ひと夏の冒険、なんていう言葉はもはや使い古されてると言える表現ですが、”夏”という季節が、ある種独特な郷愁を誘う季節だという感覚は結構一般的だと思います
そして洋の東西を問わず、ジュブナイルと呼ばれるジャンルは10代の少年少女ならではの純真性と、(見え隠れする)大人の世界への戸惑いをテーマとしている作品群ですが、このテーマと夏という季節の親和性といったら尋常ではありません!
夏休みという長期休暇は(子供にとっては)無限とも言える時間や非日常を生み出して、強烈な日差しに気温といった皮膚感覚に残りやすい環境が夏ならではの記憶を特別にしているんだと思われますが、言葉通り ”成長期” にある少年少女たちにとって夏はまさに宝物のようにキラキラして眩しくて……と、すっかりおっさんになって久しいオレみたいな読者としては、上質なジュブナイル作品を見つけてしまっては(たっぷりの思い出補正込みで)応援したくてたまらなくなるワケでして(^0^;)
そんなワケで田島列島「子供はわかってあげない 上・下」についてのレビューです
この作品はタイトルからしてクラシック映画の「大人は判ってくれない」のパロディですが、各サブタイトルも「書道男と競泳女」「探偵は商店街にいる」「セメント・モリ」等々の映画タイトルのもじりようでして、作者さんの相当な映画好きが窺い知れるのもいち映画ファンとしては読んでて楽しくて仕方がありませんでしたヽ( ̄▽ ̄)ノ
マンガとしての演出も映画的にこだわっているというか、セリフの無いちょっと引いたカメラで静かな間があったり、何気ない日常の仕草を細かく描写したり、暗転の為だけの真っ黒なコマがあったりと、この作品をまんま、実写映画の絵コンテとして一切手を加えずに流用出来るんじゃないかって思えるくらいのこだわりです
内容としてはジュブナイルに少々のミステリー要素も加味したボーイミーツガールの王道であり、ほんわかしたタッチの絵に、遊びの多いようでムダのないセリフ運びがとても(初の長編作品だという)新人作家とは思えないクオリティになっています
主人公は水泳が得意な女子高生サクタさん、出会うは書道が得意なもじくん、そこに不良だけど優しい同級生や、お姉さんにしか見えないお兄さんなんかが絡んで来ますが、本題は ”行方不明の父親探し” という結構ヘビーな展開です……ですが描写は(絵柄どおりに)ひたすらゆるく、ふわふわで小ネタのギャグの嵐が吹きっぱなしですw
下巻に入ると怒濤の展開になって、様々な細かい伏線が回収されたりもしますが、テンポは終始一貫してゆったりしたままで、最後の一ページを読み終えるその瞬間まで心地良い空気が流れ続けた作者さんの演出手腕には思わずため息が出る程でした
最初にモーニングで連載が始まった時は、(面白いけど)なんでおっさん読者ばかりのモーニングで?と思ったんですが、あとがきによれば、敢えてモーニング読者を意識しないで描こうとして、しかも連載するアテも一切無いままにネームだけをずっと書きためていたのだそうで、そんな状態からでもネームを読んで連載をプッシュしたモーニング編集者は大英断だったですな( ゜∀゜)o彡゜
でも確かにおっさんといえども誰もがかつては少年だった時代があるのは当然で、むしろおっさんだからこそ(断言)過ぎ去りし時代への憧憬はより強くなるのも道理だと言えるのではないでしょうか
こちらで第一話が読めますので、興味が湧いた方は是非!
http://morning.moae.jp/lineup/354
…ただ、ネットでもこの作品の評価とか感想とかがほとんど見当たらないんですが、みんな読んでないのか?こんなに面白いマンガなのに!(ノД`)
150325追記:
「マンガ大賞2015」で第二位おめでとうございますヽ( ̄▽ ̄)ノ !!
↓アンコール連載ということで、これから最終話まで毎週木曜日に更新されるそうなので未読の方は是非!!!
http://www.moae.jp/comic/kodomohawakatteagenai/1
”雑誌掲載バージョン” との事で、オレもまた改めて読み返そうと思いますw
…また「ラーメン食いてぇ!」みたいにブレイクするといいなあ
…ところで、”子供はわかってあげない RAR” とか ”子供はわかってあげない zip” とかの検索ワードでこのページにガンガン飛んで来てるおまえら!(・ω・)m9
悪いこと言わないから公式で読みなさい!w
あと出来れば上下巻合わせても千円くらいなんだから買って作者さんを応援してやってくれ…
そして洋の東西を問わず、ジュブナイルと呼ばれるジャンルは10代の少年少女ならではの純真性と、(見え隠れする)大人の世界への戸惑いをテーマとしている作品群ですが、このテーマと夏という季節の親和性といったら尋常ではありません!
