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[映画] シン・ゴジラ(2回目)

2016-08-11 | 映画
「シン・ゴジラ」(2回目)をT・ジョイPRINCE品川にて観て来ました





1回目の感想はこちら





以下ネタバレ感想:
昨日、8月10日でIMAX版の上映が終了してしまうという事で2回目の為に品川に行って来たんですが、いやはやこれが大正解でした!

”都内最大サイズ” のスクリーンの迫力というのも勿論あるんですが、既に映画を見た方はご存知のように蒲田に上陸したゴジラが第三形態へと進化(変態)する地こそが品川で、初代ゴジラが初上陸したメモリアルな地でもあります……すぐ隣の駅である京急北品川駅を破壊し、まさにオレらのいる映画館のすぐ目の前(僅か200m程の距離)まで迫り来るゴジラのシーンで、とんでもないレベルの ”臨場感” を味わえたのは素晴らしい体験でしたヽ( ̄▽ ̄)ノ

この劇場の壁の向こう側にまでゴジラが来てる!という緊迫感の中、騎兵隊よろしく駆けつける陸自のヘリ部隊の勇ましさに心底ホッとした安心感もまた格別でしたねえ……ちなみにゴジラが一旦海に戻り、仮初めの平穏な風景映像の中で ”京急線以外は復旧した”~というアナウンスが流れますが、自然災害に対しては ”最強” との呼び声が高いあの京急 ”だけ” が運行していないという ”異常性” が、事態の深刻さをより一層印象づけていたと感じられたのは京急沿線の住民なら理解して頂けるかと思いますw



ちょっと話は前後してしまいますが、2回目の観賞でも第二形態(水中に潜行している状態が第一形態とのこと)のゴジラ初登場シーンでの ”お前誰だ!?” 感は物凄かったです(^_^;)……パンフによれば深海魚のラブカをイメージしてデザインされたとの事ですが、あの ”虚ろな目” が人間側の理解を完全に越えた生物だというのを如実に表していて、どこかジタバタする子供の様にも見えつつ、血だか体液だかをドバドバ吐き出しながら平均時速13kmで進む様はもう ”悪夢” そのもので…(まさにあの311の津波の ”無慈悲さ” にも通じます)

この第二形態の異様さによってシリーズに長年慣れ親しんできた観客からゴジラ初見の観客に至るまでの ”先入観” を完全に払拭し、後の第四形態の出現時には ”全ての観客” が同じスタートラインからゴジラという存在の ”脅威” を目の当たりに出来る構成になっているのに改めてシビれまくりです( ゚∀゚)o彡゚



それにしても2回目なんだからそれなりに落ち着いて色んな細かい要素を見られるかと思ってたんですが、改めて見直しても120分間、最初から最後までノンストップに続く異様な緊張感を(1回目の時と)ほぼ変らない印象で見られたのに我ながらビックリしてしまいました

”ダレ場” どころか、”タメ” のシーンすらほとんど無いとか一体どうなってるんだこの映画…(゚Д゚;)

”怪獣版「プロジェクトX」だ”~的な評判がネットで結構見受けられますが、セミドキュメンタリーである「プロジェクトX」ですら恋愛やら家族愛やらをそれなりに入れ込んでたりするものを、「シン・ゴジラ」ではそれらを完全にスルーして、人間同士の軋轢やら感情の行き違いですら必要最低限にして物語を ”ゴジラvs日本” というシンプルな構図に徹してるのがまるで ”奇跡” の様です(日本映画の従来の常識的に)……一説には、庵野監督が最初に書き上げた脚本を守ろうと樋口監督が防波堤となって諸々の ”圧力” を突っぱねたとも言われていますが、その辺の裏事情は(例え真実だとしても)メイキング映像なんかでは出て来てくれないでしょうな(^0^;)



やがてゴジラの再上陸に備えて政府内には ”巨大不明生物特設災害対策本部” が設置されるワケですが、1988年の「パトレイバー」から始まり「踊る大捜査線」等の様々な派生作品を生み出した ”公務員エンタメ” というジャンル?の一つの ”頂点” を見せてくれたという気分です(そういや「踊る~」でも例の ”デン↑デン↑デン↑デン↑ドン↓ドン↓” の「エヴァ」BGMがそのまま流用されてましたねw)

”巨災対(きょさいたい)” と聞くと個人的には ”気特対(きとくたい)” をどうしても思い出してしまうんですが、こちらは「MM9」という作品で ”災害としての怪獣” に対処する ”気象庁特異生物部対策課” という部署の略称で、役人の怪獣相手への奮闘っぷりが見所のまさに「シン・ゴジラ」と同様のアプローチだったりします(かなりコメディ寄りですけどw)……ドラマシリーズの総監督は樋口真嗣で脚本が「パトレイバー」の伊藤和典、「シン」にも重要な役柄で出演している高橋一生と松尾諭が同僚として登場してたりもするので未見の方には是非ともDVDをオススメしておきたい所です(宣伝)

ツイッターでは ”#巨災対の日常” なるハッシュタグが作られる程の人気になっていますが、ひたすら仕事に打ち込む描写からこぼれ落ちた ”個性” を、多くの人が拾い上げて妄想しまくってる様が実に「MM9」っぽくてオレとしては読んでて楽しくて仕方がありません(*´∇`*)



