こころの・・・

^~^ スナフキンです
今日の貴方の心は~~~  

ほどける

2013-04-19 13:48:21 | 日記
ある男性のお話
もう60年近く前のことですか私が卒業した小学校は、山間の町の小さな小学校でした。
戦後の貧しさは、まだ続いていましたが、何とか弁当を持って登校できるようにはなっていました。
給食なんてずっと後のことです。
クラスの中に、一人だけ弁当を持ってこられない常一君がいました。
いつもはツネちゃんと呼びました。
午前中の授業の終わりを告げる鐘が鳴ると、ツネちゃんはすぐさま教室を出て行きました。
弁当を持ってこられないツネちゃんは運動場の水飲み場に行き、ゴクゴク水を飲むのです。
実は私こそ、そんなツネちゃんをいじめた張本人です。
私は、グーグー鳴るツネちゃんのお腹に無性に腹が立って、激しい言葉を投げつけました。
『うるせえよ!水っ腹野郎、出て行け! 貧乏タレ!学校に来るんじゃねえ!』
そして、図工の授業の時、用務員さんにメリケン粉を煮て作ってもらった糊を
ツネちゃんのところに持って行って告げたものです。
『さあ、これを食え!みんな食っちまえ!おまえが糊を食っちまえば授業は終わりだ。
さあ、腹が減ってんだから食えよ!』
すると、予期せぬことが起こりました。
ツネちゃんが鍋に手を突っ込んでガツガツ糊を食べ始めたのです。
みんな驚きました。私はカッとなってツネちゃんをなぐりつけて怒鳴りました。
 『馬鹿野郎! 本気で食う奴がいるか!お前なんか明日から来るな!!』
でも、ツネちゃんは小学校を卒業しました。そのあとは音信不通。
その常一君が今度の同窓会に出てくるという情報が入りました。
私も初めて出席します。そして常一君に謝ろうと・・・
小学校を卒業してから今日まで、ツネちゃんをいじめたことの後悔で苦しんできた私です。
ツネちゃんも憎んでいると思います。あの時は気付かなかったのです、
いじめた経験は一生自分を苦しめるということを・・・・・
同窓会を終えて、
常一君は卒業後は家族みんなで北海道へ渡ったそうです。
今では立派な牧場主になっていました。
私は、真っ先にツネちゃんの手を握り詫びました。
『申し訳なかった。ずっと私を憎んでいたでしょう。遅いけど、心からお詫びします』
すると、ツネちゃんが笑って言ってくれました。
『〇ちゃん、懐かしいね。あの頃の想い出は、いつも僕の励みになっています。
〇ちゃんはぼくを鍛えてくれた恩人だよ。
きっとこの貧乏から抜け出してやると決めてぼくは生きてきた。〇ちゃん、ありがとう!』
いつの間にか二人を取り囲んでいた同級生から、大きな拍手が湧きました。
みんなで泣きました・・・

私は、ツネちゃんを苛めた自分の経験から、苛めは生涯、苦悩として残り続けることを
知ってほしいと思います。私は六十年かかって 許されました。

二人のこころは 六十年の歳月を経て ほどけたのですね!
   
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生きがい

2013-04-01 11:43:46 | 日記
お釈迦様に「人生の生きがい」について質問をした者がおりました。
その問いに対しこんな話をされました。
「一匹のウサギがいた。そのウサギは大変目先がきいていたので、
秋の間に木の実を集めては山の中に隠しておいた。
しかし、その場所の目印にウサギは夜空を見上げて雲を目当てにした。
ところが雲は動くものだからせっかくの苦労もウサギにとっては虚しい徒労に終わってしまうのだ」
と答えておられます。

この話の兎とは「人間、この私」です。
木の実は「私が大事に蓄え抱えるもの=健康、金、財産、名誉、家族など」です。
雲は「移り変わり止まっていない=この人生と諸行無常のことわり」です。
その移り変わっていく人生において「これこそ私の生きがい」と蓄え抱え続けても
最後には奪われて(死)いく人生で「何を大事にするか、何が本当の生きがいになるか」を
問いかけています。



   
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