夏休みという長期休暇は(子供にとっては)無限とも言える時間や非日常を生み出して、強烈な日差しに気温といった皮膚感覚に残りやすい環境が夏ならではの記憶を特別にしているんだと思われますが、言葉通り ”成長期” にある少年少女たちにとって夏はまさに宝物のようにキラキラして眩しくて……と、すっかりおっさんになって久しいオレみたいな読者としては、上質なジュブナイル作品を見つけてしまっては(たっぷりの思い出補正込みで)応援したくてたまらなくなるワケでして(^0^;)
そんなワケで田島列島「子供はわかってあげない 上・下」についてのレビューです
この作品はタイトルからしてクラシック映画の「大人は判ってくれない」のパロディですが、各サブタイトルも「書道男と競泳女」「探偵は商店街にいる」「セメント・モリ」等々の映画タイトルのもじりようでして、作者さんの相当な映画好きが窺い知れるのもいち映画ファンとしては読んでて楽しくて仕方がありませんでしたヽ( ̄▽ ̄)ノ
マンガとしての演出も映画的にこだわっているというか、セリフの無いちょっと引いたカメラで静かな間があったり、何気ない日常の仕草を細かく描写したり、暗転の為だけの真っ黒なコマがあったりと、この作品をまんま、実写映画の絵コンテとして一切手を加えずに流用出来るんじゃないかって思えるくらいのこだわりです
内容としてはジュブナイルに少々のミステリー要素も加味したボーイミーツガールの王道であり、ほんわかしたタッチの絵に、遊びの多いようでムダのないセリフ運びがとても(初の長編作品だという)新人作家とは思えないクオリティになっています
主人公は水泳が得意な女子高生サクタさん、出会うは書道が得意なもじくん、そこに不良だけど優しい同級生や、お姉さんにしか見えないお兄さんなんかが絡んで来ますが、本題は ”行方不明の父親探し” という結構ヘビーな展開です……ですが描写は(絵柄どおりに)ひたすらゆるく、ふわふわで小ネタのギャグの嵐が吹きっぱなしですw
下巻に入ると怒濤の展開になって、様々な細かい伏線が回収されたりもしますが、テンポは終始一貫してゆったりしたままで、最後の一ページを読み終えるその瞬間まで心地良い空気が流れ続けた作者さんの演出手腕には思わずため息が出る程でした
最初にモーニングで連載が始まった時は、(面白いけど)なんでおっさん読者ばかりのモーニングで?と思ったんですが、あとがきによれば、敢えてモーニング読者を意識しないで描こうとして、しかも連載するアテも一切無いままにネームだけをずっと書きためていたのだそうで、そんな状態からでもネームを読んで連載をプッシュしたモーニング編集者は大英断だったですな( ゜∀゜)o彡゜
でも確かにおっさんといえども誰もがかつては少年だった時代があるのは当然で、むしろおっさんだからこそ(断言)過ぎ去りし時代への憧憬はより強くなるのも道理だと言えるのではないでしょうか
こちらで第一話が読めますので、興味が湧いた方は是非!
http://morning.moae.jp/lineup/354
…ただ、ネットでもこの作品の評価とか感想とかがほとんど見当たらないんですが、みんな読んでないのか?こんなに面白いマンガなのに!(ノД`)
150325追記:
「マンガ大賞2015」で第二位おめでとうございますヽ( ̄▽ ̄)ノ !!
↓アンコール連載ということで、これから最終話まで毎週木曜日に更新されるそうなので未読の方は是非!!!
http://www.moae.jp/comic/kodomohawakatteagenai/1
”雑誌掲載バージョン” との事で、オレもまた改めて読み返そうと思いますw
…また「ラーメン食いてぇ!」みたいにブレイクするといいなあ
…ところで、”子供はわかってあげない RAR” とか ”子供はわかってあげない zip” とかの検索ワードでこのページにガンガン飛んで来てるおまえら!(・ω・)m9
悪いこと言わないから公式で読みなさい!w
あと出来れば上下巻合わせても千円くらいなんだから買って作者さんを応援してやってくれ…
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