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[映画] シン・仮面ライダー

2023-03-18 | 映画

「シン・仮面ライダー」をTOHOシネマズ与次郎にて観賞しました


「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」に続く(実写)第3の「シン」作ですが、いよいよ庵野秀明が脚本と監督の両方を単独で手がけるということで ”本命” とまで一部で言われている話題作の登場です

「シン・ゴジラ」に関しては1954年の初代と1984年版「ゴジラ」以外、正直あまり好きになれない状態だったオレにとってはドンピシャの内容で、超兵器とか子供向け要素みたいなのがほぼゼロのハードでリアルな現代風アレンジによって日本中で(一般層も巻き込んで)特大ヒットを記録したことは記憶に新しいと思います(感想リンク:

「シン・ウルトラマン」はマニア向け要素が強化され、オレとしても(特に終盤は)賛否が分かれてしまうカンジでした(感想リンク:

「仮面ライダー」に対してはオレの場合、昭和ライダーについてはほとんど知らず、平成ライダーについては初代「クウガ」から「響」の序盤辺りまでを毎年追いかけていたという立場でこのエントリを書いていることをお見知りおき下さい

 

昭和ライダーについては村枝賢一による「仮面ライダーSPIRITS」というマンガから得た知識のみ知ってるんですが、これがもう(昭和ライダーを知らない)オレなんかでも感涙にむせぶほどの ”ロマンの塊” みたいな作品でして、今からもう20年ほど前ですか、今アラフィフからアラ還くらいの直撃世代には物凄い衝撃だったそうなんですよ

(余りにも壮大な展開になっていて現状、「新 仮面ライダーSPIRITS」と合わせて単行本が50冊も刊行されているんですが、最初の1~3巻での9人のライダーを振り返りつつの短編エピソードの連なりだけでも号泣必至なので是非とも未読の方には強くオススメしたいです)

この直撃世代には当然、庵野監督も含まれていて、今作「シン・仮面ライダー」にもその影響が見て取れる…と言ったら語弊があるのかもしれませんが、放送当時にリアルタイムで昭和ライダーに夢中になっていた少年達がやがて一流のクリエイターになり、”オレならこうする” というアプローチがある程度似通ってしまうのは当然のことと言えるのかも知れません


とはいえ、”映像” における庵野演出の切れ味は往年の実相寺昭雄や岡本喜八へのリスペクトから尋常でないこだわりが込められてるであろうことは自明でしたし、そもそもがパロディ要素を自作に落とし込む名手でもありますから、それが本家作品のリブートに ”全力” で取り組むというだけで製作発表以来、期待は膨らみ続けていました

今作で一号と二号を演じるのはそれぞれ池松壮亮と柄本佑ですが、二人とも(平成ライダー以降では当たり前となった)イケメン俳優とは違った路線なのが非常に個性的に感じられて、役者としてアクションをするイメージも特になかったのがとても新鮮で楽しめた部分もありました

 

 ※ここからは内容に微妙に触れます

 

製作発表時に公開されたこのビジュアルにて、”(変身後の姿で)トレンチコートを着て” たり、”流血” していたりするイメージだけでも上記「SPIRITS」の影響を色濃く感じられたものですが、更に遡った、島本和彦(言わずと知れた庵野監督の同志w)による「仮面ライダーBLACK」の読切でも見られた描写なので、仮面ライダーのマニア達にとっては ”燃える” 要素としての共通認識といえるレベルなのかな…

現代風にアレンジするに辺り、どういった要素が「仮面ライダー」であるのか、何を外して何を外さないかの取捨選択が為されたのだと思われますが、オレが劇場でぼんやり思ってたのは「クウガ」のことでした

(平成に復活するにあたり) ”新たな仮面ライダー” とはどういったものかを考慮し、リアリティを補強するのが基本にありつつ、”仮面ライダーと言わない”、”必殺技名を叫ばない”、”刑事とのコンビ”、”敵組織の社会性” といった要素が非常に目新しく感じられたのが思い出されますが、「シン」の前二作と同様に今作も現代社会を普通にリアルに設定した上での ”改造人間” という存在が表現されていましたね

”技名” は叫ばなくとも、”変身” のポーズだったり謎のジャンプだったり、キリモミ回転だったり、”ライダーキック” であったりと敢えて旧作のイメージを踏襲しつつ、思い切ったゴア表現は昔の子供向けテレビ番組としてどころか、現代の地上波でも規制ギリギリと思われる描写で確実に ”新しい” 表現になっていたと感じられました