大杉漣の総理大臣以下、内閣の面々が冒頭はそれなりにのほほんとした様子だったのが、徐々にシリアス成分が濃くなっていく様も見応えありました……特に2回目の観賞でオレは余貴美子演ずる防衛大臣をずっと注視してたんですが、当初の ”海底火山なのか?” 的な話題の中では穏やかな表情でただ聞いているといった風情だったのが、”どうなんだ防衛省!” と役人が怒鳴られた辺りから目つきが物凄く険しくなって行ってるのがド迫力でした(自衛隊に出動がかかり、いざ攻撃命令って時の総理へ意志確認する様はまさに ”武闘派” と呼ぶに相応しい)

いかにも老獪な官房長官役という柄本明も、表情やしゃべり方がいちいちカッコ良くて、平時だとこの人もの凄く(他の政治家やマスコミに)睨みをきかせたりするタイプなんだろうなと思わせるに十分な演技でした

それにしても328人+1もの出演者のリストを見てて、普通に主役級の役者さんでもほんの一瞬しか登場するシーンが無かったりしてましたが、スクリーンに登場する全ての人物が(エキストラの一人一人に至るまで)平等に ”当事者” である~みたいな意図だったって事ですかね……終盤にて、それまで ”顔アップ” をやたらと強調していた演出から ”誰の顔も映さない” 演出に切り替わる~みたいなネットの指摘を見てなるほどと思ったんですが、確かに主人公ですら防護マスク越しにほとんど顔が見えなくなり、ゴジラに立ち向かってゆく全ての登場人物が ”名も無き” 存在になって観客と一体化する仕組みになってるのに震えました



また話は前後しますが(読みにくくてすみません)、多摩川絶対防衛線こと ”タバ作戦” について……戦闘ヘリによる機関砲→ミサイル→戦車や自走砲による砲撃→戦闘機による空爆と段階的に威力の高い攻撃に移行するに従って観客側のテンションも否応なく高まっていきましたが、一連の流れが日本の何処にでも見られるようなごく一般的な市街地の風景の中で繰り広げられている ”トリップ感” と言いますか、”麻薬って(使うと)こんなカンジなんだろうか…” 的なヤバさでドーピング効果が抜群な気がしてならなかったのはミリタリーオタク特有の現象ってワケでも無いですよね?(←必死w)

静岡の御殿場からもピンポイントで攻撃してたり(距離にして70km以上とのこと)とかハンパ無い、百発百中の自衛隊の練度の高さが逆にゴジラの脅威度を実感として跳ね上げいく皮肉っぷりに涙が出そうになり、それらの攻撃が結果的に一切徒労に終わってしまった時は本当に涙が溢れてしまいましたが(T_T)、丸子橋の橋桁をあっさり吹き飛ばしたゴジラのパワーを見せつけられて(あんな巨大構造物がこちらに向かって飛んでくる映像が日本映画で見られるなんて!)、”ああ、こんなんが相手なら仕方ないか…” と妙に納得させられてしまったのも事実でした…

そしていよいよ介入してくる在日米軍

(日本政府からの要請とはいえ)日本の首都が再び、”米軍機による空爆” を甘んじて受けなければならなくなった事態に戸惑う余裕すら無く、ゴジラに与える初の有効な一撃に対する ”さすが米軍!”…からの奈落の底へ急転直下するゴジラの全方位無差別攻撃能力獲得への進化…

ゴジラの進化と同様に、序盤からは考えられないくらいにカッコ良く変貌していた総理以下、閣僚が全員あっさり死亡してしまい、予告編でも使われていた荘厳な音楽が流れる中で火の海と化す東京を為す術も無く見続けるしかない圧倒的な絶望感…

1回目の観賞の際は上手く言語化出来なかったので感想にも書かなかった(書けなかった)んですが、(核やら文明批判っていうより)”願い” だの ”祈り” だの、自分の都合のいい時だけ ”神様” を引っ張り出して来た多くの日本人への一種の ”罰” なのではないか?…みたいな事を呆然としつつ考えていたような気がしますね(-_-;)



”核攻撃” を巡る日本と国際社会の攻防の描写は、2回目を見た事で石原さとみ演じるカヨコの頑張りっぷりが素直に受け止められて良かったですね(1回目の時はお前の出世欲なんて知らねーよという気分がそれなりにw)……心情的に少しずつ日本側(というより矢口かw)にデレていく様も可愛かったですし

ヤシオリ作戦については……もう映像が全てですねw
ここまでひたすらぎゅうぎゅうに情報を詰め込まれっぱなしだった頭をカラッポにした状態で存分に、”ゴジラvsオールジャパン(+世界)” を堪能すればいいと……あの ”福島第一原発” の最前線で命がけで戦ってくれた方々への感謝と、テレビの前で固唾を呑んで見守るしか無かった、何か出来ることはないのかと煩悶するしか無かったオレら全ての日本国民(いや、世界中の人々か)の鬱積された気持ちを ”エンタメに昇華” することで ”解放” するのが第一義だったのでしょうから、あの作戦にリアリティを云々するのは間違ってるんです、きっと



ラストカット、小さな人間型の ”異形” が尻尾の先からワラワラと生成?されようとしている風に見えましたが、ネットで言及されてる説の中では ”ゴジラの第五形態=巨神兵” 説が一番しっくり来たかなあ……「ナウシカ」に繋がろうと、”使徒(ファーストインパクト)” として「エヴァンゲリオン」に繋がろうと個人的にはあんまり嬉しくないんですが、しっくり来てしまってるのは仕方ないですな



いやー、IMAXだったのがマズかったのか2回目を見ても全然落ち着いて見られた気がしないので(^_^;)、これはもう一度劇場に行くべきか

今度は立川の爆音上映とやらにしてみるかな……立川も ”ご当地” であることですしw



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