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[映画] アバター:ウェイ・オブ・ウォーター

2022-12-29 | 映画

「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」を鹿児島ミッテ10にて観賞しました


…実は二週間前の公開初日に見に行ってたんですが、どうにもモヤモヤしてしまって感想を書きあぐねてました


例の捕鯨シーンについてもそうなんですが、何より戸惑ってしまったのが感想が前作とほとんど変わらないんですよσ(^◇^;)


ちょっと前作のエントリから感想を引っ張ってきてみます


> 遠い宇宙の惑星を舞台にしたSF超大作とはいえ、スクリーンに映し出されるのは
> 大自然に包まれた世界が大半で、その雄大さや美しさには上映中に何度も鳥肌が

今作もこれはホントに凄い

舞台が森から海へと変更された事で描写が水面、波、島、海中、海洋生物と目先は確かに変わってるんですが、でも ”相変わらず” 凄いだけだなという感覚です……どんなに美味しい料理も満腹時には食傷気味になってしまうなんて贅沢な不満だと言うのもわかるんですが、トム・クルーズなんかが自らの体を使ったアクションに、ノーラン監督ができるだけCGを使わない事にこだわる事からもハリウッドの映画制作者たちも共通して抱えてるジレンマだとは思います


> 異星人の容姿がかなり不気味だったので、果たして感情移入出来るのか

新キャラも沢山出てきて、セリフじゃなく表情や仕草だけで伝わるシーンも多いのは流石でしたが、まあこれも基本的に前作でやったことだよねと…
家族愛へとテーマが変わってはいますが、前作とは違って完全に ”未知” の種族との遭遇と触れ合いではないので衝撃度も感動の度合いも薄くならざるを得ません


> 3D映画として最新技術を投入、前代未聞の分量のCGによる異世界描写、

物凄い物量で物凄い技術力なのはもちろん伝わってくるんですが、結局はCGなんだよね…と、どうしても冷めた目で見てしまいます

カニロボくらいかなあ、おお!と燃えられたの


> おハナシとしては特に目新しい要素はなかったんですが、万人が楽しめる内容

前作も今作もこれが「アバター」という作品の本質なんでしょう

今作を見る前に前作を配信で見直してみたんですが、そういや前作は一度も見直したことがなかったなと思い至りまして…
円盤が欲しいとも、何度も見直したいとかも強く思わなかったんだろうなあ当時の自分…


> この映画の展開って「ダンス・ウィズ・ウルブズ」の焼き直しというか、舞台設定だけを
> 宇宙のどこかに変更して内容もテーマもほぼそのまんまに

確かに物語は ”王道” が一番強くて、13年ぶりに見直してみても全然退屈せずに面白く見られたんですが、前作の完成度が高かっただけに、続けて見てしまったことでオレのモヤモヤが倍増してしまった感も否めません

人類とナヴィ族が互いに生存権を賭けた全面戦争だった前作と比べ、今作は局所的な戦いに終始してスケールが大幅にダウンしてしまってるのは如何ともし難く…


> 痛烈な社会批判と大自然への畏敬を観客に再認識させる構造

前作で物語は実質的(人類vsナヴィ的)には何の解決もしてなかったんですが、やりきった感はあったんですよ……今作で前作のキャラ達の ”その後” を見せてくれたことは楽しい面もあった反面、この後は地球人が全員 ”アバター化” して入植と対立を重ねつつも融和していく未来しか無いんだなというのも見えて来てしまいました(例の大佐が最終的に ”感化” されるオチまで…w)


> かなり”ゲーム的(バーチャル的)”であることを意識して舞台や展開が設定
> されているように見受けられるんですが、それがシナリオ的な ”軽さ”を
> より浮き彫りにしちゃってる

シリーズの構造的な欠陥と言えてしまうのかもしれませんね


> 地球とはかけ離れた異世界を表現する為に物語構造は敢えてシンプルに徹したという
> 意図なんだと思いますが、完璧主義者のキャメロン監督の最新作ということで、
> こちらとしてもつい過剰な期待を

こちらは一言一句そのままかな


> キャラクターもストーリーもかなり類型的で、オリジナルの文化や歴史を詳細に設定した
> という割には脚本的にご都合主義な展開の多さは非常に残念ではあったんですが、
> ビジュアル面や演出面はとにかく凄いの一言

こちらも一言一句そのまま


> 「ダンス・ウィズ・ウルブズ」→「ロード・オブ・ザ・リング」→「ナウシカ」→
> 「戦国自衛隊」→「エイリアン2」などといったタイトルが順々にオレの頭の中を


キャメロンの ”海洋好きフェチ” の博覧会状態で「ジョーズ」から「タイタニック」まで、序盤の列車強盗なんかは同様に西部劇を意識していた「ウォーターワールド」辺りも元ネタですかね


「アバター」は最終的に5部作が想定されていて、今後も砂漠、山岳、地球?と舞台を変えて続けて行く予定なのだそうですが、どうなんだろうなあ……正直、前作があんなに歴史的な世界的大ヒットを飛ばすとはとても思えてなかったのでσ(^◇^;)、今作もこれからどれだけ世界中で興収を伸ばすのか(次回作以降の製作にゴーサインが出るのか)興味深く見ていきたいと思います

 

 

最後にあまり触れたくはないんですが捕鯨シーンについて

そりゃ理解できますよ、あちらの動物愛護団体だか主義者さんたちが主張したいことも

こんなに愛らしい動物なのに、こんなに頭が良くて社会性も高いのに、可哀想だとは思わないのかと…

でもそれを言われたら牛や豚はどうなんだって言い返すしかないんですが

オレが今作で一番モヤったのは、かつては欧米人が鯨油を獲るためだけにしかクジラ漁をしていなかった歴史的経緯をも現代の日本人に責任転嫁してるかのように見せてる部分ですが、結局は慣れ親しんだ文化なのかどうかでしかないとしか思えないんですよ……彼らが牛や豚を家畜と見做してる(逆に牛を神聖視したり豚を禁忌としたりする)のは宗教的な文化でしかありませんし、隣国のように犬を食べるのもそういう文化なんだからとしか言いようがありません(なるべく苦しめて屠殺した方が肉が美味いしくなるとかは流石に狂気の沙汰としか思えませんが)

オレ個人としてもマグロの解体ショーやら活け作りやら躍り食いなんかをふと冷静になって客観視してみると狂ってるんじゃないかという感覚も理解できますし、頭が良いからダメという理屈に対しても研究が進んだことでイルカや鯨だけじゃなくてイカだろうとタコだろうとどんな魚だろうと実は人間の幼児くらいの認識力や知能も(痛覚も)持っているとまで言われてるくらいなので、幼少時から当たり前の様に接しているから慣れてるというか麻痺してるだけなのを(文化の違う人類同士で)互いに責め立てても不毛でしかないよなあという…

まあ、代替肉やらの研究が進んで動物から得られる栄養や味わいなどが完全に再現できるならそれに越したことはないですし、SF的な感覚からするとむしろ歓迎したい気持ちもありますので声高に批判も非難もする気は無いので、なんだかモヤモヤするなあ、今後のシリーズでも毎回こんな風に思わされたり感じさせられるのは勘弁してもらいたいよなあ、とだけ


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