そのゴア表現は ”悲哀” や ”苦悩” を強調してるのは勿論、劇場映画としての見ごたえにも直結していてとても良かったんですが、敵キャラが ”敢えて” シュールな演出で登場(そして退場)してたりするのに(マニアではない)オレとしては当惑を感じてしまったのは事実です(^0^;)

2時間余りの内容で登場する敵怪人は主に4体いて、大体テレビシリーズの4本分をまとめたカンジの時間配分だったと思うんですが、それぞれの怪人との戦いにアイディアが仕込まれていて、何だろう、「シン・ゴジラ」のクライマックスで登場した ”無人新幹線爆弾” を見せられた時の、笑いと興奮が入り混じった例のアレみたいなのが4回あると言えば伝わるでしょうかw

何より「シン・ウルトラマン」の時と違ったのが、最後までダレることなく、ずっと観客を楽しませようと盛り上がり続けた構成は(オレみたいなマニア以外でも)楽しめて素晴らしかったなあ

かつて庵野監督が ”負け戦” と表現していた監督作、実写版「キューティーハニー」で実写素材をアニメ素材風に取り扱った ”ハニメーション” という技術があったんですが(製作会社の都合で撮影直前に予算が7割カットされてしまったという地獄からの苦肉の策?)、まさか令和の世にそれの ”正統進化” みたいな映像が見られたことは何気に嬉しかったですd(≧▽≦*)

 

 ※完全ネタバレ感想

 

ぶっちゃけ、オレが気づけたマニアックなネタというと、”二号が助けにきた際に動けぬ一号が負傷していたのは左脚(藤岡弘が撮影中に左脚を骨折したことから苦肉の策として二号ライダーは生み出された)”という部分くらいでw、ネットの感想なんかを見てると相当にマニアックなネタが詰め込まれていて、マニア達の間でも賛否が分かれまくっているのだとか(「シン・ウルトラマン」の比ではないともw)

(「クウガ」では名乗らなかった)”仮面ライダー” を名乗る流れはちょっとモヤモヤしてたんですが、緑川家を軸にしたネーミングの二号、そしてゼロ号の流れには見事にハマってグッと来てしまいました…(T△T)

既に「シン」ファミリーとでも呼ぶべき存在wになっている竹野内豊と斎藤工の二人が、それぞれ ”立花” と ”滝” であるとラストで明かされたのには往年のファンの人たちの気持ちはめちゃめちゃ盛り上がったんだろうなと(オレでさえ、おおっと拳を握りしめましたw)

サイクロン号については変形とか飛んだりとかの思い入れは特にないんですが、序盤でまだ剥き出しの状態で本郷とルリ子の後ろを自動で追尾してくる様が非常に萌えポイントでしたw……あれはホンダの実在してる(asimoの技術で自立できる)コンセプトモデルっぽいですな

あとオレが何気に一番興味を惹かれたのがまさかの「ロボット刑事K」が大きくフィーチャーされていた部分で、昭和ライダーをろくに知らないオレが、めちゃめちゃマイナーな「K」についてはなんでか ”ハンチング帽にコート姿の顔部分だけがロボット、しかも(警視庁所属の)刑事” というビジュアルに物凄く心惹かれるものがあって、一時期ネットで情報を漁ってた時期があったのです(主題歌も大好きで何度カラオケで歌ったことか……テレビシリーズ2話分くらいしか見れてないのにw)

”ショッカーの正体はAI(人工知能)” で、”I(アイ)でありそこから(Jを経て)のK” という存在が傍観者として常に場面にいるという設定がめちゃめちゃ面白かったですねえ……しかもこの要素で更に燃えたのが、もしかして庵野監督、某「ジャイアントロボ」みたいな、”スーパー石ノ森大戦” みたいな世界観を想定してたりする?…とか想像しちゃってずっとニヤニヤしてましたw

ちょっと石ノ森先生自身の構想だったのか定かではないんですが、「ライダー」の世界観と ”9人(13人)のサイボーグ戦士” をクロスオーバーさせるという設定をどこかで聞いたことがあって、後年の松本零士先生が自らの作品世界の統合を目指してたみたいな動きを石ノ森先生もご存命だったなら見られたのかもなあとか夢見てたのを思い出して興奮してしまいましたね( ゚∀゚)o彡゚


まさかの結末にはかなり驚かされましたが、果たして「シン・仮面ライダー」はシリーズ化するのか?
「シン・ウルトラマン」については3部だか4部作だかにしたいとかいうハナシが出てましたが果たして…?

 

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