたw

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